洋食・フレンチレストランのマナーを学ぼう!【ナプキン編】

2020年02月16日

家族の記念日や友達の誕生日に、洋食やフレンチなどの少し高級なレストランに行くことがあります。

高級感のあるレストランは少し緊張してしまうかもしれませんが、張り切っておしゃれをして、その雰囲気を楽しむのもたまの記念日にはよいものです。

ただ、洋食やフレンチのレストランでのマナーに不安を抱えているという人もいるかもしれません。

今回の記事では、洋食やフレンチのテーブルマナーに欠かせないナプキンについてお話しします。

洋食やフレンチではナプキンは汚してOK

洋食やフレンチのレストランの席に用意されているナプキンは、テーブルマナーには欠かせない存在です。

昔のヨーロッパでは手を使って食事を取っていましたが、その際に手をぬぐうものとして使われていたのがナプキンのはじまりといわれています。

フォークやナイフがある現代では、ナプキンは食事中に口元を拭いたり手をぬぐったりする役割のほか、食べものや飲みものをこぼしたときに、服が汚れるのを防ぐという役割も持ちます。

ナプキンは汚してもよいものなので、遠慮せずに口元を拭いたり手をぬぐったりして使いましょう。

真っ白できれいなナプキンを汚すのがもったいないと思って、持参したハンカチやティッシュを使いたくなる人もいるかもしれませんが、実はこれはマナー違反です。

持参したハンカチなどを使うことは、「お店のナプキンが汚くて使えない」という意味に受け取られます。

そのような気持ちを持っていなくても、お店側からすると悲しい気持ちになりますよね。

食事中にナプキンを汚すのはマナー的には悪いことではありません。

逆に、遠慮せずに口や手をぬぐうために使うのがテーブルマナーです。

あまりに汚れてしまった場合や床に落としてしまったときは、ウェイターを呼んで交換してもらいましょう。

また、落ちたナプキンは自分で拾わず、ウェイターに拾ってもらってください。

サービスが始まる前にナプキンを取るのがマナー

それでは、順を追ってナプキンの使い方を見ていきましょう。

洋食やフレンチのレストランに入ると、席にはすでにテーブルセッティングがされています。

テーブルの上にはカトラリー類やグラスが並べられ、真ん中にはメインの大皿があります。

その大皿の上にナプキンがのっています。

ナプキンを広げて膝の上にのせるのは、飲みものや食べもののサービスが始まる前までにおこなってください。

飲みものや食べものが運ばれてきてからナプキンを取るのは、あまりマナーがよくないことだと考えておきましょう。

洋食やフレンチのレストランの場合、オーダーしたあとから食前酒が運ばれるまでの間です。

結婚披露宴などパーティーの場合は、乾杯のあと着席してからです。

同じテーブルに主賓や上司などの目上の人がいるときは、その人が取ってからナプキンを取ります。

男性は、同席の女性がナプキンを取ってから取るのがスマートなマナーです。

洋食やフレンチを食べるときのナプキンの使い方

次に、ナプキンの置き方を見てみましょう。

テーブルの上のナプキンを取ったら、広げて二つ折りにします。

輪になっているほうを手前側にして、膝の上に置きます。

そのほうが、ナプキンの内側で口元や手をぬぐいやすく、汚れた部分をほかの人に見せないようにできます。

ナプキンを使うのは、基本的に口元と手をぬぐうときです。

汗を拭いたり鼻をかんだりするのはマナー違反です。

口元をぬぐうときは、汚れた部分が見えないように、二つ折りにしたナプキンの膝側の内側上部を使います。

手をぬぐうのは、グラスの汚れを手でぬぐったあとやフィンガーボールで手を洗ったあとです。

こちらも、ナプキンの内側上部を使います。

汚れた部分を見えないようにすることで、スマートに食事を取ることができます。

ちなみに、洋食やフレンチにはワインがよく合いますが、ワインを飲む前にはナプキンで一度口元を押さえておくのがおすすめです。

こうすることによって、唇の油分がグラスにつくのを減らすことができます。

口紅がグラスにべったりつくのを減らすこともできますので、女性は特におこなっておくとよいでしょう。

洋食やフレンチのレストランでやむなく中座するとき

洋食やフレンチのレストランは、食事がコースになっていることが多く、一品一品ゆっくり堪能できるのも魅力ですよね。

時間をかけて食事を取ることになるため、席を中座することもあるかもしれません。

しかし、携帯電話やスマートフォンに出るために中座をするのは控えたほうがよいでしょう。

せっかくの食事の場に水を差すことになりかねません。

洋食やフレンチのレストランでは、ゆったり食事や会話を楽しむのも目的のひとつです。

食事の間は、マナーモードにするか電源を切っておくほうがよいでしょう。

それでは、やむを得ない場合に中座や退席をするとき、膝にのっているナプキンはどのようにするべきでしょうか。

中座の際は、ナプキンを軽くたたみ、イスの上に置いておきます。

ナプキンの真ん中をつまんで、三角の状態で椅子の上に置いてもよいです。

これで中座の意味になり、「まだ食事を続けます」という意思表示になります。

ナプキンの汚れが見えないようにたたむ気遣いがあると、いっしょに食事する人も気持ちよく食事が続けられるでしょう。

ちなみに、フレンチレストランでは、中座はマナー違反といわれています。

中座できるのは、デザートのあとのお茶の時間になってからです。

たたむのがマナー違反?ナプキンに込められたメッセージ

食事が終わったあとは、膝からナプキンを外してテーブルの上に置きます。

このとき、ナプキンのたたみ方が大切です。

日本人の感覚からすると、きれいにたたんで置きたくなりますが、きれいにたたむのは逆にマナー違反です。

きれいにナプキンをたたむのは、「料理がおいしくなかった」というメッセージとされています。

礼儀よくたたんだつもりだったのに、レストランやシェフへの失礼なメッセージになる可能性がありますので気をつけましょう。

「ナプキンをたたむのを忘れるくらいおいしかった」というメッセージを込めて、ナプキンは適当にたたんで置くのがマナーです。

世界共通のサインといわれていますので、覚えておくとよいですよ。

適当にたたんで置くのが気になるときは、端と端をずらして見苦しくない程度にたたむのがおすすめです。

適当にたたんだナプキンは、デザート皿の右上あたりに置いておきましょう。

洋食やフレンチのレストランでの食事はいろいろなマナーがありますが、ナプキン一枚にさまざまな意味を持たせることができるというのが驚きですね。

テーブルマナーは知っておけば怖くないので、これを機にしっかり覚えてくださいね。

テーブルマナーと一緒にドレスコードもチェック

さて、ここまで洋食やフレンチのレストランでのナプキンの使い方をお話ししてきました。

最後に、テーブルマナーの前提ともいえるレストランのドレスコードを簡単にご紹介します。

洋食というと「町の洋食屋さん」という雰囲気から一流シェフの洋食店まで範囲が広いので、フレンチレストランに絞ってご紹介します。

フレンチレストランでも格によってドレスコードが異なりますので、事前にチェックしておきましょう。

◆グランメゾン

最高級のフレンチレストランです。

男性はスーツかジャケットを着用し、ネクタイを締めます。

女性はワンピースやスーツ、ドレスを着用します。

男性は革靴、女性はパンプスが望ましいです。

◆オーベルジュ

宿泊施設付きの高級フレンチレストランです。

食事の時間になったら、男性はジャケット、女性はワンピースかスーツ、ドレスを着用しましょう。

こちらも男性は革靴、女性はパンプスがベターです。

◆ビストロ

気軽に入れる小さなレストランです。

ドレスコードは厳しくありませんが、カジュアルすぎる服装は控えましょう。

◆レストラン

一般的な洋食などの食堂です。

大衆食堂よりも上位のクラスを指すことが多いです。

ビストロと同じようにドレスコードは厳しくありませんが、ランニングや短パンなどの露出の多い服装は避けたほうがよいでしょう。

ナプキンの使い方をマスターすると気遣いができる

ナプキンの置き方や使い方を知っていると、スマートに食事ができますし、周りの人とも楽しく過ごせます。

また、ナプキンの置き方やたたみ方に込められたメッセージを知っておくことで、レストランやシェフに対して気遣いをすることもできます。

ナプキンをくしゃっとたたんで置くだけでなく、帰り際に「おいしかったです」と直接メッセージを伝えるのも、レストランやシェフからするとうれしい出来事なのでおすすめですよ。