七五三7歳での着物着付けにチャレンジしよう!帯結び方は?
2019年06月03日女の子のお子さんがおられる家庭では、7歳になると気にかかるのが「七五三」ではないでしょうか。
女の子は3歳で七五三を1度経験しているとはいえ、着物の種類や着付け方、帯結び方も3歳とは違い、不安に思っておられる方も多いでしょう。
今回は「七五三7歳での着物の着せ方、帯結び方」についてご説明します。
7歳七五三の衣装選びに迷っておられる方、また家庭で着付けをしてみたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
七五三の由来や意味をご紹介!7歳七五三は「帯解の儀」
現代では当然のように行われている七五三ですが、由来をご存じでしょうか。
この項では、「七五三の由来と込められた意味」についてご説明します。
七五三は、子供の健やかな成長を祝い、今後の幸せと発展を願う行事です。
数え年(誕生した年を1歳とする年齢の数え方)で、女の子は基本的に3歳と7歳で行います。
一家で晴れ着を着て、神社に参拝し神様にお礼とご祈祷をします。
なお、近所の氏神様に参拝するのが基本です。
七五三は、平安時代から貴族の間で始まり、江戸時代に庶民にも定着したという説が有力です。
昔は、衛生環境が悪く、医療も発達していなかったので、乳幼児の生存率が低かったことから、人々の子供の成長への願いは強いものがありました。
その願いが七五三の始まりです。
7歳女の子の七五三は「帯解の儀」(おびときのぎ)といいます。
それまでは帯をせず、紐で結ぶタイプの子供用着物を着ていますが、「帯解の儀」を境に大人と同じように帯を締める着物を着付け、大人の仲間入りをします。
「帯直の儀」(おびなおしのぎ)や「紐落の儀」(ひもおとしのぎ)という別名もあります。
また、帯を締めることで「それまでフワフワしていた子供の魂を定着させる」というスピリチュアルな意味もあったようです。
現代では帯の柄や色が増え、帯結び方も様々なアレンジが加えられて、華やかになっています。
七五三7歳の和装着付けで準備するものをご紹介!
この項では、七五三7歳の和装着付けで準備するものをご紹介します。
まずは「下地」です。
洋装でいう下着にあたります。
下地は、長襦袢、半襟、紐4本位、肌襦袢か下着、裾除け、タオルです。
長襦袢の下には肌襦袢が基本ですが、現代は着物に慣れていないため、締め付けが苦手な子供が多いです。
そのため、肌に当たる部分は普段着用している下着でも構いません。
次に着物、帯、帯揚げ、しごき、帯締め、伊達締め、前板、帯枕です。
帯揚げは帯の上、しごきは帯の下につけるもので、着物に合った色を選びましょう。
また、伊達締めや前板、帯枕は帯の背中飾り部分を形よく結ぶ際に重要です。
帯の種類は大きく分けて、手結び帯と作り帯があります。
手結び帯は1本の帯を形作っていくものです。
作り帯はあらかじめ背中の飾り結び部分が作ってあり、胴に巻いた帯に装着します。
そのため、種類によって帯結び方の過程が違います。
手結び帯は好みの帯結びが自分で作れ、またアレンジも自在なことが利点です。
一方、作り帯は初心者でも簡単に帯を結べる上、崩れの心配がありません。
そして最後に、足袋、筥迫(はこせこ)、バッグ、扇子、髪飾り、草履などの小物です。
筥迫は、昔の紙入れです。
その他、お守りやお金、口紅などを入れていた記録があります。
大人の仲間入りの印として、現代は七五三の装飾品の一種になっています。
着付け前の下準備として、長襦袢に半襟を縫い付け、長襦袢と着物に肩上げをしておきます。
肩上げとは、着物のサイズを合わせるために、肩山の部分を寄り縫っておくことをいいます。
現代において販売やレンタルされている着物は、あらかじめ大体のサイズで肩上げされているものが多くなっています。
心地よく着物を着るのに重要!七五三7歳「下地」の作り方
この項では、七五三7歳の「下地」の着付け方をご紹介します。
着物の着付け、帯結び方を着心地良く、綺麗にするためにも重要です。
まずは足袋を履かせておきます。
すべて着た後に足袋を履くのは一苦労ですし、着崩れの原因にもなります。
①肌襦袢(もしくは肌着)と裾除けを着せ、腰にタオルを巻きます。
タオルは腰のくびれをなくして、帯を巻いた時の姿を綺麗にする役目があります。
なぜなら、着物はまっすぐな体のラインが美しいとされているためです。
その他、帯の締めすぎを防ぎ、楽に過ごせる役目も果たしています。
②長襦袢を着せ、長襦袢の背中心と子供の背中の中心を合わせます。
③右の襟を下にして、鎖骨が隠れるように襟をきっちり合わせます。
襟元がカタカナの「ソ」の形になっているか確認してください。
後ろ襟は指が1~2本入る程度に抜きます。
裾の長さは足首から6センチ前後上に設定します。
④腰紐を結びます。
背中側で蝶結びにします。
帯結び方の前に…七五三7歳の着物の着付け方をご説明!
下地の準備が出来たら、次は着物の着付けです。
7歳の七五三は、3歳の時とは着付け方も帯結び方も違います。
では、順を追ってご説明します。
①着物を着せ、長襦袢と着物の中心を合わせ、ずれないように襟後ろをクリップなどで留めます。
②袖を着物の袖に入れ、きっちり合わせます。
③着物の前両側を持ち、少し前に引き長さを決めます。
床すれすれぐらいがバランス良く見えます。
裾が床と平行になるよう気を付けてください。
④上前(着物左側)を閉じて体に沿わせ、身幅を決めます。
腰骨が隠れるくらいが良いとされています。
決めた長さや身幅を崩さないように手でしっかり持ったまま、上前を再び開き、右を下、左を上にして着物を閉じ、腰紐を結びます。
高さを決めた際に余った腰の布を腰紐から出して折り、整えます。
この部分は「おはしょり」といい、帯を巻いた際にも見える場所なので綺麗に整えましょう。
⑤半襟を1~2センチ出し、襟元が「ソ」の形になるよう合わせます。
⑥着物の身八つ口(脇に開いた穴の部分)から手を入れて前のおはしょりを整えます。
襟が崩れないよう、胸紐を巻きます。
⑦おはしょりと襟を安定させるために伊達締めを巻きます。
この時、伊達締めからおはしょりの上部分が見えないよう気を付けて下さい。
⑧最後に襟のクリップを外し、体と着物の中心があっているか、裾は床と平行か、おはしょりによれた部分はないかなど、チェックしてください。
七五三7歳の帯結び方!基本の文庫結びでご紹介
着物の着付けが終わったら、いよいよ帯です。
7歳の女の子が、初めて大人と同じように帯を締めている姿はとても愛らしいものです。
形崩れのないように綺麗に仕上げましょう。
まずは手結びの帯結び方をご説明します。
帯結び方には種類がありますが、ここでは「文庫結び」を例に挙げます。
文庫結びは蝶結びのような帯結びが特徴で、その愛らしさから七五三で多く取り入れられています。
①帯の「手」を40~45センチ取ります。
「手」とは帯を形作った時に、飾り結びの中心になる部分です。
対して反対側を「垂れ」といいます。
「手」の幅を半分に折り、背中側から右の肩に預けます。
②「垂れ」も幅を半分に折り胴に2巻きします。
1巻き目と2巻き目の間に帯板を挟みます。
③肩の「手」を下におろし、「手」を上、「垂れ」を下にして一文字にしっかり結びます。
④「垂れ」を肩幅より少し広めの長さで内側に折り畳み、「羽根」を作ります。
「羽根」の中心に山ひだを寄せます。
⑤「羽根」に仮紐を通します。
借り紐の中心が「羽根」の下で輪になるようにし、仮紐の両側を輪にくぐらせ、両側を引き上げて前に回し、蝶結びにします。
結び目は帯の中に挟みます。
⑥「羽根」に「手先」を被せ、「手先」の内側に帯枕を入れ被せ、帯枕の紐を前で結びます。
帯揚げも帯枕に通し、帯揚げの両端は前で仮結びします。
⑦帯締めを帯の上に巻き付け、前で結びます。
左右余った帯締めは胴に巻いた帯締めに挟んでおきます。
⑧仮結びした帯締めを、2つ折りにして結びます。
布が余ったら帯の間に入れ込みます。
⑨「羽根」の重なりを広げ、形を整えます。
⑩しごきを8センチ前後の幅に折って、帯の下に2巻きします。
左後ろ側で蝶結びにし、あまり布は垂らしておきます。
これで手結び帯は完成です。
より簡単な帯結び方「飾り帯」小物の付け方も
手結び帯は素敵ですが、7歳とはいえ元気盛りの子供なので、活発な動きから着崩れの心配をされる方もいるでしょう。
また、七五三の参拝前は忙しいので、より簡単な帯結び方を希望される方もいるかもしれませんね。
そのような方には、簡単で着崩れを起こしにくい、飾り帯を用いることがおすすめです。
飾り帯の帯結び方をご説明します。
着物の着付けまでは手結び帯と同じです。
①胴部分の帯を左脇から帯板を入れます。
背中で帯の端を斜めに折り上げ、脇であらかじめ帯についている紐を結びます。
紐は見えないように帯に入れ込みます。
②帯枕を装着し、帯枕の紐を前で結び固定します。
飾り帯の土台となります。
③背中側の飾り結び部分の帯を付けます。
飾り結び部分の帯にはあらかじめ装着するための部品がついており、それを着物と胴部分の帯に挿し込みます。
帯締めや帯揚げ、しごきは手結び帯と同様の結び方です。
最後に小物を身に着けます。
筥迫は胸元に半分くらい入れ、扇子は帯締め左側に挿し込みます。
バッグを持ち、草履を履いて完成です。
七五三を機会に着物の着付けをマスターしてより良い思い出を
今回は「七五三7歳での着物の着せ方、帯結び方」をご紹介しました。
7歳の七五三は、大人の仲間入りの意味もあり、ほぼ大人の着物の着付け方、帯結び方と同じです。
この機会に着物の着付けを習得するのも良いでしょう。
帯結び方に自信のない方は、簡単に形作れる飾り帯を用いましょう。
一生に1度の七五三、親子にとって華やかで良い思い出になると良いですね。