引き出物・引き菓子・縁起物とは?その基本を知っておこう!
2020年02月08日結婚式における引き出物とは、招待客へ渡すものとして知られていますね。
しかしながら、準備するものに引き出物、引き菓子、縁起物があるということをご存知でしょうか。
こちらでは、それらの結婚式の引き出物にまつわるお話をしていきます。
地域の特徴的な引き出物や、のしのルールなどについても触れていきますので、知識を深めていただければと思います。
目次
引き出物・引き菓子・縁起物は正式なご祝儀のお返しのこと
一般的に「引き出物」というと、結婚式の招待客に対しておもてなしや感謝の意味を込めて贈られる品のことをさし、下記のようなものを準備します。
・引き出物…食器やカタログギフトといったメインの品物で、記念品とも呼ばれるもの
・引き菓子…引き出物に添えるお菓子
・縁起物…しきたり品とも呼ばれ、結婚する二人の末永い幸せを願って贈られ地域によって異なることがある
引き出物は、かつては招待客の帰りを待つ、家族へ料理を持ち帰る「お土産」の意味合いを含んだものでした。
しかし昨今では、料理の持ち帰りは衛生的な面を考慮して、結婚の記念の品を渡すことが多くなってきています。
そのため、形に残る食器といったものが渡されることが多いですが、カタログギフトも定番の引き出物として定着しつつあります。
引き菓子は、前述の引き出物と同様に、招待客の家族へのお土産として持ち帰るものでしたが、昨今は「料理のおすそ分け」として贈られるようになってきています。
また、招待客が帰宅後にその家族と引菓子を一緒にいただくことで、二人の幸せを分かち合う意味も込められているともいいます。
引き菓子の定番としては、永い年輪を思い浮かばせるバウムクーヘンや金平糖が人気です。
縁起物は、二人の永い幸せを願って贈られるものをさし、昆布や梅干し、鰹節などの縁起のよいとされるものが選ばれています。
縁起物に込められた意味合いは、地域のしきたりや風習によってもまちまちです。
この3点がセットである理由には、3という割り切れない数字にすることで、結婚式にタブーとされる偶数を避ける考え方が浸透したことによるともいわれています。
引き出物を渡すタイミングは?招待客への配慮も肝心
引き出物・引き菓子・縁起物の3点セットを渡すタイミングとしては、結婚披露宴会場の椅子の上、もしくはそのわきに置いてあるのが一般的です。
そして、披露宴終了後、袋に入った引き出物をそのまま持ち帰ります。
しかしながら、大抵の引き出物は大きい引き出物袋に入っており、持ち帰りにはややかさばる傾向があります。
このような大きい荷物を、公共交通機関を使って持ち帰ることは、時として遠方の招待客や、ご年配の招待客、女性の招待客にとっては負担に感じることもあるでしょう。
そこで近年注目されていて人気があるのが、引き出物の宅配です。
引き出物を結婚式の当日渡すのではなく、後日直接招待客の家へ配送するため、招待客の負担が減り身軽な状態で帰宅ができます。
なお、後日配送とはいえ、当日や次の日に届くようにするのがマナーといえます。
また、引き出物を後日配送することで、費用が抑えられるメリットもあるといいます。
式場を通して引き出物を準備すると、商品や紙袋が割高だったり、持ち込み料がかかったりすることがあります。
しかし、宅配の場合はそのような点が関わってこなくなるので、結果として通常の引き出物より費用を抑えられるのです。
そのほか、来賓・親戚・友人知人といった、招待客の関係性によっても引き出物の内容を変えることがありますよね。
関係性によって引き出物の内容を変える場合に、宅配を利用すると、違うものを渡したことが分かりにくくなるのもメリットといえるでしょう。
引き出物の中から縁起物を省く場合もある?
縁起物は、前述の意味合いに加えて結婚式に来た招待客に良いことがあるように、といった願いが込められているともいわれています。
また、縁起物はそれほど高額なものではないので、気軽に引き出物の品目に加えることも多いようです。
しかしながら、引き出物の3点セット「引き出物・引き菓子・縁起物」のうち、地域や状況によっては縁起物が省略されることもあります。
縁起物については、実は必ずしも入れなければならない品ではないからです。
縁起物をなくして2品にする場合は、友人知人向けだったり、引き出物と引き菓子のグレードを上げたかったりなど、そんな理由があげられるようです。
とはいえ、引き出物は3点セット、と根強いイメージが浸透していますので、ご年配の方や上司などの目上の方へ贈る際には注意が必要です。
それとは反対に、地域によっては5品、7品と品目を増やして準備する場合もあります。
そのようなケースは地域のしきたりによることが多いでしょう。
地域によっては決まった縁起物を入れるしきたりがある場合には、必ず入れるようにしないとマナー違反になりかねないことも覚えておきましょう。
そのため、自分の出身地に加えて、相手の出身地のしきたりや風習を事前に確認しておくことが肝心です。
変わった引き出物の風習がある地域とは?
引き出物、引き菓子、縁起物の3点セットが、引き出物の基本ということはお分かりいただけたでしょう。
しかし、地域によっては引き出物として贈るものが決まっていることがあります。
中でも特徴的なケースをご紹介していきましょう。
◎北海道…引き菓子のみ
北海道では結婚式が会費制の場合が多いため、引き菓子のみの引き出物が一般的です。
◎富山県をはじめとした北陸地方…鯛のかまぼこ
縁起物として贈られることが一般的で、日持ちがするように細工かまぼこで贈るようになったといいます。
◎愛知県をはじめとした東海地方…名披露目
新郎新婦の下の名前をのしにいれたものを1品引き出物に追加します。
◎広島県…新婦土産
新婦からの感謝を表す引き出物として、新婦の名入りののしを付けた品を引き出物に加えて贈ります。
◎石川県…紅白饅頭
引き菓子や縁起物として贈られるだけでなく、内祝いなどの祝い事にも用いられます。
◎新潟県…篭盛(かごもり)
果物や日持ちのするハムやおつまみといった食品をかごに詰めたもので、招待客の家族への土産の意味合いが強い引き出物です。
篭盛に加えて、松の葉という鰹節やタオルといった品を引き出物に入れる地域もあります。
その他の地域でも、引き出物の中に縁起物と似たような意味合いを持つ品を添えることがあるようなので、式場やプランナーに聞いてみてもいいかもしれませんね。
引き出物の相場は?引き出物・引き菓子・縁起物ごとにご紹介
では、引き出物の3点セットの金額の相場はどのくらいであるのか、おおよその目安としてご紹介していきましょう。
一般的に引き出物3点セットの相場は、平均して5,000~8,000円程度のようです。
関係性別にいうと、親族への引き出物は7,000~12,000円で、高額になる理由は親族とは結婚後も長い付き合いがあるためといわれます。
上司への引き出物は5,000~8,000円程度で、同僚や友人に比べると差をつけて贈り分けすることが多いそうです。
友人知人・同僚への引き出物は4,000~5,000円程度です。
また、引き出物の内訳としては、引き出物が1人あたり3,000~5,000円程度、引き菓子が1,000円程度、縁起物が1,000円程度といった具合です。
前述のように地域によって相場に差は出ますが、引き出物の相場は「披露宴の飲食代の1/3程度が目安」と覚えておくとよいでしょう。
引き出物・引き菓子・縁起物につける「のし」のルールとは?
基本的に引き出物には「のし」を付けるのがマナーとされています。
のしにはたくさんの種類がありますが、水引は「紅白が金銀の結びきり」を選び、表書きは「寿」、名前は新郎が右側で新婦が左側(旧姓)が基本です。
全ての引き出物にのしは必要なわけではありませんが、メインである引き出物には必ずつけるようにしましょう。
また、記念品である引き出物に名字入りののしをつけて、引き菓子には新郎新婦の名入りののしを付けるケースもあります。
もしも、引き菓子や縁起物にのしを付けない場合は、包装紙などを利用してラッピングしておくことをおすすめします。
そうしておくことで、招待客によって贈り分けをした場合に、外から見えないようにできる配慮にもなります。
また、引き出物袋も招待客に差を付けないためにも、同じ大きさのものに統一しておくのもマナーといえます。
引き出物は3点セットが基本!地域やしきたりによって違いも
基本的に引き出物の中身は引き出物、引き菓子、縁起物の3点で構成されることが多いとお分かりいただけたかと思います。
とはいえ、新郎新婦の出身地によっては、その品数や必ず入れるべきものなどのしきたりがある場合を考え、事前に調べておくとよいでしょう。
引き出物の相場やのしのルールなどについてもお話ししたので、選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。