テーブルマナーの基本!意外と知らないスープの正しい飲み方
2020年01月16日外食すると、前菜としてスープが出ることは珍しくありません。
テーブルマナーは数多く存在しますが、スープの正しい飲み方を知っている人は意外と少ないと耳にします。
そこで、今回はスープの正しい飲み方についてご紹介していきます。
美しい所作で食事を取り、テーブルマナーの経験値を上げましょう。
目次
テーブルマナーの基本!美しいスープの飲み方とは
よくフルコースなどでは、メインディッシュの前菜としてスープやパンが出ることが一般的です。
フランス語では「オードブル」、イタリア語では「アンティパスト」と呼ばれ、これらには「軽めな食事で食欲をそそる役割」があります。
この時、スープを正しく飲むことがテーブルマナーとして求められます。
「スープはただスプーンですくって飲むもの」と思っている人は多いでしょう。
しかし、正しいテーブルマナーの観点から見ると、スープを飲む動作には細かな所作が求められます。
まず、テーブルマナーでは「美しい動作」で食事をすることが望ましいです。
これに習うと、音を立ててスープを飲んではいけません。
スープを吸引してスプーンから吸うのではなく、スプーンを唇に当てて音が鳴らないように口に流し込みます。
この時、一気に飲むのではなくゆっくりと少しずつ流し込んでいきます。
また、熱いスープであってもフーフーと息を吹きかけて冷ます行動はマナー違反です。
美しくスープを飲むためには、静かに飲むことを意識するようにしましょう。
スープを飲む際のスプーンの使い方のポイント
テーブルマナーの観点では、スープに使うスプーンには正しい使い方があります。
ここではスプーンの正しい使い方を詳しくご紹介していきます。
まずは背筋を伸ばして椅子に座り、食器を持ち上げないようにして食事を進めましょう。
●右手にスプーンを持つ
基本的に、スープを飲む際は右手にスプーンを持ちましょう。
スプーンの柄の上半分を、親指・人差し指・中指で軽く持って支えます。
脇を閉めて、肘から下を動かしてスープを飲みます。
●なみなみとすくわない
スプーンからスープがこぼれる動作はマナー違反です。
そのため、なみなみとすくうことはせず、7~8分目を目安にすくうようにしましょう。
●音を立てない
スプーンが食器にあたる音もマナー違反となります。
スープの上あたりをすくい、深くスプーンを入れないように注意しましょう。
口に運ぶ際の音だけでなく、食器とスプーンがあたる音にも注意して静かに食事をしましょう。
スープの飲み方には「フランス式」と「イギリス式」がある
スープを入れる器はさまざまですが、コース料理などで多く見かけるのは平たい「スープ皿」です。
スープ皿に入ったスープをスプーンですくって食べる場合、テーブルマナーでは2種類の食べ方があることをご存知でしょうか。
これは「フランス式」と「イギリス式」に分類されますが、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
【フランス式】
フランス式はスプーンを右手に持った場合、奥から手前へ向かってスープをすくう方法です。
少し前までコンソメタイプのスープはこの方法で飲まれることが一般的でしたが、今では特に細かく決められていません。
【イギリス式】
イギリス式はスプーンを右手に持った場合、手前から奥へ向かってスープをすくう方法です。
フランス式とイギリス式はどちらでも間違いはありませんが、昨今の日本のテーブルマナーでは、イギリス式が主流となっているようです。
ちなみに、どちらの食べ方であってもスープの残りが少なくなった場合、食べやすくなるよう左手をスープ皿に沿えて器を傾かせることが許されています。
こうして手前に溜まったスープをすくい取ることができます。
スープと一緒にパンを食べる時のテーブルマナーとは?
フルコースなどの前菜として、スープと一緒にパンが出ることが多いですよね。
ここでは、スープと一緒にパンを食べる際のテーブルマナーについて見ていきましょう。
まず、パンは「ひと口大にちぎりながら食べ進める」のがマナーです。
パンくずがこぼれる可能性があるため、パンはお皿の上でちぎることをおすすめします。
あまり見かけませんが、パンをそのままかじるのは大変なNG行為なので、絶対に止めましょう。
また、パンについているバターはちぎったパンにその都度つけていくのが正しい食べ方です。
最初の段階の大きなパンに、バターを1度に塗る行動はマナー違反となるため注意してください。
また、お皿に残ったスープにパンをつけて食べる行為はどうでしょうか。
よくイタリアのカジュアルレストランなどでは、パンにスープをつける行為が「美味しかった」というサインになると言われています。
しかし、その行動はテーブルマナー的には失礼な行為にあたってしまうのです。
時と場合によりまったく違う捉え方をされてしまうため、きちんとその場に合った対応をするよう注意しましょう。
スープ皿の形状によって飲み方のテーブルマナーは異なる
ここではスープ皿の形状別による、飲み方のテーブルマナーを見ていきましょう。
器に口をつけてスープを飲んで良いもの、駄目なものをそれぞれ見比べていきましょう。
●取っ手のついたスープ皿
スープ皿に取っ手がついている場合は、手前から奥(または奥から手前)に向かってすくって食べ進めます。
スープの残りが少なくなったら、左手で取っ手を持ち手前に傾けます。
器を持ち上げることはせず、最後は手前に溜まったスープをスプーンですくって飲みます。
●取っ手のついたスープカップ
スープカップの場合も、手前から奥(または奥から手前)に向かってすくって食べます。
最後は左手で取っ手を持ち、器に口をつけて直接飲んでも大丈夫です。
●パイ皮がついたポット状のスープ
中には、スープ皿にパイ皮がついたポット状のスープが出ることもあるでしょう。
この場合、やけどに注意しながら左手を器に沿えます。
右手でスプーンを持ち、パイをこんこんとつついて中に落とし、スープと馴染ませて食べていきます。
パイ皮は可能な範囲だけを食べることがマナーとなるため、無理にすべてをはがしてはいけません。
スープを飲み終えた際のテーブルマナーとは?
スープを飲み終えたら、スプーンを置く位置で飲み終わりの合図を知らせることがテーブルマナーです。
スープ皿からスプーンを出し、決められた位置に置いていきましょう。
まず、平たいスープ皿の場合で見ていきます。
スープ皿の中で「4時の方向」になるようにスプーンを置きます。
この時スプーンを「上向き」にすることが、飲み終わりの合図となるのです。
また、受け皿付きのカップの場合はどうでしょうか。
この場合、カップの中ではなく受け皿の手前(または奥)にスプーンを横にして置きます。
カップは小振りのものが多いため、スプーンが落ちないよう、安定している受け皿の上に置くのが良いと考えられています。
いずれの場合も、器を運ぶ際にカトラリーを落とさないように配慮された場所だということが分かりますね。
スープを美しい所作で飲みテーブルマナーの経験値を上げよう!
大人であれば、時には外食時、テーブルマナーを求められることもあるでしょう。
その時、大きな音を立てたり、美しい動作で食事をしなかったりすることで恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。
今回は意外と知らないスープを飲む上でのテーブルマナーをご紹介しました。
ぜひ参考にしていただいて、テーブルマナーの経験値を上げましょう。