七五三の五歳のお祝いの由来と着付けの必需品とは?

2019年11月01日

七五三の五歳のお祝いに男の子は袴を着付けますが、その由来をご存知ですか?

「かっこいいから」とか、「みんなが着ているから」だけではなく、七五三の五歳に袴を着付けることには理由があります。

今回は、七五三の五歳のお祝いに袴を着付ける由来と着付けに必要な準備をお伝えします。

男の子の五歳のお祝いの由来を踏まえて、家族みんなでお祝いしましょう。

七五三の五歳のお祝いは男の子の儀式!袴の着け始めはいつ頃?

七五三の五歳のお祝いは、平安時代にさかのぼります。

朝廷や貴族の「着袴の儀(ちゃっこのぎ)」といわれる行事がもとになっています。

平安時代は、男の子だけでなく女の子も着袴の儀を行い、女の子の場合は、緋袴を着ける儀式で、現代も皇室行事として行われています。

男の子の行事として武家も取り入れるようになったのは鎌倉時代で、江戸時代に裕福な町人も真似をするようになりました。

この「着袴の儀」は一般市民の間では、数えの五歳で紋付の羽織袴姿で正装する行事として伝わっています。

着付けを親戚の長老が行い、家族で氏神様にお参りをし、一人前の男の子として社会に認められたことをお祝いします。

東京では七五三のお祝いは、三歳と七歳は女の子、五歳は男の子の行事として定着しています。

女の子が行う七五三の三歳と七歳のお祝いの由来は?どちらも必要?

七五三のお祝いは、三歳は「髪置(かみおき)の儀」五歳は「着袴の儀」、七歳は「帯解(おびとき)の儀」がもとになっています。

どのお祝いも着袴の儀同様、平安時代の朝廷や貴族の行事がもとになっています。

髪置の儀と帯解の儀は、室町時代に将軍家が十一月十五日に祝ったことから、この日に定着しているところが多くあります。

元々「髪置の儀」は男女とも行う行事でした。

数え三歳になるとそれまで手入れをしていなかった髪にはさみをいれ、その後男の子は髪を結うために伸ばし、女の子はきれいに伸ばすために整えます。

女の子はおかっぱ頭に被布を着せ、中にはお宮参りにきた一つ身の掛け着を着付けます。

また、七歳の「帯解の儀」は「紐直し」「紐解き」と呼ばれることもあります。

幼児の着る着物は、身八ツ口に紐がついていて後ろで結ぶ形ですが、七歳ころから紐をとって、腰ひもで揚げをし、帯を結ぶ着付けに変えます。

大人の着る本断ちに、肩や腰に「揚げ」と呼ばれるつまみを作って着付けます。

地域によっては、四つ身仕立ての着物に揚げをして着付けることもあります。

三歳の髪置のお祝いは赤ちゃんから幼児に、七歳の帯解のお祝いは幼児から子どもへと、どちらも子どもの成長を祝う節目の行事です。

できれば両方、お祝いをすることが望ましいのですが、七歳の帯解のお祝いは、幼児としては最後の節目の行事になりますので、できるだけお祝いしましょう。

袴の色にきまりはあるの?五歳の着付けに必要な和装小物は?

七五三の五歳のお祝いの着物を選ぶ時に色のきまりはありません。

江戸時代に裕福な町人が始めた頃は、黒紋付に仙台平の正装でしたが、現代では色も絵柄も豊富になっています。

着物や羽織は柄物も多く、虎や鷹など勇ましいものや、小槌や熨斗などお目出度い柄も好まれます。

袴は濃い色が多いのですが、別々に選ぶことはなくほとんど着物や羽織とセットになっていて、お子さん本人や家族の好みで決めることが多くなっています。

ただし、記念に撮影する写真は残るものですで、ご両親の服装とコーディネートを考えた色を選択することもあります。

この他に、お子さんの顔が最も映える色に決めることも大切です。

そして、素材は正絹の他、ポリエステルのものもおすすめします。

着付けをしてから写真撮影と神社のお参りだけと思っていても、着物を汚してしまう心配があります。

洗える素材は、安心して着付けることができるので、選ぶポイントとして外せません。

七五三の五歳のお祝いの着付けに必要なものは、着物や羽織、袴だけではありません。

着物の下に着る襦袢や、足袋、雪駄はもちろんですが、補正用にタオルを2枚位準備しましょう。

写真スタジオで撮影する際は着付けもお願いできますが、着付けに必要なものは、全部準備して行かなければなりません。

写真撮影の予約をした時に、必ず確認しましょう。

写真スタジオではチェックリストを作成しているところもあるので活用しましょう。

七五三用のレンタル着物は着付けの前に必要な準備をしよう!

七五三の着物はレンタルされる方も多いと思います。

一般に五歳の羽織と袴のセットは3泊4日のレンタルで、使用する2日前に届くようになっています。

五歳の着付け用にレンタルで届くフルセットは以下の12種13点です。

〈着物、長襦袢、角帯、袴、羽織、羽織紐、腰紐(2本)、足袋、雪駄、扇子、懐剣、お守り〉

着付けをする前に確認することは、「揚げ」の確認と羽織の紐をつけることです。

揚げの確認をする必要があるのは、着物と羽織、長襦袢と袴です。

最初に肩の部分がつまんで縫いとめた「肩揚げ」を確認します。

次に、着物と羽織、長襦袢に肩揚げがしてあるかを確認します。

この肩揚げは「子どもの着物」という意味がありますので、必ず行います。

また、男の子は「おはしょり」をして長さを調節しないため、必要に応じて「腰揚げ」も行います。

「腰揚げ」は着丈の調節をするためのものですので、着物や羽織、長襦袢に行います。

袴の着丈の調節は、袴の柄に影響のないように裾か紐のついている部分で行います。

そして、羽織の紐が羽織につけてあるかも確認し、羽織の紐をほどいてしまわないように注意しましょう。

また、念のため長襦袢に半衿がついているかも確認してください。

ほとんどのレンタル着物は肩揚げが施した状態で届きますので、必ず試着して腰揚げが必要か様子をみましょう。

練習を兼ねて着ることで、当日もスムーズに着ることができます。

「かっこいいね」とほめながら、着せてみましょう。

この時、揚げ以外の「しつけ糸」をとることを忘れないでください。

五歳の男の子の着付けは自宅でもできるの?裏ワザを教えて!

七五三のレンタル着物以外に購入した着物でも、多くの場合着付け方法の説明書が添付されています。

女の子に比べて、男の子は着付けも簡単にできますので、自宅で挑戦してみましょう。

まずは、説明書を読むことやインターネット上の「七五三の五歳着付け方法」としてアップされている動画を見てみましょう。

また、ネット上に写真を使った解説も多くありますので、自分がわかりやすいものを選びましょう。

着付けの裏ワザは、子どもを大人しくさせるために子どものお気に入りのアニメーションを見せることから始まります。

また、「初めての体験」を嫌う子どもも多いので、楽しみながら、何回も着付けを練習することも大切です。

着付けをする子どもだけでなく、兄弟や姉妹も飽きさせないように工夫しましょう。

着付けの練習の後に写真を撮ってポーズの練習も楽しい時間です。

この他に、着物の着崩れが心配な方もいると思います。

袴がずり落ちそうな子どもには、サスペンダーも一緒にレンタルする業者もあります。

羽織で隠れますので、念のために準備することをおすすめします。

そして、お勤めの関係もあって神社のお参りや写真スタジオの予約が休日に集中することも多いのですが、十月中旬の氏神様のお祭りから早い方は七五三のお祝いをする方もいます。

日程をずらすことで、ゆったりとしたスケジュールにすることもできます。

十一月十五日にこだわらないことも裏ワザとお考え下さい。

七五三の時の神社に包む封筒の表書きは?しきたりはあるの?

七五三の五歳のお祓いを神社にお願いすると、当日は「お初穂料」を持参します。

お寺の場合は、「お布施」又は「祈祷料」と言います。

着付けをしてから神社に出掛け、最初に社務所に寄って、備え付けの複写式の申込用紙に必要事項を記入します。

大切な子どもの節目の行事ですので、読みやすい字ではっきり書き、必ず子どもの名前には読み仮名を書きましょう。

記入した申込用紙を神社の方に渡す時に、一緒にお初穂料も渡します。

金額は5,000円から10,000円が多く、神社によっては金額が決まっているところもありますので、事前に確認し、できれば新札で準備しましょう。

お初穂料は結びきりの熨斗封筒に入れて準備し、ふくさで包んで持参します。

表書きの上部分に「お初穂料」下部分に子どもの名前をフルネームで書きます。

中袋の表中心に包んだお金の金額を漢字で書き、裏面に住所と子どもの名前をフルネームで書きます。

子どもが兄弟姉妹一緒に2人以上でお祓いを受ける時は、子どもの名前を連名で書きます。

年長の子どもが右側になるように書き、お初穂料は人数分を包みましょう。

そして、お初穂料を包んだ熨斗封筒はふくさから出して、申込用紙と一緒に相手に名前が読める向きで渡します。

その後待合室で順番を待ち、その間に着付けを直すなど準備をしておき、案内に従って粛々とお祓いを受けます。

神社の説明に従って、お祓いを受けた後はお札やお守りを頂いて帰りましょう。

七五三は子どもの成長を祝う行事!家族みんなで楽しくお祝いしよう

七五三のお祝いは子どもの成長を祝う節目の行事で、五歳の男の子のお祝いは、伝統にのっとって袴を着付けましょう。

子どもの好みを尊重しながら、家族で相談して着物を選び、レンタルでも購入品でも、着物は事前に試着してから当日を迎えることが大切です。

思い出に残る七五三のお祝いになるように、子どもも家族も着付けを練習し準備を整えましょう。