おさえておきたい和食の食べ方マナー!箸の使い方などを解説

2019年12月18日

懐石料理などの和食をお店で食べる機会はなかなかありませんから、和食の食べ方マナーをあまりよく知らない方が多いのもうなづけます。

とはいえ、知らないままだといざいったときに恥をかく恐れもありますから、頭には入れておきたいものです。

そこでこの記事で、基本的な和食のマナーについてお話をしていきます。

箸の正しい使い方や、和食の定番である「焼き魚」をきれいに食べるポイントについてもお伝えするので、是非参考にしてみてください。

和食の食べ方マナーはおしぼりから!

日本人であっても、きちんとした和食の食べ方マナーができない人は多くいるでしょう。

常日頃から懐石料理などを食べるという方はそうそういないでしょうから、マナーに関しても普段意識することはあまりないものです。

とはいえ、何かの機会に和食を食べることもあるでしょうから、基本的なマナーはおさえておくと良いでしょう。

ここでははじめに、「おしぼり」のマナーについてお話しします。

席に着いたときにお店の人からまず渡されるものですが、これにも注意しなければいけません。

どのようなことに注意するかというと、おしぼりで拭くのはあくまでも「手のみ」ということです。

よく顔や首を拭く方もいますが、これはマナー違反ともいわれています。

拭き方にも手順があり、下記のように行います。

①右手でおしぼりを取り上げ、左手に持ち替えます。

②両手を拭きます。

③拭いた部分を内側にたたんで、テーブルの上に置きます。

これができると、食事を共にする相手に好印象に映ることでしょう。

食べ方はもちろんですが、おしぼりのマナーにも注意してみてください。

和食の食べ方では基本の「箸」!マナーの悪い使い方とは?

和食を食べる際に欠かせない「箸」には、マナーの悪い使い方もあります。

ここでは、注意が必要な箸の使い方について見ていきましょう。

●返し箸

箸をさかさまにして、持ち手のほうで食べ物をつかむことです。

●刺し箸

料理に箸を突き刺して口に運ぶ使い方をいいます。

●寄せ箸

箸で食器を手前に寄せるように使うことです。

●迷い箸

盛り合わせ料理のように複数の料理があると、どれから食べるか悩む方もいます。

そのとき料理の上で箸をあちこち動かすことを「迷い箸」といい、マナーの良くない食べ方です。

●握り箸

棒を握るように箸を持つことをいいます。

ほかにも、「移し箸」や「探り箸」、「ねぶり箸」などの使い方があり、すべてNGな使い方です。

食事をする相手に恥をかかせたり不快な気持ちにさせたりしないよう、箸は正しく使いたいですね。

正しい箸の使い方も確認しよう!

箸の使い方のNG例をみてきたところで、正しい箸の使い方も見てみましょう。

和食の食べ方マナーにおいては、箸のどのように使うかが大切なポイントともいえます。

自分の印象が決まることもありますから、相手に好印象に映るよう、箸の使い方はおさえておきたいですね。

では、正しい使い方をご説明します。

①右手で箸の中央を持ち、持ち上げます。

②下から左手を添えるように、持ちます。

③右手を箸の右横に滑らせ、そのまま箸の下へ右手を返します。

④箸の左右とも上から3分の1付近を、指先で持ちます。

⑤左手をはなします。

①~⑤までの一連の動作を、姿勢良くスムーズに行うことで、上品な印象を与えることができます。

また、箸を使うときは下の箸は動かさず、上の箸のみを動かすのが正しい使い方です。

料理をつかむなどして箸先が汚れることもありますが、箸先を汚さないことも和食の食べ方マナーのひとつです。

なるべく箸先の汚れは3cm以内で抑えられるように注意して、料理をつかみましょう。

食べ方に注意!マナー良く和食を食べるにはどうすれば良い?

箸の使い方を確認したところで、いよいよ食べ方に移ります。

和食の食べ方マナーのひとつには、食べる順番も挙げられます。

盛り合わせ料理が出てきた場合を例に、ご説明しましょう。

和食の盛り合わせ料理は、左側の料理から右側の料理にかけて、だんだん味が濃くなるように盛り付けられています。

そのため、左側の料理から食べていくことが和食の基本といえます。

また、特定の料理だけを集中して食べないこともマナーです。

盛り合わせ料理ではさまざまな料理があるので、1品ずつ完食してから次の料理に移りたいところですが、実はこの食べ方はマナー違反とされています。

少しずつ食べていき、ご飯や汁物にいたっても、一口ずつ交互に食べるようにしましょう。

和食では香の物も出てきますが、これをご飯の上にのせて食べるのも控えてください。

2つの理由があり、きれいな状態のままご飯を保つためと、ご飯とおかずは本来別々に食べるものとされているためです。

和食の定番「焼き魚」きれいに食べるには?

和食の定番に「焼き魚」が挙げられます。

その焼き魚をきれいに食べるのに、苦戦する方も多いのではないでしょうか。

ぐちゃぐちゃに食べてしまえば、マナーの悪い食べ方にもなってしまいますので、きれいに食べる方法を知りたい方も多いでしょう。

きれいに食べるための大切なポイントとしては、「丁寧に食べること」です。

1つ1つの動作を丁寧に行うことで、焼き魚もきれいに食べやすくなります。

なお、焼き魚には大きく2種類に分けられ、鮎などの小ぶりな魚と、鯵などの中型・大型の魚です。

それぞれ食べ方が少し違いますので、順番に見ていきましょう。

【小ぶりな魚の場合】

①身離れをよくするように、箸の側面で数か所圧をかけます。

②左手で魚の頭を持ち、身から骨をすっと引き抜きます。

【中型・大型の魚の場合】

①表面の上半分を、左から右へと食べていきます。

②表面の下半分も左から右へ食べていくと、中骨が出てきます。

③裏側の身と中骨の間に箸を入れ、骨だけを引き上げます。

骨は左奥へ置きましょう。

④裏側の身も、左奥から右奥に向かって食べていきます。

焼き魚などは、すべて箸を使った食べ方にしなければいけないということはありませんから、身と骨をはがす際などには、懐紙を使って行うとはがしやすく見た目もきれいです。

実はそれも…焼き魚などのNGマナーもチェックしよう

焼き魚の食べ方について見てきましたが、ついやってしまう動作が和食マナーではNGなことがあります。

まず、魚をひっくり返しにすることです。

骨を引き抜くのは慣れるまでは大変でしょうから、面倒に感じることもあるでしょう。

そのため、意外と多くの方が、表の身を食べ終えたら骨を取らずにひっくり返しにするようです。

骨を抜かずに済むので楽に食べることができますが、やはりこれも和食の食べ方マナーではNGです。

また、焼き魚を含め、箸で食べ物を持ってから口に運ぶまで、こぼさないように食べ物の下に手を添えている方もいるかと思います。

これを「手皿」といいますが、この食べ方も和食マナーではNGとされています。

手皿を使わないよう、1回に口に運ぶ量は少なめにすると良いでしょう。

さらに、箸を持った状態で器を持つこともNGなマナーです。

例えば、焼き魚を口に運んだときに、ご飯も一緒に食べようと茶碗を持つこともあるでしょう。

このように、箸を持ちながら何かするということが和食の食べ方マナーではNGです。

もしご飯を食べたい場合も、魚を口に入れた後に一度箸を置き、茶碗を持ってから箸を持つようにしましょう。

基本的な和食のマナーは覚えておこう!

日本人であっても、なかなか懐石料理などの和食を食べに行くことは少ないですから、和食の食べ方のマナーをすべて知っているという人は少ないかと思います。

日頃から行っているような手皿も、実は和食の食べ方マナーではNGです。

今後和食のお店に行くこともあるかと思いますので、この記事でお話ししたおしぼりや箸の使い方、食べ方の順番などの基本的なマナーは覚えておくと良いでしょう。