七五三の晴れ着の着付けと3歳の子供に合わせたヘアメイク
2019年11月08日七五三の中で、3歳のお祝いを「髪置きの儀」と言います。
現代よりも、幼児が命を落とす確率が高かった時代、無事に3歳まで育つことができた家族の大きな喜びがこのお祝いに込められています。
今回は、七五三のお祝いに相応しい、3歳の女の子の着付けについてご紹介します。
目次
3歳の七五三の着付けとしきたり
3歳の女の子の七五三祝いは、綿白髪を冠らせる儀式を行い、それまで短くしていた髪を伸ばし始めるお祝いで、円形、または輪刑に髪を置く儀のことです。
本来は男女ともに行うものですが、現在は女児だけの祝いになっています。
女児の祝い着は総友禅か、無地のぼかし染めなどの綸子や一越縮緬を四つ身仕立てにしたものを着せます。
小柄な場合は、三つ身仕立てになることもあります。
柄は、大柄なものではなく、花鳥の可愛らしい柄や地紋になります。
襲は赤や桃色の可愛らしい柄を比翼仕立てにした着物が着やすいでしょう。
七五三の7歳までは袋帯や丸帯を使いませんので、半幅の帯で文庫やふくら雀で結びます。
さらに、しごき帯を結び、胸元に筥迫をはさみます。
小柄で帯を結ばない時は、へこ帯を結び被布を着せます。
この時は、着物と被布を一組にして、紅白の飾り紐をつけるのが着付けのしきたりになります。
略式の場合は、中に着る着物と色違いの被布を組み合わせる、という着付けの仕方もあります。
3歳のお祝いは数えで行うと、まだ幼い2歳の子供になります。
そのため、しっかりした丸帯を締めてしまうと重くなってしまい、支えられない体型の子供もいます。
その場合は着物には、しっかりとした帯ではなく、軽い帯にして被布を着せて、可愛らしく着付けましょう。
中には、3歳は普通の服で済ませる場合もありますが、最近は気軽にレンタルの着物を利用できることもできます。
そのため、最近は、洋服ではなく被布を着せた着物姿でお祝いをしてもらう子供が増えているようです。
3歳の七五三の下着と小物の着付け
七五三の着物の下には、下着または肌襦袢と長襦袢を着ます。
下着は二枚重ねが正式ですが、付比翼か伊達重ねでも着せやすく、こちらの方が子供に負担がかからず便利です。
長襦袢は、表着と配色の良い錦紗縮緬、紋綸子、羽二重などになります。
他にも緋縮緬や桃色の無地染め、匹田絞りになります。
二部式の襦袢なら、簡単に着せられますので、3歳のお祝いはこちらの方が良いかもしれません。
半衿は刺繍のある、錦紗や羽二重を使います。
帯は三尺の軽い帯、または小幅の帯を締めましょう。
中には、幅19cmで長さ3mの丸帯を正装向きに装っても大丈夫ですが、負担にならないように軽いものを選ぶことが一般的となっています。
被布を切る場合には、三尺帯、錦織の小幅帯を使って、作り帯にして着付けることもできます。
被布の飾り紐には、子供らしく紅白の梅結びや菊結びに、房を付けたものを衿角につけてください。
しごき帯は、平綸子か紋綸子、色は緋色・桃色・黄色と着物に合わせた色で選びましょう。
末広は、赤骨がとても可愛いです。
筥迫に赤や桃色のかんざしなどを添えて着付けてあげましょう。
バッグには、錦織地の草履とそろいのものでも良いですが、可愛らしい小さな手提げ用の巾着バッグでも大丈夫です。
自分でできる3歳の七五三の着付け
七五三の中でも、特に小さい3歳のお祝いでは、子どもが着物を着たときの苦しさに、長時間我慢できる年齢ではないでしょう。
そのため、どれほどきれいに着飾ることが好きな子でも、普通の帯を締めるというのは難しいです。
まして、洋服になれてしまっている現代人の子供にとって、着物に重い帯に耐えられないというのが普通かもしれません。
そこで、3歳の子の着物は軽い帯で留めて、あまり窮屈にしないということが大切です。
その時に、上に着るのが被布です。
大人の着物と違い、おはしょりや衿合わせも意外と簡単にできます。
帯結びがない分、着崩れの心配もほとんどありませんので、自分で着物を着たことがない人でも、ポイントさえつかめていれば大丈夫です。
衿をきれいに見せるために、両面テープを使うなどの今風の方法で上手に着せている人もいます。
被布を着る3歳の着付けはとても簡単にできるため、美容院や着付けの専門の人にお願いしなくてもできます。
自分で着付ければ、子供の都合に合わせて、支度を整えてお宮参りに行くこともできます。
親が子供の着付けをする前に、事前に何度か子どもに着せて練習をしてみましょう。
3歳の七五三の着付けのしかた
それではいよいよ、3歳の子供に七五三の晴れ着の着付けをしてみましょう。
【着付け方法】
①まずは、足袋をはかせて肌襦袢を着せます。
この時に、子供の左手側が上前にくるようにします。
ここが着物の着付けで最も大切なポイントです。
衿は、着物から見えないように、少し広めにして着せます。
肌襦袢がない場合は、ノースリーブの肌着でも大丈夫です。
②次に長襦袢を着せます。
長襦袢には、白い衿か刺繍衿を付けておきます。
長襦袢の袖に片手ずつ通して着せます。
背中心を合わせ、子供の右手側を左脇下に、左手側を上前にして右脇下になるよう着付けます。
女の子は洋服のあわせと逆、と覚えておくと良いでしょう。
③長襦袢の衿は、のどの中心でおよそ90度になるように着せてあげましょう。
首の後ろは、大人のように衣紋を抜かなくてもよいです。
長襦袢に付け紐がある場合は、右手側の紐を左脇下の身八つ口から出し、背中を通します。
前に持ってきて、左手側の紐と右前で結びます。
付け紐がない場合は、腰ひもで胸元を押さえるように着せます。
④着物を肩に羽織らせ、腕を片方ずつ通します。
長じゅばんの袖と着物の袖がきれいに合うように、ふりを揃えます。
背中の真ん中に、着物の背中心がくるように整えます。
⑤長襦袢の衿合わせと同じ向きで、右手と左手を通して着付けます。
首の後ろでは半衿が見えないようにしましょう。
衿元で、半衿が5mmくらい見えるようにして着物を合わせます。
合わせる時に、着物と長襦袢の後ろ中心の衿を着物用クリップで留めておくと良いでしょう。
⑥長襦袢と同じように付紐を結びます。
被布を着る場合はこのままでもいいです。
しかし、暑くなると被布を脱いでしまうこともあります。
伊達締めをしてその上からへこ帯を結んであげると、脱いでしまっても大丈夫です。
⑦最後に被布を着せて、後ろ首のクリップを外します。
被布はスナップボタンがついているので簡単に着せることができます。
まだ、色々なことが解らない3歳の子供でも、女の子はおしゃれになっています。
いっぱい「可愛い」とほめてあげるだけで、嬉しくなり少しくらいの我慢もできます。
それでもじっとしている時間が短いことに、越したことはありません。
そのためにも、親が自分で着付けることができれば助かるでしょう。
3歳の七五三の着付けにあったヘアメイク
3歳の七五三の衣装を写真スタジオやレンタル着物店でお願いすると、着物と着付け、写真、ヘアメイクがセットになっています。
しかし、家にある着物でお祝いをする場合は、それぞれお願いすることになります。
七五三や成人式でも、男性は美容院やレンタル衣装を借りないこともあるため、写真スタジオは写真だけでも快く受けてくれます。
しかし、美容院と着付けはワンセットになっていることも多いですね。
そこで、家で着付けをしたなら、ヘアメイクも家で済ませてあげましょう。
7歳にもなると、髪も長くなり高く結い上げることもできます。
しかし、3歳の子供なら無理に結い上げる必要はありません。
時々、3歳の子供に大人っぽい髪型をさせていることがありますが、あまり高く結い上げた髪は子供にも負担です。
できるなら、シンプルで可愛らしいヘアメイクをしてあげましょう。
元々、髪を伸ばすための儀礼ですので、おかっぱ頭でお祝いをするのが、本来の3歳の髪置きの儀になります。
メイクも派手なものでなく、唇に色付きのリップクリームや子ども用の紅をうっすらひくだけで充分です。
3歳の七五三の着付けにあったヘアアレンジ
おかっぱ頭が正式な髪形と言われても、現代的な可愛らしい髪型にしたいと思う人もいるかもしれません。
それでは、少し手を加えた七五三の着物にあった、3歳らしいヘアメイクをご紹介します。
ほんの少し、元の髪形に手を加えるだけで、七五三の着物姿にあったヘアメイクをすることができます。
【ツインテール】
ちょっと癖のある髪質の子供でも、可愛く仕上がるのがツインテールです。
①前髪を下ろします。
②残りの髪を左右に分け、できるだけ高くきれいに結びます。
この時、無理に髪を引かないようにしましょう。
③ツインテールの前に、七五三用のヘアアクセサリーを付けます。
少し我慢ができる子供なら、髪先をカールしてあげると、さらに可愛らしくなります。
【ポニーテール】
①くるっとしたヘアウィッグを用意します。
②髪を後ろで1つにまとめます。
③ウィッグを付けて、全体に可愛らしく花のヘアアクセサリーを付けます。
髪がまだ短く薄い3歳の子供でも、簡単にできるお団子風ポニーテールです。
高く結い上げた髪がふわふわとなり、とてもおしゃれです。
七五三用の決まったヘアアクセサリー以外でも、ヘアアレンジをすることができます。
縮緬生地を使って、大きな花と小さな花をたくさん作り、お手製の和風ヘアアクセサリーを作っても良いですね。
お天気によって左右されますが、ヘアアクセサリー生花を使ってもとても可愛いです。
美容院や写真スタジオで時間をかけるよりも、家で楽しく着付けとヘアメイクをするというのも良いかもしれません。
記念にしよう!3歳児の七五三の着付け
今回は、3歳の七五三の着付け方をご紹介しました。
3歳は、まだまだ赤ちゃんを卒業して幼児になったばかりです。
無理な着付けやヘアメイクは、子供の負担だけでなく付き添う親の負担にもなります。
着付けやヘアメイクをプロにお願いするのも一つの手ですが、家でできることをやってみるのも一つの方法と言えます。
初めての晴れ着姿を可愛らしく着付けてあげて、大切な時間を過ごしましょう。