浴衣から礼装まで!各種着物の着付けと帯の結び方をご紹介

2019年11月17日

着物を着付けした時に、一番目立つのが帯の結び方です。

どんな着物を着るのか、どんな目的で着るのか、どんな立場の人が着るのかによって、帯の結び方が違います。

着物では、生地や帯の素材のほかに帯の結び方で、目的を分けることもできます。

それでは、着付けの中で大切なポイントになる、帯の結び方についてご紹介しましょう。

帯の結び方ができて着付けが完成

着物の着付けを習う時、一番初めは着物の基本的な着付け方を学びます。

打ち合わせが左前になること、衣紋の抜き方、衿の合わせ方、裾線を足袋の足の甲に合わせること、おはしょりを真っ直ぐにそろえること、といったことです。

ところで、着物を着付け慣れていない人は、着物の専門的な言葉をご存知ですか。

普段あまり使わない「衣紋」や「おはしょり」という言葉を初めて聞いた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

着物には洋服にはない、専門用語があり、それを覚えるだけでも大変です。

そこで、簡単に着物の言葉の意味をご紹介しますね。

【衣紋】

衣紋は衣服を形良く着ることになりますが、着物では 和服の衿の胸で合わせる部分のことを言います。

着物の着付けで使う「衣紋を抜く」というのは、後ろ衿の中心のところを引き衿足に、ちょうど良いすき間を作ることになります。

【おはしょり】

着物は、身長と同じくらいの身丈があります。

そのため、頭分があまり、あまった丈の長さをたくしあげて、ウエストの部分で伊達締めや帯を締めて、調整します。

この時、あまった分を帯の下にきれいにたたんで出します。

これを「おはしょり」と言います。

自装(自分で着物を着ること)をする場合、こういった着付けの基本を覚えるだけでも一苦労です。

どうにか着物をきれいに着ても、それだけでは外に出ることはできません。

しっかりと帯を結んで出来上がりです。

そこで、最後の仕上げに必要なのが、帯の結び方です。

帯の結び方ができて、初めて着付けが完成します。

目的に合った帯結び!着付けは手間がかかるもの

帯結びは、着物の種類や素材、目的、着る人の年齢によって違ってきます。

よく夏になると、着付け教室のお試し教室で、浴衣の着付け教室というのを開催していますね。

夏祭りや花火大会の浴衣を「自分で着てみたい」という人にピッタリの教室です。

こういった教室に行ったから、着物の着付けを覚えた、と満足していませんか。

浴衣での帯の結び方は本当に普段使いで、浴衣や単重のウールの時の結び方になります。

そこで、着付けの教室を続けていくと、目的に合った帯の結び方を勉強していきます。

着物は、着物の素材や柄を選び、それにふさわしい着付けを学び、そして正しい帯結びをして外出できるものです。

着物の着付けは、着物に合った帯結びをして、初めで外出できる、なかなか手間がかかるものです。

しかし、手間をかけて着るからこそ、周囲から注目されたり、思い出に残ったりするものになるのかもしれません。

着付けで個性を表現!色々な帯の結び方

着物の中で、一番簡単に着付けることができるのが浴衣です。

浴衣は普段着になりますので、式典など正式な場で着ることはありません。

帯も兵児帯や半幅帯を使い、簡単な結び方をします。

着付けも歩きやすいように、裾を少し短めにします。

夏祭りや花火大会の浴衣姿なら文庫結びや、縦矢といった簡単で小さな帯結びになります。

しかし、最近は新しい結び方も増えて、浴衣の柄や色だけでなく、帯結びでも個性を表すことができるようになりました。

可愛い帯結びは、周囲の人からも注目されます。

自装の時にも、家族に浴衣を着せる時にも、一工夫して他の人とは違う帯結びを楽しむこともできます。

一方、着物の着付けで、一番難しいのが振袖です。

小物も多く、自分で着るのは難しいため、着付けをしてもらうことになります。

成人式や友人の結婚式の時など、式典の時に未婚女性が身につける、第一礼装になります。

振袖は、着物の着付けそのものも難しいですが、帯の結び方も生地の刺繍などで厚みがあり、難しくなります。

振袖の一番正式な帯結びは「ふくら雀」という結び方です。

しかし、美容師さんや着付けをする人が、次々と新しい素敵な結び方を研究し、今ではたくさんのおしゃれな結び方があります。

成人式では、振袖の柄も個性を表して素敵ですが、帯の結び方も人それぞれになります。

同じ着物でも、帯の結び方がたくさんあり、個性を表すことができます。

素敵な帯の結び方で、自分らしいおしゃれな着物の着方を楽しみましょう・

帯の種類で違う着付けの時の結び方

帯には、浴衣など普段使いで結ぶ半幅帯の他に、名古屋帯、袋帯、そして花嫁姿の時など華やかな時に結ぶ丸帯があります。

このほかに、舞踊の人が使う「踊り帯」、半幅帯と袋帯の中間で普段使いに利用できる「六寸帯」、単衣仕立ての「単帯」などがあります。

単帯は、幅によって半幅帯と名古屋帯があり、薄手で軽いため結びやすいのが特徴です。

帯は種類のよって、長さや幅・厚みも違います。

単衣仕立ての単帯は、薄手で初心者でも簡単に締めることができます。

夏物の着物に合わせる絽という素材の単帯は、薄手で見た目も涼し気になり、通気性が良いのが特徴です。

単衣仕立ての名古屋帯は、夏物の他に通年利用できるものもあります。

通年で使うことができる単衣の名古屋帯は、結びやすく着付けを始めたばかりの人にとって、一番使いやすい帯になります。

一方、同じ名古屋帯でも、「手」と呼ばれる半分に折って利用する部分が、仕立ての段階で縫い合わせてあるものもあります。

単衣仕立ての帯にも、手を縫った仕立て帯もあり、着付けをする時に自分で長さを決めて折る必要がありません。

忙しい時や手軽に着物の着付けをしたい人に、とても便利です。

袋帯や丸帯は、結婚式や成人式、入学式など式典に使う帯で、高級なものが多くなります。

結び方も、正式なものからおしゃれな結び方まで、年齢や結ぶ目的・場所で変化を付けることができます。

正装の着付けの丸帯・袋帯の結び方

花嫁衣裳で結ぶ丸帯は、一枚の帯地をぐるっと筒状に織り上げた、しっかりとした帯です。

両面に金糸や銀糸の刺繍が入り、その分帯に厚みと重みが増します。

そのため、結ぶのも大変です。

丸帯は、成人式や友だちの結婚式の出席など、華やかな場での振袖に合わせて締めることもできます。

全体に刺繍が入った帯は、結んだときに華やかで素敵ですが、着付けをする人は本当に大変です。

丸帯以外で成人式で締める帯は袋帯になります。

袋帯は、一枚の幅広の帯地をぐるっと輪にして筒状にした帯です。

袋帯の場合、裏側は無地のものが多くなります。

表地だけ刺繍や染めの柄が入る袋帯は、丸帯よりも薄手になります。

しかし、全体に金糸や銀糸の刺繍が入ると、華やかな分だけ厚みがあり、結ぶときに力が必要です。

未婚女性が、正式な場で丸帯や袋帯を結ぶときは、ふくら雀と呼ばれる結び方をします。

袋帯は、結婚後も利用することができます。

既婚女性になると、袋帯は、留袖・訪問着・色留袖・付け下げ・無地といった正装の着物の時にも、締める帯になります。

そのため、良い物を一本持っていると一生結ぶことができると言われます。

既婚の女性は袋帯で、二重太鼓と呼ばれる帯結びをします。

二重太鼓の結び方ができると、子供の入学式や卒業式、七五三、親族の結婚式とずっと着物姿で出席することができて、とても素敵です。

留袖や訪問着の二重太鼓は、振袖姿のふくら雀と違い、自装することができます。

着付けを習う時は、二重太鼓まで勉強できると良いですね。

既婚の女性の着付けと帯の結び方

既婚の女性が着物の時に結ぶのが、「お太鼓」「二重太鼓」です。

お太鼓、二重太鼓はふくら雀と同じ、袋帯や名古屋帯で結びます。

お太鼓は名古屋帯の結び方ですが、華やかな正装ではなく気軽な街着で利用する結び方です。

また、一重のお太鼓は、締める帯で地味な帯結びになり、悲しみを表す時に着る「喪」にも利用されます。

二重太鼓よりも簡単に結ぶことができるため、時間や余裕がない時の結び方になります。

一方、時間をかけても華やかでおめでたい時に着る着物では、袋帯を二重太鼓にします。

近年、二重太鼓は「改良枕」と呼ばれる器具を使うことで、簡単に結ぶことができるようになりました。

改良枕を使うと、着物を着る前日に二重太鼓の形をセットしておくことができます。

着物の着付けをした後に、セットしたお太鼓を背負い、巻き付けるだけで時間を短縮して結ぶことができます。

普通の帯枕を使うよりも、二重太鼓が楽に結ぶことができるため、ベテランの人でも利用しています。

さらに、二重太鼓を締めた後、アクセサリーを使うことで、他の人と違うおしゃれを楽しむことができます。

帯締めを後ろで結んで、前にはビーズの帯飾りや七宝焼きの帯留めをすることができます。

帯飾りをすると、地味な無地の着物や帯でも、華やかなものに変えることができます。

既婚の女性は、着物の着方も未婚の女性より衣紋や首元の袷を少し広くして着付けをしますが、帯の結び方も違ってきます。

目的に合った着物の着付けと帯の結び方を覚えよう!

着物は、目的や立場・格など、色々な条件で帯の結び方が違います。

着付けの仕方も違ってきます。

自分で着物を着る時は、お太鼓や二重太鼓ができると、色々な場面で着物を着ることができます。

着物は帯を結んで完成です。

自分らしい帯をおしゃれに結んで、素敵な着物姿を楽しみましょう。