教会での結婚式の服装マナーは?着物で参列しても大丈夫?

2018年11月15日

結婚式にお呼ばれした際、何を着て行こうかと悩んだことはありませんか。

特に教会での結婚式は、「やはり洋装でなければいけないの?」と不安になりますよね。

ドレスで参列される方も多く見かけますが、日本人ならではの「着物」も着ていきたいものです。

今回は、教会式での「着物」について詳しくお話ししていきます。

教会の結婚式でNGな服装は?

教会での結婚式に招かれたら、どんな服装をしていけば良いのでしょうか。

まず、「着物」について知る前に、結婚式の服装のNG例を確認しましょう。

・全身白のコーディネート

結婚式において、「白」は花嫁だけが着て良いとされている色です。

教会式では、純白のウェディングドレスを着ることが多い傾向にありますので、ウエディングドレスと同じ白の装いは避けましょう。

・全身黒のコーディネート

黒の服装は不祝儀の印象が強いため、避けましょう。

「黒のドレスしか持っていない!」という方は、小物や羽織りものを華やかにするなどして、工夫をしましょう。

男性の場合、リクルートスーツを着て行くのは問題ありませんが、その際はポケットチーフやネクタイなどで華やかさをプラスするようにしましょう。

・露出の多すぎる服装

過度な露出は控えましょう。

ワンピースなどのスカートの丈は短すぎないよう、注意が必要です。

結婚式や昼の披露宴で、肩を出す服装も好ましくありませんので、羽織りものも準備しましょう。

・ファーなどの毛皮、ヘビやワニなどの革製品

殺生をイメージさせるため、動物の革製品は避けましょう。

また、アニマル柄も結婚式にはふさわしくありません。

・サンダル、ブーツ

足元は、カジュアルなサンダルやブーツはNGです。

つま先やかかとが隠れるパンプスにし、素足や黒ストッキングも避けてください。

着物で教会式に参列してもいいの?

教会での式は、キリスト教式とも言い、教会で神に結婚を誓う儀式です。

洋風のイメージがあるため「着物で教会式に参列しても良いの?」と疑問に思う方も多くいるでしょう。

実は、「教会式で着物がNG」という決まりはありません。

そのため、教会式で着物を着るのは「問題ない」ということになりますが、注意点があります。

それは、新郎新婦の意向です。

新郎新婦は、結婚式を「最高のイベントにしよう」と前もってあらゆる準備をしています。

そのため、結婚式のイメージやコンセプトを決めている場合も多いです。

また、後の項でもご紹介しますが、着物には「格」の違いがあり、着物の種類によっては失礼にあたるものもあります。

可能であれば、あらかじめ新郎新婦に「着物で参列しても問題ないか」事前に聞いておきましょう。

なお、黒を基調とした着物は、親族が着る「黒留袖」と紛らわしくなってしまうので避けましょう。

教会式でも着物をおすすめしたい理由

結婚式に着物で参列するのは「ハードルが高い」とお思いの方も多いと思います。

教会式となればなおさらかもしれません。

そこで、着物で参列するメリットをご紹介します。

・着物を着ている方がいると式場が華やかになる

着物の参列者がいると、柄や色あいにより華やかな印象を与えます。

着物は着付けをするのに手間や時間がかかります。

「この時のために時間を割いてくれた」と新郎新婦からも喜ばれるでしょう。

・フォーマルな印象を与え失礼がない

着物は、格式のある日本の伝統衣装です。

着物で結婚式に参加することは、敬意を示していることが伝わります。

・流行に左右されず、長く何度も着られる

着物は、縁起が良い柄などは決まっておりますが、流行り廃りがありません。

・着る方の年齢を選ばない

ドレスはデザインにより年齢を気にすることもありますが、着物は年齢を問わず着ることができます。

・日本人の体型に合う

日本人の体型は、欧米人に比べ骨格がフラットな印象です。

着物が似合うのは、フラットな体型と言われています。

また、おはしょりと呼ばれる紐で着丈の調整ができるので、ドレスよりもサイズに慎重にならなくても良い点は助かりますね。

結婚式の着物はどんな種類があるの?

教会式や人前式・神前式を問わず、結婚式の着物を選ぶ際に重要となるのは「格」であり、花嫁が一番格式高い衣装を着て、親族は花嫁の次に格の高い衣装を着ます。

立場によって、どの着物を着るのが望ましいか変わります。

ここでは、着物の格の違いを見ていきましょう。

【黒留袖】

黒留袖は最も格が高く、新郎新婦の母親や仲人・親族の既婚女性が着る着物です。

一般のゲストが着るとマナー違反ですので注意しましょう。

【色留袖(五つ紋)】

色留袖は立場を気にせず着ることはできますが、格の差には気を付けましょう。

親族側が訪問着などを着ている場合、親族より格の高い着物を着ることは無礼にあたります。

五つ紋の色留袖をゲストの方が着るのは避けたほうが良いでしょう。

【色留袖(三つ紋、一つ紋)】

三つ紋や一つ紋の色留袖は訪問着と同格になるので、立場を気にせず着用しても問題ありません。

しかし、色留袖は「親族のお祝いごと」に着用することが多いので、「色留袖を着ている=親族」という認識をされる可能性もあります。

ゲストの場合は、色留袖を着るのは避けたほうが無難です。

【訪問着】

訪問着は、未婚・既婚を問わずにどちらでも着ることができ、留袖に次いで格が高く「準礼装」や「略礼装」にあたります。

結婚式に着ていく着物は「訪問着」を選ぶと良いでしょう。

胸や肩・袖・裾などに渡ってひと続きになって描かれた、美しい絵羽模様が特徴です。

【付け下げ・小紋】

訪問着よりも少しカジュアルな着物になり、訪問着に比べると柄も少なく、シンプルなデザインが多いです。

こちらも、未婚・既婚、どちらも着ることができます。

【振袖】

「大振袖」「中振袖」「小振袖」の3種類があります。

花嫁が大振袖を着る場合は、ゲストが着る着物の袖の長さを調整する必要が出てくるため、中振袖を選択するほうが良いでしょう。

未婚の女性であれば袖の長さに制限はありませんが、振袖は成人式のイメージが強く、「若い方が着る着物」という印象があります。

教会での結婚式におすすめの着物「訪問着」について

教会での結婚式に着物を着ていくことは、体型も美しく見えるだけでなく特別感があり、とても華やかになります。

なかでもゲストとして参列する場合は「訪問着」がベターだということが分かりました。

訪問着は結婚式だけでなく、パーティーやお茶会などのあらゆるシーンで活躍します。

訪問着は、購入する場合でも留袖より費用がかかりません。

着る機会が多い方にとっては、長い間着ることができる訪問着はドレスなどの洋装よりもコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。

また「毎回訪問着のデザインを変えたい」という方はレンタルがおすすめです。

近年では、リーズナブルに訪問着をレンタルできるネットショップもたくさんありますし、小物など必要なものが一式揃ったセットプランもあるので安心です。

着物のクリーニングは専門的な技術が必要なため、料金も高く設定されていますが、レンタルであれば、そのような心配もないので気軽に使用できますね。

使用日数や使用場所を確認して、訪問着をレンタルしてみてはいかがでしょうか。

着物で結婚式に参列する際の所作のワンポイントアドバイス

着物での結婚式参列で気になるのは、やはり所作ではないでしょうか。

こちらでは、所作のワンポイントアドバイスをお伝えします。

【歩き方】

内股で歩幅を狭く歩くと、美しく見えます。

その際は、草履を引きずらずに、静かに歩きましょう。

【食事】

結婚式では、披露宴で食事をする場面があります。

着物の袖を汚さないためにも、物を取る際には袖口を押さえるようにしましょう。

【持ち物】

着物は、収納ができるポケットがたくさんあります。

例えば、ハンカチを袖口に入れたり、帯に扇子を挿したりできます。

着物はドレスに比べて温度調節がしにくいです。

夏季の結婚式に参列される場合の暑さ対策としても、ハンカチや扇子を準備しておきましょう。

教会式という場でも、慌てず上品な振る舞いができたら良いですね。

教会式でも着物を着てお祝いしよう!

教会での結婚式に着物で参列することは問題なく、むしろ礼儀を尽くしていることがお分かりいただけたと思います。

結婚式にふさわしい着物は「訪問着」で、未婚・既婚を問わずに着ていくことができます。

ぜひ、結婚式にお呼ばれした際には、着物で華やかにお祝いしてみてはいかがでしょうか。