料理を残すのはマナー違反!日本で料理を残してはいけない訳
2020年01月18日日本では、昔から料理を残すのはマナー違反と言われています。
しかし、どうして料理を残すのがいけないと言われているのでしょうか?
これは、日本独自の文化とも言えるようです。
日本ではなぜ料理を残してはいけないのか、本記事ではその訳を考えていきます。
また、他国ではどのようなマナーがあるのかも確認しましょう。
日本との違いを知ることができて面白いですよ。
目次
日本独自の文化?!料理を残すのはマナー違反!
日本では料理を残すことは、基本的にマナー違反だと言われています。
せっかく作ってくれたものを残すのは、作ってくれた相手に対して失礼に当たると考えられているからです。
また、日本には「もったいない」という言葉がありますが、食べ物を残すことはもったいないと考え、出されたものは綺麗に全部食べきることが求められてきました。
ご飯一粒でも残したら怒られたという経験がある方もいらっしゃいますよね。
このように、日本ではもったいないという精神と、作ってくれた人に失礼だとの気持ちから、料理を残すということはマナー違反だとされてきました。
ただ、近年の日本では、このもったいない精神があまり発揮されていない現状があります。
小売店や飲食店からの食品廃棄だけでなく、家庭からの食品廃棄が増えているのです。
飽食の時代と言われてからずいぶん経つように思いますが、現代の日本は食への関心や大切さがないがしろにされている一面も持ち合わせています。
料理を残すことに昔ほど罪悪感を感じなくなっていると言っても良いかもしれません。
中国では料理を残すほうがマナーとして正しい!?
日本では基本的に料理を残すことはマナー違反とされていますが、中国では違った考え方があります。
中国では、料理を全部食べ切るということがマナー違反だと言うのです。
中国ではおもてなしの際に沢山の料理が出されますが、その料理を全部食べ切ってしまうことは振る舞ってくれた相手に対し、「料理が足りなかった」という意思表示になってしまうようです。
日本の考え方では料理を綺麗に食べ切ってしまうところを、中国ではそれが失礼に当たるというのは、まさに文化の違いで面白いところですよね。
「お腹いっぱいになりました、満足しました!」と相手に伝えるには、お皿に1口か2口くらい料理を残す必要があります。
そうすることによって、相手に感謝の気持ちが伝わるということです。
テイクアウトができることが多い中国では、残ってしまった料理は持ち帰ることも一般的です。
多すぎる料理でも持ち帰ることができれば、無駄になることもありません。
なお、中国では他にも面白いマナーがあり、食事中の場合、箸を縦に置く必要があるようです。
横に置くと「ごちそうさま」という意味になってしまいますので、注意しましょう。
料理の量が多いアメリカ!持ち帰りスタイルが当たり前
アメリカでは料理の量が多く、日本人には食べ切れないサイズに感じることも多いのですが、アメリカには料理を残すというよりも、残った料理は持ち帰るスタイルが定着しています。
料理を残すことがマナー違反になる以前に、持ち帰ることが当たり前ですので、残してしまう罪悪感のようなものを感じることはないでしょう。
アメリカでは定着している料理の持ち帰りスタイルですが、日本ではなかなか定着していません。
それは、国の文化の違いにあるようです。
アメリカは自己責任の国であり、例えば持ち帰る料理でお腹を壊したりすることがあったとしても、自分が持ち帰ったことによる責任であるとの考えがあります。
しかし、日本ではもし持ち帰った料理で何かあった場合、お店側の不利益になるようなことが考えられます。
持ち帰ることのメリットが店側に少ないことから、日本では料理の持ち帰りスタイルが定着しづらいと言えるのです。
なお、アメリカでは外食の際、担当のウェイターが存在します。
日本では通りがかったウェイターに頼むことは当たり前ですが、アメリカではチップの関係もあることから決まった担当のウェイターに頼む必要があります。
また、食事の最後はチップを忘れないことが大切です。
マナー違反しないために!料理の注文時の工夫
料理を残さないことがマナーの日本では、料理の注文の仕方を工夫してマナー違反にならないようにしましょう。
こちらでは、料理を残さない工夫をご紹介します。
◯最初の注文で沢山頼み過ぎない
特に多い人数で食べに行くと食べる量がどれくらいか分からず、つい多めに頼んでしまうことがありますよね。
そうすると、料理を食べ切ることができずに残す原因となります。
最初は少なめに頼んで後から料理を追加するようにすれば、料理を残すようなマナー違反になることは防げるでしょう。
◯ご飯は少なめにしてもらう
定食などを頼む場合いつもご飯を残してしまうような方は、あらかじめ注文時にご飯を少なめにしてもらいましょう。
罪悪感なく、自分に合った量の料理を楽しむことができます。
お店の方も、残されるよりは最初の注文の際に減らすよう言ってもらうほうが、後で廃棄せずに済むでしょう。
◯ハーフサイズを頼む
1品の料理が多すぎる場合、ハーフサイズを頼むことができるお店があります。
そのようなお店を選べば、ちょうど食べ切れるサイズを注文することができるでしょう。
どうしても料理が残ってしまった!どうする?
料理を残すのがマナー違反であると分かってはいても、どうしても料理が残ってしまう場合もあると思います。
そのような場合どう対応すればよいか、こちらでご紹介します。
◯料理を持ち帰れるか確認する
海外では定着している持ち帰りシステムですが、日本ではなかなか普及していないのが現状です。
ただ、お店によっては、聞いてみると持ち帰りを許可してくれる場合もあるようです。
もし許可が得られた場合、持ち帰りの料理に関して自己責任であることを忘れず、店側に迷惑をかけることは避けるのが大切です。
「本当は食べたいのに食べられない」という思いがお店に伝わりますし、もったいない精神もこれによって満たされるでしょう。
料理を持ち帰る際は、再加熱できる料理を選ぶことや、すぐに家に帰れる状況が揃っていることが大切です。
また、持ち帰る季節にも注意してください。
残し方によって店側の印象は変わる!せめて綺麗に残すようにしよう
外食の際、料理を持ち帰りたいけど、店側に拒否されてしまうこともあるでしょう。
そのような場合はマナー違反となってしまいますが、料理を残すことになります。
残念ではありますが無理して食べてもいけませんので、せめてお皿の中で綺麗にまとめて残すようにしてみてください。
同じ残すにしても、食べ散らかしたままと、まとまっている状態では印象が全然違います。
最後に、料理を残してしまった非礼を詫び、また来る時には料理を残すマナー違反をしないよう気をつけましょう。
なお、肥満気味の方は食べ過ぎに注意が必要ですし、お年寄りの方は食べられる量に限りがあります。
そのような方は、自分で取るようなバイキング形式の食事でなければ、多少残してしまうことは仕方がないのかもしれません。
ご自分の健康と体調に合わせた食事が大切です。
日本では料理を残すことはマナー違反である
日本では料理を残すことはマナー違反とされています。
もったいない精神と作ってくれた方に失礼との気持ちから、残すことはいけないと学んできているのです。
しかし、近年では飽食の時代の影響からか、料理を残すことも増えていると言えます。
一方、中国では、おもてなしの料理を食べ切らず、1口か2口残すのがマナーとして正しいです。
アメリカでは、残った料理は持ち帰ることが定着しています。
日本では、食べ切れるだけの量を注文するなど自分なりの工夫が必要でしょう。