お宮参りの服装は伝統的な和装を着よう!選び方のポイント

2021年06月20日

生後一か月に行うお宮参りは、赤ちゃんにとって生まれて初めての家族イベントです。

お宮参りの服装は誰もが悩むところですが、せっかくなら伝統的な和装を着てお参りをしたいと考えている方も多いことでしょう。

しかし、赤ちゃんにどんな着物を着せればいいのか、親である自分たちがどんな和装をすればいいのか分かりませんよね。

そこでこの記事では、お宮参りで着ていく和装の種類や選び方について詳しくお話ししていきます。

お宮参りはどんな服装で行く?伝統的な和装でお祝いしよう

お宮参りとは、土地の氏神様に対して赤ちゃんの誕生を感謝し、これからの健やかな成長を祈る伝統行事です。

近年では、赤ちゃんにベビードレスを着せる洋装のお宮参りも増えていますが、お宮参りの正式な服装といえば、伝統的な格式高い和装でしょう。

やはりベビードレスなどの洋装よりも華やかに見映えしますし、写真撮影でも晴れの日の記念として良い思い出になるはずです。

また、日本の伝統行事を正装でお祝いすることは、本来のお宮参りの意味を踏まえても大変縁起の良いことですから、せっかくの節目をぜひ和装でお祝いしてみてはいかがでしょうか。

とはいえ、お宮参りの和装にはいくつか種類があるため、まずは主役の赤ちゃんとその家族が着用する着物についてそれぞれしっかり押さえておきましょう。

お宮参りに着せる赤ちゃんの和装は?

お宮参りの正式な服装として、まず見ていくのは主役である赤ちゃんの和装です。

一般的に、お宮参りには白羽二重(しろばふたえ)という真っ白な光沢のある内着を着用し、その上から「祝い着」や「産着(うぶぎ)」、「晴れ着」などと呼ばれる掛け着を羽織ります。

洋装の場合は、白羽二重の代わりにベビードレスを着用し、その上から祝い着を掛けます。

祝い着を羽織る際は、母親や祖母が赤ちゃんを抱いた状態で羽織り、背中の紐を結びとめてお参りするのが一般的です。

また、これらの祝い着に加え、帽子やスタイ(よだれかけ)も晴れ着のセット衣装として着用します。

和装の場合、併せて着用するのは「大黒帽子」と呼ばれる特徴的な頭巾で、これは七福神の一人、笑顔を絶やさない大黒天の頭巾が由来になっているとされています。

そして、よだれかけのスタイは、一般的なものと違って刺繍やレースが豪華に施してあり、晴れ着とのコーディネートでより一層華やかに見せてくれるでしょう。

お宮参りの華やかな和装!祝い着の柄にはひとつひとつ意味がある

前項では、お宮参りの服装として、赤ちゃんの和装について見てきました。

赤ちゃんの注目したいメイン衣装といえば、この華やかな祝い着ですが、実は祝い着の柄には、氏神様に子どもの健やかな成長を祈り伝えるために、ひとつひとつ意味が込められています。

祝い着の色合いや柄は男女で異なるものの、ともに広く使われているのは「吉祥模様(きっしょうもよう)」です。

吉祥模様とは、亀や鶴、七宝といった縁起の良い動植物・物品などを描いた柄模様のことで、晴れ着やお祝い事の調度品に使われています。

では、祝い着によく使われている吉祥模様とその意味合いを男女別にそれぞれ見ていきましょう。

【男の子】

●兜:一家の長としての権威や威厳を象徴し、邪気や災難から男児を守る

●鷹:鋭い眼光から、本質を見通す眼力をもたらし、鋭い爪は幸運を離さない

●龍:中国において生き物の祖とされる縁起物で、特に辰年生まれの男児に選ばれる

【女の子】

●御所車:皇族や貴族の雅な乗り物だったことから、多くの気品ある祝福を示す

●鈴:鈴の音は邪気を追い払う意味合いに加え、氏神様に祈りを届ける役割がある

●毬:平安時代の高貴な遊びだったことから、女性らしい雅な気品を表す

また、着物の柄の他にも、男の子は黒や濃紺、新緑、女の子は赤やピンク、黄色といったカラーをベースにしているものが多く見られます。

模様の意味合いも踏まえ、思い入れのあるぴったりな晴れ着を選んでみてくださいね。

お宮参りに着る母親の服装は?和装の種類

お宮参りに着用する赤ちゃんの和装を見てきたところで、次にチェックしていくのは母親の服装です。

赤ちゃんが和装の場合、母親もそれに合わせるのが一般的で、正装では「色留袖」や「訪問着」、「付け下げ」などを着用します。

●色留袖

日本女性の第一級の礼装で、お宮参りをはじめ、入学式や結婚式などのお祝い事に着用する和装です。

●訪問着

色留袖に代わる略式礼服で、結婚式や入学式などのお祝い事に加え、お宮参りや七五三、お茶会などさまざまなシーンに着用することができます。

華やかで豪華な色留袖とは違い、繊細な淡い色使いが特徴で、赤ちゃんを引き立てるお宮参りではおすすめされます。

●付け下げ

訪問着よりも格式が低い和装で、柄模様においても訪問着に比べて控えめです。

上記の3つの違いは格式や柄ですが、ライトに着用したいのであれば訪問着や付け下げがおすすめでしょう。

ただし、あくまで主役は赤ちゃんですから、どの着物を選ぶにしても赤ちゃんを引き立てるバランスの良い色合いやデザインを選ぶようにしてください。

また、近年では、産後の母親の体調や授乳のしやすさを考慮し、和装は赤ちゃんだけに済ませすケースも増えています。

着付けが難しい場合は無理をせず、フォーマルなワンピースを着用すると良いでしょう。

お宮参りに着る父親の服装は和装?スーツ?

お宮参りの和装で、次に見ていくのは父親の服装です。

和装のお宮参りというと、一家全員が着物で揃えるというイメージがあるかもしれませんが、ほとんどの場合、父親は白のワイシャツに黒のフォーマルスーツ、もしくはビジネススーツであることが一般的です。

というのは、父親がお宮参りで和装をする場合、正装として紋付きの羽織りに袴を着用することから、主役の赤ちゃんよりも目立ってしまうことがあるからです。

また、近年では動きやすさや着やすさという点も重視され、スーツのほうが一般的に着られる父親の服装として根付いているのです。

フォーマルスーツとは、一般的に冠婚葬祭で着用する略礼服の一つで、ビジネススーツと比べると光沢のある華やかな仕立てになっています。

しかし、せっかくの家族として初めての機会ですから、赤ちゃんと合わせて着物を着るのも良いでしょう。

いずれにしても、主役の赤ちゃんに格式高い和装を着せるのであれば、赤ちゃんの装いに準じたフォーマルな服装を選び、できるだけ統一感を図ることが大切ですね。

和装のお宮参りで押さえておきたいポイント

これまでに、お宮参りに着用する服装について、和装にスポットを当ててそれぞれ詳しくご紹介してきました。

ただし、お宮参りに着物を着ていくうえでは、前提として気を付けたいポイントがいくつかありますので、あらかじめしっかり準備して当日を迎えるようにしましょう。

●冬は防寒対策の用意を

お宮参りは参拝や記念撮影など、外にいる時間が長くなります。

そのため、特に寒い冬場のお宮参りでは、体温調節がうまくできない赤ちゃんの防寒対策は欠かせません。

保温性に優れた肌着を着せたり、着脱可能な暖かい帽子やブランケットを用意するなど、寒さ対策が必要です。

また、産後の母親も体調が万全ではありませんから、和装用のコートやケープを羽織ったり、裏起毛の足袋を履くなど、防寒対策を怠らないようにしましょう。

●授乳の仕方を考えておく

お宮参りは参拝やご祈祷、記念撮影、お食事会など、半日がかりで行われることが多いため、その間の授乳についても考えておく必要があります。

着物の場合、「身八つ口(みやつくち)」というわき部分の穴から授乳をすることができますが、せっかくの着付けが崩れてしまうことがあります。

そのため、当日は哺乳瓶を用意しておくなど、授乳の方法についてはしっかり考えておきましょう。

体調を考慮して和装のお宮参りを楽しもう

赤ちゃんにとって生まれて初めての晴れ舞台では、せっかくなら正装である和装を着せてあげたいものです。

それに合わせて、母親も赤ちゃんに準じた和装で臨みたいところですが、窮屈な着物は産後の母親にとって負担になる場合があります。

赤ちゃんはもちろん、母親の体調も第一に優先しながら、お宮参りの服装を考えていきましょう。