コース料理のテーブルマナーをチェック!~カトラリー編~
2019年12月21日誕生日や結婚記念日といった特別な日でないと、あまりフレンチ料理のお店に行く機会がない方もいるかと思います。
とはいえ、いざ行くとなると、きちんとした食べ方ができるか不安になってしまいますよね。
そこでこの記事では、フレンチのコース料理におけるテーブルマナーについてお話ししていきます。
特にカトラリーに関するマナーについてお話ししますので、参考にしてみてください。
目次
フレンチの一般的なコース料理の順番は?
テーブルマナーについてお話をする前に、コース料理がどのような順番で出てくるかを見ていきましょう。
コース料理は、定食のように1枚のプレートにすべての料理が乗った状態で運ばれてはきません。
料理が1つずつ運ばれてきますので、その順番は把握しておくと良いでしょう。
一般的な例はこちらです。
①オードブル(前菜)
②スープ
③ポワソン(魚料理)
④ソルベ(お口直し)
⑤アントレ(肉料理)
⑥デセール(デザート)
⑦カフェ・ブティフール(コーヒー&小菓子)
コース料理によっては、オードブルの前に「アミューズ」という、日本でいう「お通し」のようなものが出てくることもあります。
普段食べなれないフレンチを目にすると、どのようにすれば良いか悩んでしまうかもしれませんが、基本だけでも押さえておけばスマートに食事をすることができるでしょう。
特に、この後お話しするカトラリーを押さえておくだけでも違いますから、ぜひ参考にしてくださいね。
コース料理のテーブルセッティングの一般例
コース料理の順番を確認したところで、ここで一般的なテーブルセッティングの例をご紹介します。
まず中央に「位置皿」というお皿が置かれています。
サービス皿とも呼ばれ、この上にオードブルのお皿が置かれます。
位置皿の左側にはフォークが並んでいます。
3本並んでいる場合は、外側から「オードブルフォーク→魚用フォーク→肉用フォーク」という順番です。
フォークの奥側にも小さいお皿が置いてあり、これは「パン皿」です。
パン皿とあわせて「バターナイフ」も置かれていることがほとんどです。
そして、位置皿の右側にはナイフとスプーンが並びます。
外側から「オードブルナイフ→スープスプーン→魚用ナイフ→肉用ナイフ」という順番です。
位置皿の奥にもナイフとフォークがあり、これらはデザート用に使うものです。
さらにその奥にはグラスが並んでいます。
右から「シャンパングラス→白ワイングラス→赤ワイングラス→水用グラス」という順番です。
コース料理のメニューによっては少しカトラリーの数も変わるかもしれませんが、一般的なコース料理のテーブルセッティングは上記のとおりです。
次の項からは、そんなコース料理のテーブルマナーについてお話ししていきます。
コース料理のテーブルマナーをチェック!まずは基本から
コース料理の順番や一般的なテーブルセッティングについてお伝えしたところで、ここからはコース料理のテーブルマナーについて見ていきましょう。
まず、基本のマナーとして、下記の3点は覚えておくと良いでしょう。
●セッティングされているナイフとフォークは、外側からそれぞれ1本ずつ使うこと
コース料理では左手にフォーク、右手にナイフを持つのが一般的です。
先ほどお伝えしたように、テーブルセッティングも位置皿の左側にフォーク、右側にナイフが置かれていましたね。
それぞれコース料理の順番に外側から並んでいますから、料理が運ばれてくるごとに外側から1本ずつ使いましょう。
●ナイフとフォークでウエイターに「食事中」か「食事終了」かを合図すること
まだ食事中にナイフとフォークを置くときは、ナイフとフォークで「八」の字のように広げて置きます。
食べ終わった場合は、ナイフとフォークをそろえてお皿の右端に置きます。
これがウエイターに知らせる合図となりますので、チェックしておきましょう。
●グラスは右側から使うのが一般的であること
奥に並んでいるグラスは基本的には右側から使いますが、飲み物の選び方によって使う順番も違ってきます。
飲み物をついでくれるのはウエイターですから、お店の人に任せてしまえば問題はないといえるでしょう。
フレンチのテーブルマナーで気を付けたい!カトラリーの使い方
多くの人が悩みやすいカトラリーの使い方について、ここでお話しします。
ちなみにカトラリーとは、食事の際に使うナイフ、フォーク、スプーンなどの総称のことです。
お皿などは含まれませんので、覚えておくと良いでしょう。
カトラリーを使う順番は前述したとおりですが、はじめにナイフとフォークの使い方をくわしく見ておきましょう。
これらは、コース料理のオードブル、ポワソン、アントレのときに使いますね。
まず、左手にフォーク、右手にナイフを持ちます。
このときどちらも柄を軽く握り、人差し指を背に当てて持ちましょう。
親指と人差し指に力を入れて扱うと、お肉などがより切りやすくなります。
注意していただきたいのが、切っているときに肘を張ってしまうと、見た目があまり美しくありません。
また、余計な力が加わってしまう恐れもあり、切り方に失敗する原因にもなり得ます。
例えば、ナイフがお皿にあたり「キー!」という音を立ててしまうなどです。
音を立てることもマナー違反とされる行為なので、ご注意ください。
スプーンのテーブルマナーも確認しておこう!
次に、スプーンの使い方についてもお話しします。
スプーンはスープのときに使い、コース料理ではオードブルの次にスープは出てきましたね。
ナイフと同じく右手でスプーンを持ちます。
柄の半ばから上付近を、親指と人差し指、中指の3本で、支えるように軽く持ちましょう。
日本では英国式の手前から奥へすくうのが一般的ですが、フレンチの場合はその反対です。
奥から手前にすくって食べます。
すくうときはなみなみとすくい取らず、7~8分目程度を目安にすると良いでしょう。
スープも音を立てて食べることはマナー違反です。
そのため、食べ方にも注意する必要があります。
音を立てずにスープを食べるには、スプーンを下唇に当てるようにして流し込むことがポイントです。
もしスープを飲んでいる途中でパンなどを食べたいとき、スプーンをどのように置くか悩んでしまうかもしれません。
この場合のスプーンは、スープ皿の中に、柄の部分を皿の右縁にかける形で置けばOKです。
食べ終わったときは、スープ皿の中にそのままスプーンを置いておくのが一般的です。
ほかにも、スープ皿の受け皿にスプーンを置くのもOKで、これはどちらかというと取っ手がついたスープ皿の場合によく行われます。
スープを食べ切れず残す場合も、受け皿にスプーンを置いておけば「下げてください」という合図になりますから、こちらの置き方にしておけばOKです。
カトラリーを落としたり使う順番を間違えたりした場合は?
コース料理をいただいているときに、思わぬハプニングに遭うこともありますよね。
例えば、食べているときにうっかりナイフやフォーク、スプーンを落としてしまった場合です。
このときすぐさま自分で拾おうとする方も多いですが、フレンチのテーブルマナーではNGです。
マナー違反とされる行為ですので、うっかり落としても自分で拾ってはいけません。
手を小さくあげてウエイターを呼び、新しいものに代えてもらいましょう。
また、「カトラリーを使う順番を間違えてしまった」ということもあるでしょう。
例え間違えてしまっても、そのまま食べ続けても問題はありません。
食べにくい場合は、正しいものに替えてもOKです。
どちらの場合でも、お店の人がそっとフォローしてくれることがほとんどですから、使う順番を誤っても落ち込まなくて大丈夫です。
補足として、ナイフレストについてもお話をしておきます。
ナイフレストとは、食事中にナイフやフォークなどを置くためのアイテムのことをいい、簡単に例えるなら箸置きのようなものです。
ナイフレストが置いてある場合は、コース料理を1組のカトラリーで行います。
そのため、料理を食べ終わったらナイフとフォークはナイフレストに置いておきます。
このとき、ナイフの刃は左向き、フォークは上向きにして置きましょう。
これらのことにも注意して、フレンチのコース料理を堪能したいですね。
カトラリーなどのマナーに注意してフレンチ料理を堪能しよう!
普段食べ慣れないフレンチのコース料理を目にすると、どう食べたら良いか悩んでしまうこともあるでしょう。
マナー違反とならないためにも、基本のマナーは押さえておくと良いですね。
今回は主にカトラリーについてお話をしてきましたので、ナイフとフォークを使う順番や使い方などを、ぜひ参考にしてください。
さまざまなマナーに注意して、フレンチのコース料理を楽しくいただきましょう。