着付けの前に知っておこう!袴を着ける時の男性の和装豆知識

2019年11月03日

男性が袴を着付ける時は、成人式や結婚式、パーティーなどのイベントが中心です。

しかし、袴の着付けは簡単で、どちらかと言うと着物初心者の方におすすめのスタイルです。

今回は、男性の袴の豆知識と着付けのポイントをお伝えします。

ぜひ、袴の着付けを覚えて普段の生活でも和服を楽しみましょう。

袴を着付けることによるメリット!良い姿勢にもつながる?

夏のお出掛け用に浴衣を着る方でも、初詣に着物で出掛ける方は多くありません。

また、着物をご自身で着付けされる方でも、袴を着る方は、武道競技以外では茶道や舞踊関係の方がほとんどです。

ところが、和服初心者の方にとっては、袴ほど簡単に着付けができてメリットの多いものはありません。

まず、袴の背板が当たって、姿勢が良くなります。

また、和服を着慣れない方にとって、最も難しいことは裾さばきです。

着物で歩き慣れないので裾さばきが上手くできず、歩幅がいつもと異なって歩きづらくなってしまいます。

同時に、夏の浴衣は多少めくれても寒くありませんが、冬は風が吹くと裾がめくれてとても寒く感じます。

しかし、袴を着けると多少裾がはだけても人目を気にする必要がなく、裾さばきを気にすることはありませんし、冬はとても暖かくなります。

その上、最大のメリットは、着丈を調節できることです。

男性の着物は、女性のようにおはしょりで着丈を自由に変えることができません。

出来上がりのサイズをそのまま着るので、少しの着丈の違いも粋に見えたり、格好悪くなったりオシャレが難しいことがあります。

ところが、袴は自分の好みの着付けができますので、着丈も自由に調節できます。

このように袴を着けるメリットは、男性の和服初心者の悩みの解決に直結しています。

馬乗り袴と行灯袴!男性用の袴は着付けも歩き方もコツが必要

男性用の袴は、大きく分けて二種類あります。

一つは「馬乗り袴」と呼ばれるズボンタイプのもので、もう一つは「行灯(あんどん)袴」と呼ばれるスカートタイプのものです。

馬乗り袴には、一般的なデザインの他に、「武者袴」や「野袴」もあります。

武者袴は少し細身のデザインで、野袴はズボンとほぼ同じデザインです。

どちらも普段着として着用することが多く、特に野袴は作務衣のように作業着として利用されます。

この他、馬乗り袴の場合は、着付けの際に注意が必要です。

袴に股がついていますので、着物と襦袢の後ろ部分の裾をたくし上げ着物の腰紐にはさんでから袴を着付けます。

行灯袴は股がついていませんので、そのまま着付けることができます。

そして、袴を着けると裾さばきは楽ですが、想定外のこともあります。

特に行灯袴では、階段の上り下りの際に前を踏んだり後ろを引きずったりしてしまうことがありますので、注意が必要です。

また、トイレの際に馬乗り袴は前部分を外す必要があるので、個室を利用する方が無難になります。

男性の方にはわかりにくいかもしれませんが、女性の服装に例えると、馬乗り袴はワイドパンツ、行灯袴はロングスカートと同様の行動する時の配慮が求められます。

最高級の「仙台平」から洗えるものまで男性用の袴地は多彩!

男性用の袴の生地は袴地とも呼ばれ、いくつかの種類があります。

その中でも最高級品は、紋付羽織姿に合わせる儀式用の「仙台平(せんだいひら)」と呼ばれる袴地です。

現在仙台平を製造しているのはただ1軒で、取り扱い店舗も限られています。

独特の光沢と、さわやかな衣擦れの音、動きに合わせて端然と形が整う性質を持ち合わせ、袴に求められる柔らかさと堅さの矛盾した要素を見事に織り込んだものです。

価格はおしゃれ着向けのもので30万円からで、特上は160万円で、別途仕立て代が必要になります。

この他仙台平以外にも、袴は正絹、ポリエステルなどの化学繊維、ウール製のなどがあります。

仕舞や茶道などで誂える際は正絹が多く、練習用に丸洗いできる化学繊維のものも便利です。

また、正絹のものは誂え又はセミオーダーが一般的で、店舗によっては、ウエストサイズが100cm以上の方、身長180cm以上の方は追加料金が必要な場合もあります。

化学繊維やウールの袴は身長に合わせ、サイズがSSからLLまでの仕立て上がりの袴もあり、着付けの際に着丈を調節して着用します。

価格は、化学繊維の洗える袴が6千円位から、仕舞用の正絹の誂えが9万円台から販売されています。

袴を着付ける時に揃えるものは着流しに袴を準備するだけで完了

男性が袴の着付けに必要なものは、着物一式と袴です。

着物一式とは着物と袴の他に、肌襦袢(下着)、襦袢、角帯、腰紐2本、足袋、雪駄又は下駄を指します。

浴衣に比べると、襦袢と足袋が増えています。

襦袢は長襦袢と半襦袢があります。

礼装用には白衿に身頃も白の長襦袢を着用することがしきたりで、普段着用には色物の長襦袢を着用することもあります。

特に襦袢に着ける半衿は顔に近いところのおしゃれで、夏用・冬用とあり、着物に合わせることも大切なきまりです。

そして、同じ着物でも半衿の色や素材で雰囲気が変わりますので、オシャレポイントとして楽しむことができます。

また、長襦袢には水墨画風のものや竜虎など背中に大胆な絵柄がデザインされているものもあります。

襦袢は仕立て上がりのものもありますが、着物と長さを合わせる必要があるので誂えることも一般的です。

素材は正絹の他、薄手ウールのモスリンや、夏用の本麻、家庭で洗濯できるポリエステルもあります。

この他、袴を着用する際に限って半襦袢を着付けに使用することもできます。

身頃部分は綿で、衿や袖がポリエステルのものが多く、必ず半衿がついているものを選んで下さい。

襦袢の価格は正絹の誂えで生地が5万円、仕立て代や半衿合計で1万5千円が目安です。

ポリエステルの仕立て上がりの洗える襦袢は7千円、半襦袢の半衿付きは5千円台からあります。

角帯は貝の口結び!男性の袴の着付けをマスターしよう

男性の和服の着付けは角帯で決まるといっても過言ではありません。

角帯の結び方は「貝の口」が一般的です。

特に、袴を着ける時は帯の結び目が隠れてしまいますので、帯結びに自信のない初心者にとっては、袴はとても有利に働きます。

着付けの際、帯を締める時に大切なことは、緩まないようにすることです。

帯が緩むと着崩れの原因になりますので、腰紐、角帯それぞれしっかりと締めましょう。

角帯を締める場所は、腰骨のあたりです。

横から見ると、前が下がり後ろが上がるように斜めになるように締めます。

そして、袴の上に角帯がほどよく見え、袴の裾がくるぶしギリギリのあたりになるように着付けましょう。

この他馬乗り袴を着用する時は着物と襦袢をたくし上げますが、その際袴の脇から太ももが見えないように注意が必要です。

また、行灯袴は着物が袴の下から出てしまわないように、袴の長さに気をつけましょう。

男性の着物姿は、着丈で決まります。

袴は着丈を調節できますので、角帯の見える幅も考えながら着付けをしましょう。

袴の紐は礼装用の時は十文字結びに、普段は一文字結びや結びきりが一般的です。

着付けのポイントは角帯の見せ方!袴におすすめの一文字結び

角帯の結び方は貝の口が一般的ですが、袴下用に「一文字結び」もあります。

この一文字結びは、女性の「文庫結び」と同じ形になります。

一文字結びの特徴は、袴を着けるときの枕にすることができる点です。

袴の着付けは、袴がずれないようにすることが大切です。

貝の口では、ひっかかる所が特にないので、袴を踏んだりした時に下にずれてしまうこともあります。

そこで、一文字結びは袴の背板を帯の結び目の上にのせ、袴の前身頃の紐を結び目に引っ掛けながら袴を着付けます。

このようにすることで、袴の紐がずれにくく、しっかりと角帯に固定されます。

ただし、一文字結びは文庫結びのように帯の「たれ」の部分を小さくたたみ込むので、角帯が傷みやすくなることもあります。

この他に、袴を着付ける時に大切なことは角帯の見える幅です。

袴は角帯が1cmから1.5cm見えるように着けることがポイントです。

角帯の見える幅が、広くても狭くても見た目に美しくありません。

男性の着物姿は角帯と着丈がポイントで、決まるととても美しいものです。

それと同時に、角帯や着丈がしっくりとしない着付けは、周囲を不快にすることもあります。

美しい着物の着付けは、着崩れもしにくく、着ている本人もとても快適に過ごせます。

気崩れした和服姿で周囲を不快にさせない心配りも、社会人として大切なマナーです。

袴の着付けを覚えて男性の着物初心者も着物をもっと楽しもう

男性の着物初心者の方にとって、慣れない裾さばきが楽になり、着丈の調節もできるので、袴を着けることはメリットが多くあります。

その上、袴を着用すると着崩れも少なく、おしゃれを楽しむことができます。

今回お伝えした袴の着け方を参考にして、袴の着付けを覚えて着物を日常でも楽しんでみてはいかがでしょうか。