法事などに使う御仏前の袋のとじかたにきまりはあるの?

2019年11月02日

法事や法要などで、故人への供養の気持ちを表すお悔やみ金を包むことがあります。

不祝儀袋・香典袋などと呼ばれますが、「御仏前」と書いた袋にお悔やみ金を入れてとじるのが一般的です。

ここでは、この袋のとじかたに意味やきまりがあるのかなどをご紹介いたします。

きちんと袋をとじることで、お悔やみの気持ちが丁寧に届きそうですね。

御仏前と書いた袋のとじかたに意味はあるの?

香典袋をとじるとき、とじかたに疑問を持ったことはないでしょうか。

慶事・弔事ともに袋のとじかたには意味があります。

御仏前の場合は、黒と白の水引きの袋をつかうことが多いでしょう。

関西の方では一周忌以降の香典を包む際に、黄と白の水引きの袋を使うこともあります。

しかし、関西の方でも、49日までは黒と白の水引きの袋を使うのが一般的だとされています。

封筒式になっているタイプもありますが、正式なタイプの袋をとじるとき上下がわからなくなったことはありませんか。

弔事の場合は袋のうしろから見て、上側が上に下側が下になるようにとじます。

これは、悲しみでまぶたをとじている様子を表しているとも言われています。

慶事の場合は、とじかたが逆になります。

袋のとじかたにも意味があるのですね。

間違えないように袋をとじることで、お悔やみの気持ちがより届くことでしょう。

香典袋にお悔やみ金を入れるときのきまりはあるの?

香典袋に「御仏前」と書いて(または印刷されたもの)、いざお札を入れようとしたときに向きや上下が気になることがあるでしょう。

香典袋にお札を入れるときのとじかたや、きまりはあるのでしょうか。

香典袋にも色々なタイプがありますが、中袋がある場合はそれにお金を入れます。

中袋が無いタイプは、入れる金額が少ないときに使いましょう。

入れる金額と香典袋との格が合うようにします。

お札の入れかたですが、裏側が香典袋の表に向くように入れます。

お札の人物が描かれている方が下になるように、人物の方から袋に入れてください。

ちなみに、お札の人物が描かれている方が表で人物がない方が裏になります。

あまりにもキレイな新札は控えて、どうしても使う場合は一度折り目をつけるなどして入れると良いでしょう。

新札を入れると、まるで故人のために用意しておいたかのように感じられて失礼だと言われています。

新札でないからと、あまりにも汚れやシワのあるようなお札は避けましょう。

汚いと感じるお札を入れることも失礼になります。

お札が2枚以上ある場合は、すべて向きを揃えて入れます。

きっちりとしたきまりは無いようですが、不祝儀に用いられている一般的なお札の入れ方です。

お札の入れ方にも気を配ることで、お悔やみの気持ちが伝わります。

袋ととじかたが同じでも御仏前とご霊前に違いはあるの?

弔事があったときには、お悔やみ金を用意することが多いでしょう。

さっそく香典袋に表書きをしようとして、「御霊前」か「御仏前」かで迷うこともあります。

表書きは宗教や宗派で違い、いつ香典袋を渡すのかにもよって変わってきます。

仏教では、亡くなってから49日後に成仏すると考えられています。

霊から仏になるということから、仏式でも49日までは「御霊前」と薄墨で書きます。

49日以降は「御仏前」と濃墨で書きます。

49日の法要で成仏するということから、49日法要では「御仏前」と表書きした香典袋を使いましょう。

浄土真宗の場合は、往生即成仏と考えられているため通夜や葬儀でも「御仏前」を使うようです。

香典袋を渡したいけれど、相手方の宗派が分からないこともあるでしょう。

確認できないときは「御香典」を使っても良いとされています。

しかし、神式やキリスト教式には適しません。

神式では「御玉串料」「御神前」を使うことが多いようです。

その際は、白か双銀の結び切りのついた袋を使います。

よく蓮の花などが施された袋を見かけますが、神式では使われません。

キリスト教式では「御花料」が一般的で、「御霊前」を使っても良いとされています。

袋は、無地か十字架やユリの花が描かれたものを選ぶと良いでしょう。

宗教や宗派の教えにより、香典袋の表書きも変わってくるのですね。

相手方の宗派が分かっているときは、適した袋に適した表書きで正しいとじかたにしましょう。

香典袋についている中袋には何か書いてからとじた方がいい?

正式な香典袋についている中袋ですが、ただお悔やみ金を入れるだけで良いのか気になります。

あらかじめ印刷されているタイプもありますが、中袋には住所・氏名と金額を書きます。

中袋の表に、お悔やみ金の金額を漢数字で書くのが良いとされています。

例えば、中袋の表の真ん中くらいに縦書きで「金 壱萬円」などと記します。

しかし、現在ではアラビア数字で金額を書く人も増えているようです。

アラビア数字なら「5,000円」などと、横書きに書けます。

そして、中袋の裏面の左下くらいに、自分の住所と氏名を書きます。

印刷されているタイプなら、それに従って書くと良いでしょう。

中袋がないタイプなら、香典袋に直接記入します。

きちんと書いておくことで間違いがなくなり、相手方がお礼状などを送る際にも手間取ることがありません。

奉書紙になっているタイプは、お悔やみ金を入れて折り目通りに折ってください。

外袋の御仏前と書いた方から見て、お札が裏側を向いているように入れましょう。

折りたたんだ最後の部分が裏側になります。

中袋のとじかたは糊付けせず、ただとじておくだけで良いでしょう。

手渡しするなら香典袋をふくさに入れて用意しよう

香典袋に御仏前と書いて、お悔やみ金を入れたらふくさに包みましょう。

持参するときは、ふくさに入れておくのが礼儀とされています。

ふくさの色は、弔事と慶事で使い分けます。

弔事ならグレー・緑・紫など地味な色を選び、赤やピンクなど明るい色は慶事に用いましょう。

紫など中間色は、弔事・慶事ともに使えるものもあります。

ふくさのとじかたも、慶事と弔事で異なります。

ふくさを菱形に置き、真ん中に香典袋の表を上にして置きます。

そして、右→下→上の順番にたたんでいき、最後に左側をたたみ、端を裏側に回します。

台付きのふくさなら、爪を左側にしてたたみます。

台の色が赤いものは慶事用ですので気を付けましょう。

また、2つ折りになっている金封ふくさを使うのも便利です。

弔事用の金封ふくさは左開きで、慶事用は右開きです。

手渡す前に、ふくさから香典袋を取り出しておき、相手側から表書きが読めるように向けて渡しましょう。

お悔やみの言葉と共に、手渡しできると良いですね。

御仏前に使う袋の選びかたととじかたのおさらい

香典袋には、色々なタイプがあります。

水引が印刷されているものや正式なタイプ、高級なタイプなどが売られていますが、香典袋を選ぶときは、お悔やみ金の額に応じて決めましょう。

5千円以下なら、水引が印刷されたタイプで良いでしょう。

1万円以上なら、水引が付いた正式なタイプを選んでください。

お悔やみ金と合っていない香典袋にならないように気を付けましょう。

中袋があるタイプは、住所・氏名と金額を書いて正しいとじかたで香典袋に入れます。

中袋がないタイプは、香典袋に書いてください。

そして、香典袋を折りたたんで、最後に裏に向けて下側を折ってから上側をかぶせます。

このとじかたには、涙をためずに上にかぶせるという意味もあると言われています。

適した香典袋を選んで、たたむまで気を抜かずに御仏前を用意したいですね。

お悔やみの気持ちを込めて御仏前の袋をとじましょう

香典袋を包むことは、それほど頻繁にあることではないでしょう。

いざ御仏前を用意するとなると、袋のとじかたなど「これで良いのか」と不安になりますよね。

そんなときは落ち着いて袋を選んで、お札を正しく入れて袋の後ろは上側が上になるようにとじます。

できるだけお悔やみの気持ちを込めてとじたいですね。

ふくさから取り出して手渡す際には、さりげなくお悔やみの言葉も添えられると良いでしょう。