お宮参りのご祈祷に納める初穂料とは?金額と包み方のマナー

2021年05月09日

赤ちゃんの健やかな成長を祈るお宮参りでは、神社への参拝に加えて、ご祈祷をしてもらうという方もいることでしょう。

ご祈祷をしてもらう場合、その謝礼として初穂料がかかりますが、実際どのくらいの金額を包めば良いのか分かりませんよね。

そこでこの記事では、お宮参りに用意する初穂料の金額や包み方のマナーについて詳しくお話ししていきます。

初穂料に包む金額を知る前に!そもそもお宮参りとはどんな行事?

赤ちゃんが生まれて約一か月も経つ頃、家族イベントとして初めて行うのがお宮参りです。

そもそもお宮参りとは、その土地の氏神である「産土神(うぶすながみ)」に子どもが無事誕生したことを感謝するとともに、これからの健やかな成長を祈る伝統行事です。

つまり、神様や仏様にお参りをするのではなく、祈りを捧げる「お詣り(おまいり)」を行うのです。

厳密には、男の子は生後31日目、女の子は生後33日目にお詣りを行うとされていますが、あくまで生後一か月頃を目安とし、一般的には母子の体調や予定に合わせてスケジュールを組みます。

そんなお宮参りでは、神社に参拝し、記念撮影をする他にも、神社にご祈祷をしてもらうこともできます。

参拝ではお賽銭を入れてお詣りをしますが、ご祈祷をしてもらう場合は事前に神社に申し込みをして、当日に祝詞(のりと)をあげてもらいます。

また、ご祈祷をお願いする場合には、その謝礼となる「初穂料(はつほりょう)」もしくは「玉串料(たまぐしりょう)を支払います。

では、次項から「初穂料」という言葉の意味から納める金額について詳しく見ていきましょう。

お宮参りのご祈祷で納める初穂料とは?本来の意味とその役割

お宮参りでご祈祷をお願いする場合、「初穂料」という謝礼が必要になることが分かりましたが、そもそも初穂料という言葉自体、私たちにはあまり馴染みがありません。

そもそも初穂(はつほ)とは、その年に初めて収穫された農作物のことを指し、これらの初穂となる農作物は、古来より神様に祈りを捧げる際の供物として奉納されてきました。

しかし、季節によっては初穂を奉納することができないことがあるため、その代わりとして「初穂料」とするお金が納められるようになったのです。

現代では、お宮参りをはじめ、交通安全祈願や厄除け、七五三などの祈願・お祓い・祝詞の謝礼として用いられています。

一方、同じ意味を指す「玉串料」は、榊の枝に紙垂(しで)をつけた玉串を供物とすることから、一般的な祈祷や祝詞に加え、初穂料という言葉が使えない神葬祭(神道式)でも使うことができます。

では、謝礼として支払う初穂料には、どのくらいの金額を包めば良いのでしょうか。

次項で詳しくお話ししていきましょう。

初穂料として納める金額はどのくらい?相場は?

お宮参りのご祈祷で初穂料を用意する際、気になるのがその包むべき金額です。

神社によっては祈祷料の金額が決められている場合もあるため、基本的には事前に問い合わせて金額を確認することをおすすめします。

しかし一方で、「お気持ちでお納めください」などと金額を委ねている神社もあります。

「お気持ち」と言われてもどの程度の金額を納めれば良いのか分からないところですよね。

一般的な相場を見てみると、ご祈祷のみであれば5,000円程度、ご祈祷に加えてお守りや縁起物をいただける場合は10,000円程度の金額が必要になってきます。

そのため、初穂料の金額を規定していない場合は、5,000円程度の金額を包むことが望ましいでしょう。

ただし、ご祈祷を受ける人数によっても変わってくるため、あらかじめご祈祷の相場を踏まえて相談しておくと良いですね。

初穂料の金額は誰が払うの?

前項では、お宮参りのご祈祷で納める初穂料の金額について見てきましたが、いざ初穂料を用意する際、誰がその金額を支払うのでしょうか。

結論からいうと、誰が払うかについては厳密な決まりがあるわけではなく、各家庭やその土地の風習によって変わってきます。

ただ、伝統的なお宮参りの作法では、産後の忌明けが済んでいない母親に代わり、父方の祖父母が赤ちゃんを抱いてお詣りをする習わしがあるため、その流れで父方の祖父母が支払う場合が多いようです。

とはいえ、近年の家庭のあり方は実に様々ですから、母方の祖父母が払う場合もありますし、子ども夫婦がそのまま支払うケースもあります。

そのため、初穂料を用意する際は、両家の祖父母も含めて事前にしっかり話し合っておいたほうが良いでしょう。

また、どちらかの祖父母が初穂料を負担する場合は、もう片方の祖父母が赤ちゃんの晴れ着費用を受け持つなど、バランスを考えながら決めていけると理想的です。

初穂料の包み方マナーを押さえよう!使用するのし袋と表書き

では次に、お宮参りの初穂料を包むのし袋や表書きについて詳しくお話ししていきましょう。

まず、初穂料を包むのし袋は、一般的に水引が紅白で「蝶結び」のもの、もしくは白い封筒を使用します。

水引には、蝶結びの他にも「結び切り」という種類もありますが、お宮参りは何回あっても良いお祝い事のため、何度も結び直せる蝶結びの水引を選ぶようにしてください。

初穂料の表書きには、「初穂料」「御初穂料」、もしくは「玉串料」と記入し、下段には赤ちゃんの名前をフルネームで書きます。

名前が難しい場合は読み仮名を書いておくと良いでしょう。

また、地域によっては父親の名前を併せて記入するところもあるため、事前に確認しておきましょう。

そして、中袋の表には納める金額を、裏面には住所と赤ちゃんの名前を記入します。

中袋にお札を入れる際は、結婚式のご祝儀と同様に、お札の向きを揃えて人物が描かれているほうを表側に包むのがマナーです。

なお、お宮参りのご祈祷をお寺でしてもらう場合、のし袋の表書きは「ご祈祷料」と記入してください。

お宮参りの初穂料は袱紗に包むべき?

これまでに、お宮参りにおける初穂料の金額やのし袋のマナーについて見てきましたが、最後にお話ししていくのは、初穂料を包む「袱紗(ふくさ)」についてです。

結婚式のご祝儀などは、一般的に袱紗に包んで持参するのがマナーですが、お宮参りの初穂料も同様に袱紗に包むのが望ましいです。

そもそも袱紗には、のし袋が汚れたり折れてしまったりすることを防ぐ役割がありますが、それに加えて礼節を重んじる心遣いを示す意味合いもあります。

お宮参りは神前のかしこまったフォーマルなシーンですから、やはり袱紗に包んで持参するのが良いでしょう。

袱紗には様々なカラーがありますが、初穂料を包む袱紗では、お祝い事にふさわしい赤やピンクの暖色系やゴールド、また慶事・弔事のどちらにも使える紫色を選びます。

ワンコインで手軽に買えるものもあるので、1枚は持っておくとこれからのお祝い事にも役立つでしょう。

また、もし袱紗が手元にない場合は、代用としてハンカチを使うこともひとつの方法ですね。

初穂料の金額は事前に問い合わせよう

お宮参りでご祈祷を受ける場合は、どのくらいの初穂料が必要なのかを事前に神社に問い合わせておくことが大切です。

もし初穂料が決められていない場合は、一般的な相場である5,000円程度を包めば問題ないでしょう。

また、初穂料の負担を誰がするかについても、あらかじめ両家の祖父母を含めて相談しておくと良いですね。

お宮参り当日になって慌てることがないように、早めに準備するようにしていきましょう。