押さえておきたい手土産マナー!ビジネスでの正しい渡し方

2020年12月06日

社会人として知っておきたいビジネスマナーのひとつに、「手土産」のマナーがあります。

例えば、取引先や顧客への訪問では、手土産を持っていく機会は多くありますよね。

しかし、いざ手土産を渡す際、そのタイミングや渡し方など基本的なマナーが分からない方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ビジネスマナーにおいて重要な、手土産の渡し方について詳しくお話ししていきます。

ビジネスシーンで手土産を渡す意味とは?

訪問の際に「手土産を渡す」という行為は、礼儀を重んじる日本において欠かせない文化であり、習慣です。

自分を迎え入れてくれる相手に対する礼儀という意味では、手土産はごく自然な挨拶と言えます。

しかし、手土産を渡すといっても、ただ渡せばいいわけではありません。

特に、相手の企業へ訪問するビジネスシーンでは、手土産は訪問のちょっとした挨拶代わりに加え、ビジネスパートナーとして良い関係を築いていくための重要な役割があります。

そんな大切なビジネスパートナーに対し、もし常識知らずな渡し方をしてしまっては、相手に悪い印象を与えるどころか、信頼を失ってしまう可能性も考えられます。

そのため、ビジネスシーンにおける手土産の渡し方は、社会人としてしっかり押さえておきたいマナーと言えるでしょう。

ビジネスで押さえたい手土産の渡し方!渡すタイミング

手土産はちょっとした挨拶代わりでありながら、渡し方ひとつで相手に与える印象が大きく変わってくることが分かりました。

ではここからは、ビジネスシーンにおける手土産の渡し方についてお話ししていきましょう。

まず押さえておきたいのは、訪問先で「手土産を渡すタイミング」です。

手土産は「挨拶代わり」と言われることもあることから、取引先の方に会ったら真っ先に渡しておきたいと考える方もいるかもしれませんね。

渡しそびれてしまってはそれこそ相手に失礼ですし、最初にすぐ渡しておけばタイミングを見計らってソワソワする必要もありません。

しかし、一般的に望ましいタイミングは、最初の挨拶である「名刺交換を済ませた後」です。

というのは、出会い頭に手土産を渡されても相手が困惑してしまうからで、まずは名刺交換でしっかり挨拶をしてから渡すことが望ましいでしょう。

また、訪問の相手がすでに親しい関係性であれば、会話が一息ついたタイミングで渡すのもありでしょう。

次の会話に続く話題作りにもなりますし、自然な流れでスムーズに相手に渡すことができます。

手土産を渡しそびれてしまった場合も、このタイミングで渡すと良いでしょう。

ただし、そうでない場合は、基本的には名刺交換を済ませた後がベストのタイミングと言えます。

手土産を渡すタイミングは他にも!ケースによって変わるタイミング

前項では、手土産の渡し方で大切な「渡すタイミング」について見てきましたが、ビジネスシーンでのケースによっては渡すタイミングを変えることも望まれます。

例えば、「商談が落ち着いたタイミング」で手土産を渡すケースです。

というのは、営業や商談で訪問をする場合、最初に渡すことでこれからお願いをするうえでの「下心」に捉えられかねないからです。

つまり、商談をする前からかえって相手に良くない印象を与える可能性があり、不快な気持ちにさせてしまうことも考えられます。

そのため、営業や商談が落ち着いたあとに、改めて時間をいただいたお礼として丁重に手土産を渡すことが望ましいでしょう。

ちなみに、訪問とは異なる会食の場合は、手土産が邪魔にならない「お見送りのタイミング」で渡すことがマナーです。

このように、ケースバイケースで手土産を渡すタイミングが変わることもしっかり押さえておきましょう。

ビジネスにおける手土産の渡し方!誰が誰に渡す?

ビジネスにおける手土産の渡し方で、次に押さえておきたいのは「誰が誰に」渡すかということです。

ビジネスでの訪問では、必ずしも自分一人、相手一人の1対1になるわけではなく、もちろんどちらにおいても複数人になる場合もあります。

そんなとき、まずは「誰が」渡すかということですが複数人の中で最も役職や地位の高い人が手土産を渡すのがマナーと言えます。

というのは、企業訪問は会社単位のやり取りですから、会社を代表するという意味を踏まえて、役職や地位のある人が渡します。

例えば、新入社員とその上司の二人で訪問する場合は、上司から相手に渡すようにしましょう。

次に、手土産を「誰に」渡すかです。

訪問先に担当者が複数人いる場合、やはりこちらも同様に、立場が上である上席の人に渡すのがマナーです。

ただし、状況によっては普段から関わることの多い担当者に渡す方が、やり取りがスムーズに行く場合もあります。

タイミングや状況を見ながら、臨機応変に渡し方を変えていくことが望まれるでしょう。

手土産はどのように渡す?気を付けたい渡し方のマナー

ビジネスにおける手土産のマナーでは、どのように手土産を渡すのか、その具体的な渡し方についても押さえておきたいところです。

取引先に渡す手土産は、一般的に紙袋に入れて持っていきますが、基本的には紙袋に入れたまま渡すことはマナー違反と言われています。

これは、紙袋には外からの汚れを守るための「外袋」としての役割があるからで、汚れがついている可能性がある紙袋ごと渡すのは失礼とされているのです。

このことから相手にはきれいな中身だけを渡し、紙袋は持ち帰ることが基本的なマナーとされています。

ただし、手土産の持ち帰りに困る会食などでは、紙袋に手土産を入れたまま渡すケースもあります。

そんなケースも含め、やむを得ず紙袋のまま渡さなければならない場合は、「袋のまま失礼します」といった配慮の一言を添えて渡すようにしましょう。

どんな手土産を持っていく?選び方のポイントを押さえよう

これまでに、ビジネスシーンにおける手土産の渡し方について詳しくお話ししてきましたが、手土産マナーの他にも気になるのは「手土産の選び方」ではないでしょうか。

会社を代表して手土産を持っていくのですから、基本的な選び方のポイントを押さえておきましょう。

●話題性のあるもの

手土産は相手との会話を盛り上げる話題作りになるため、特別感のある話題性が強いものを選んでおきたいところです。

例えば、なかなか手に入らない限定商品や行列ができる人気のお菓子などは喜ばれるでしょう。

●小分けにできる個包装

オフィスなどの職場でシェアがしやすい、個包装になっているお菓子の詰め合わせなどがおすすめです。

保管にも困ることがなく、デスクにもそのまま置いておけますし、忙しくても手軽に食べることができます。

●日持ちの良いもの

手土産の定番といえば、日持ちの良い焼き菓子、和菓子などが挙げられます。

賞味期限が長いものであれば、日持ちを気にせず食べたいときにゆっくり食べることができるでしょう。

一方、日持ちのしない生ものは、相手に負担をかけてしまう配慮に欠ける手土産と言えるでしょう。

●高額なものは避ける

せっかくの手土産だからと、張り切って良いものを贈ろうと考えている方も多いでしょう。

しかし、あまりにも高額なものはかえって相手の負担になるため、気を遣わせない妥当な金額で手土産を選んでください。

いざとなって慌てないために

ビジネスシーンでの企業訪問では、意外と手土産の渡し方のマナーが盲点になっていることがあります。

渡すタイミングや誰が誰に渡すかなど、手土産の渡し方ひとつで相手に与える印象を左右してしまうものです。
いざとなって慌てないためにも、手土産のマナーはあらかじめしっかり押さえておきましょう。