知っておこう!レストランでのナプキンの使い方や食事マナー
2019年08月08日レストランでの食事では、ナイフとフォークの使い方は知っていても、意外と迷ってしまうことが多いのがナプキンに関するマナーではないでしょうか。
日本の食卓ではナプキンはあまりなじみがありませんが、欧米では「ナプキンの使い方で育ちがわかる」と言われるほどです。
ナプキンに関するマナーを知って、自信をもってレストランでの食事を楽しみましょう。
目次
レストランのテーブルに置いてあるナプキンの役割とは?
ナプキンはおもに、食事中によごれてしまった手や口もとを拭くために使います。
また、こぼれた食べものや飲みもので衣類がよごれてしまうのをふせぐ役目もあります。
ですから、ナプキンをよごすのはマナー違反ではありません。
蟹や海老などのように、手を使って食べるメニューのあるレストランでは、よごれた指先を洗うためにフィンガーボールが出されます。
そのときも、洗った指先はナプキンで拭きましょう。
さらにナプキンは、レストランのサービス係への合図の役割も果たします。
うっかり誤ったたたみ方や置き方をすると、まだ食べている途中のお皿を下げられてしまったり、「あのお客さまは食事が気に入らなかったようだ」と思われてしまったりすることもあるのです。
ナプキンのたたみ方については、後ほど詳しくお話ししていきます。
ナプキンはいつひろげたらよい?そのタイミングについて
ナプキンのマナーの難しさのひとつが、ナプキンを最初に手にとるタイミングではないでしょうか。
早すぎず遅すぎず、ちょうどよいタイミングでナプキンをひろげるのは意外と難しいものです。
ナプキンは、レストランで全員が席に着き、注文をすませてから、最初の飲みものまたは料理が運ばれるまでのあいだにひろげます。
ナプキンをひろげて、最初の飲みものや前菜を待つのが正しいマナーです。
ナプキンをひろげるのは、レストランのサービス係への「わたしたちは食事の準備ができましたので、どうぞ料理を運んでください」という合図でもあります。
パーティーでは乾杯がすんでから、また同じテーブルに主賓や目上のひとがいる場合は、そのひとがナプキンをとってからひろげると覚えておくと、マナー違反にならないでしょう。
どちらの場合も、レストランのサービス係から「ナプキンをお取りください」と言われてからひろげることのないように気をつけましょう。
食事中のナプキンの使い方とマナー
ナプキンは、長方形もしくは三角形に二つ折りにして、膝の上に置くのが基本のマナーです。
長方形の場合も三角形の場合も、端は少しずらして折ります。
そして、ナプキンの折り目(輪になっている方)が手前(自分の身体側)になるように、膝に置きます。
手前に折り目をもってくることで、安定感を持たせて、ずり落ちないようにしています。
ナプキンを折らずに膝にひろげることは、マナー違反ではないのですが、すぐにずれたり、膝から落ちてしまったりしやすいので、やはり二つ折りがよいでしょう。
手や口もとを拭くときには、折りたたんだ内側の部分を使います。
内側を使うようにしておけば、ナプキンの表面をいつもきれいに保つことができ、よごれた部分が見えませんし、自分の洋服につけてしまうこともありません。
口を拭くときには、姿勢が悪くならない程度に下を向き、ナプキンを引き上げながら顔をナプキンに近づけて拭くようにすると、より上品に見えます。
ごしごしとこするように拭くのではなく、そっと口もとをおさえるようするとよいでしょう。
レストランでは、ミネラルウォーターやワインのグラスがいくつもテーブルに並びますが、グラスの縁にべっとりと油がつくのは、あまり美しくありません。
せっかくのワインの風味も落ちてしまうでしょう。
グラスに口をつける前には、毎回ナプキンでそっと口もとをおさえることを習慣にして、グラスの縁に油がつかないように気をつけます。
また、魚や肉の骨、くだものの種などを口から出すときには、ナプキンで口もとを隠すのもマナーです。
知っておきたい!ナプキンのマナーとタブー
ナプキンをエプロンのように首からさげているひとをときどき見かけますが、これは子どものようです。
食べこぼしそうで心配なのはよくわかりますが、せっかくのレストランでの食事ですから、大人としてマナーを守りたいところです。
また、レストランでナプキンが用意されているのに、自分のハンカチなどを膝にひろげて使うのは、マナー違反とされます。
「このレストランのナプキンは、きたなくて使えません」という意味になってしまいますので、気をつけましょう。
そして、ナプキンを落としてしまったときには、自分では拾ってはいけません。
フォークやナイフを落としたときとおなじように、レストランのサービス係に任せます。
女性の口紅が、べったりとナプキンについてしまうのも避けたいことです。
そうならないために、口紅は食事の前に軽くティッシュオフしておくとよいでしょう。
また、ナプキンで額の汗を拭く、鼻をかむなども控えましょう。
その他、食事中にワインなどをこぼしてしまったときには、慌ててナプキンで拭いてはいけません。
倒れたグラスを起こすだけにして、あとはサービス係に任せます。
レストランで中座するときのナプキンのマナー
食事中に席を立つのは、基本的にはマナー違反とされています。
万が一、やむを得ない理由で中座するときには、コース料理の場合、料理が終わりデザートが運ばれるまでがよいタイミングです。
そのとき、ナプキンは軽くたたんで椅子の上に置いていきます。
よごれた部分が外から見えないように、軽くたたむだけでよいもので、きちんとたたむ必要はありません。
これはレストランのサービス係への「まだ食事中です、また席に戻ります」という合図です。
椅子の背もたれにかけて中座すると、よごれたナプキンがレストランの他のお客さまの目に入ってしまいますから、気をつけましょう。
また、テーブルの上に置くと「食事は終わりました」という合図になってしまいます。
用を済ませて席に戻ったら、食事中のお皿がすべて下げられてしまっていたということにもなりかねませんので、注意が必要です。
レストランでの食事後に退席するときもある!ナプキンのマナー
レストランで食事を終えて席を立つときには、ナプキンはテーブルの上に置くのがマナーです。
きちんとたたんで置くと、そのレストランの「食事がおいしくなかった」、「サービスが気に入らなかった」、このレストランには「二度と来ない」という合図になってしまいます。
欧米のひとのように、わざとくしゃくしゃにして置くのは、わたしたち日本人は少し苦手なので、端を少しずらすように軽くたたんで、無造作に置くようにするとよいでしょう。
置く場所は、デザート皿の右上あたりが一般的です。
デザート皿がすでに下げられていた場合も、そのあたりを目安に置きます。
また、ナプキンをひろげたときと同様に、同じテーブルの主賓や目上のひとの様子をよく観察し、そのひとよりも先にナプキンをテーブルに置かないようにする気づかいも大切です。
先にナプキンを置いてしまうと、まるで早く帰りたがっているように受け取られてしまいますので、気をつけましょう。
ナプキンのマナーを守りつつレストランで楽しい時間を!
ナプキンのことに限らず、マナーは周りのひとを不愉快にさせないためのものです。
ナプキンのマナーのひとつひとつには、ご紹介したような納得できる理由があります。
あまり難しく考えすぎず固くならず、同じテーブルのひとを気づかい、レストランでの食事を一緒に楽しむという気持ちで、自然にマナーを守れるとよいでしょう。