お茶はお祝い事の贈り物としてマナー違反!?その理由は?

2020年07月05日

「お茶をお祝い事の贈り物にするのはマナー違反」と言われるのを聞いたことがあるでしょうか。

初めて聞いた、気にしたことがなかったという方も多いかもしれませんね。

お茶を取り扱うお店では、お茶のギフトセットなども販売されていますから、なぜマナー違反なのか不思議に思われる方もいるでしょう。

この記事では、お茶が贈り物としてマナー違反と言われる理由や、本当に贈り物にしてはいけないのかなどをご説明します。

お茶を贈り物にするのがマナー違反と言われるのはなぜ?

お茶を贈り物とするのはマナー違反だと言われることがあります。

ここで言う「お茶」とは、緑茶のことです。

しかし、日本茶を扱うお店で緑茶のギフトセットなどを目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

それなのに、なぜ緑茶を贈り物にするのがマナー違反と言われるのでしょう。

それは、緑茶が香典返しなどに用いられることが多く、お葬式を連想させるものだからです。

弔事をイメージしてしまい縁起があまり良くないので、お祝い事の贈り物には向いていないと言われています。

なお、香典返しによくお茶が選ばれる理由は諸説ありますが、「お茶の伝来に仏教の高僧が深く関わっており、お茶と仏事は相性が良いから」というのが通説のようです。

お茶がマナー違反とは言い切れない

しかし、本当にお茶を贈り物とするのはマナー違反なのでしょうか。

2018年に、某バラエティ番組内で「お茶をお祝いのお返しに贈ってはいけない」という内容が放送されたところ、物議を醸すこととなりました。

その際、とある老舗のお茶屋さんが、お茶は昔から良いことのしるしとしてお祝い事の贈り物に用いられてきたと意見しています。

お茶の木は根がしっかりしていて、「根付く」「植え替えができない」ことから縁起物とされ、九州地方では結納品として用いる習慣もあります。

お茶と聞いて弔事を思い浮かべる方もいますが、一方でこのように古くから慶事の贈り物に選ばれてきた事実もあるので、一概にお茶を贈るのがマナー違反とは言い切れないようです。

お茶を贈り物とするのは絶対にいけないと思う必要はないでしょう。

贈り物にお茶を選ぶメリットも多々ありますので、次項で詳しく見ていきましょう。

お茶を贈り物にするメリット

先ほど、お茶を贈り物にするのは必ずしもマナー違反とは言えないとご説明しました。

お茶を贈ることのメリットとしては、以下のようなものがあります。

◎消えものなので手軽に贈りやすい

形に残らない食べ物や飲み物などの「消えもの」は、贈る相手に気を遣わせにくく、手軽に贈れる定番のギフトと言えるでしょう。

お茶も消えものであり、母の日などのギフトとして、引っ越し挨拶の手土産としてなど、さまざまな場面で手軽に贈りやすいです。

◎幅広い年代の方への贈り物に向いている

お茶は若い世代から高齢者まで、幅広い年代の方にプレゼントしやすいものです。

年齢を重ねるにつれ、糖分の取りすぎを避ける必要があったり、歯が弱って食べられるものが限られたりもしますから、食べ物を贈る際は注意しなくてはいけません。

その点も、お茶のギフトならあまり気にしなくて良いので、選びやすいでしょう。

◎家族みんなで味わえる

お茶のギフトは、家族みんなで味わってもらうことができるので、相手の家族構成によらず贈りやすいと言えます。

家族のだんらんの時間に役立ててもらえれば、贈る側も嬉しいですよね。

お茶のギフトを選ぶときのポイント

「マナー違反にならないなら、お茶を贈り物にしたい!」と思ったときに、お茶のギフトを選ぶポイントをいくつかご紹介します。

●お茶の種類を知っておこう

一口に緑茶と言ってもさまざまな種類があり、それによって味のタイプが変わってきます。

定番は「煎茶」で、すっきりした味わいと適度な渋みがあり、誰にでもプレゼントしやすいお茶と言えます。

「玉露」は、渋み成分であるカテキンが少ないので、甘みがあり独特のコクがあるのが特徴です。

他にも、「かぶせ茶」は甘みと渋みのバランスが良く飲みやすいタイプでしょう。

また、香ばしい香りが特徴的な「ほうじ茶」も実は緑茶の一種で、こちらも人気があるお茶です。

贈る相手の好みも考えながら、お茶の種類を選ぶと良いですね。

●お茶の産地にも着目してみよう

お茶の代表的な産地と言えば、静岡や京都を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

産地によってお茶の製法が異なり、風味も変わってきます。

静岡茶と宇治茶の大きな違いは、茶葉を摘み取った後の蒸し時間で、静岡茶のほうが蒸し時間が長く、渋みが強めで香り高いお茶になります。

宇治茶はそれと比べると甘みが強く、お茶の色は澄んだ黄金色になるのが特徴です。

他にもさまざまなお茶の産地があるので、ぜひ産地の違いにも着目してみてください。

マナーが気になる場合は華やかなパッケージに

前項に引き続き、お茶を贈り物とする際のポイントをご紹介していきます。

●パッケージデザインをチェックしよう

お祝い事にお茶を贈り物とするのがマナー違反だと思われないか心配な方は、お茶ギフトのパッケージをチェックして選ぶと良いでしょう。

お祝い事らしい華やかなパッケージのギフトなら、弔事をイメージしにくく、贈り物として良いのではないでしょうか。

季節やイベントによってパッケージが変わるお店もありますから、選ぶのも楽しくなりますね。

●お茶のタイプから選ぼう

お茶は、茶葉で販売されているものと、ティーバッグで販売されているものがあります。

茶葉の場合は、好みによってお茶の濃さを調整できたり、家族みんなで飲む際に多めに淹れたりできる点がメリットです。

普段からお茶を飲むことが多い方や、家族の人数が多い方へのプレゼントには茶葉を選ぶと良いでしょう。

一方、ティーバッグは急須や茶こしなどがなくても手軽にお茶を楽しめます。

あまりお茶を飲むことが多くない方や、一人暮らしの方への贈り物としておすすめでしょう。

以上のようなポイントを意識しながら、お茶のギフトを選んでみてくださいね。

贈り物におすすめのお茶ブランド

ここまで、お茶を贈り物とすることのマナーや、お茶のギフトを選ぶ際のポイントなどをお伝えしてきました。

最後に、贈り物におすすめなお茶のブランドをご紹介しましょう。

●伊藤園

言わずと知れた、お茶の有名ブランドです。

扱っているお茶の種類が多く、ギフトセットも多数用意されているので、ちょっとした贈り物からお歳暮などまで、さまざまな場面に適したギフトを選べるでしょう。

花をあしらった華やかなデザインの缶に入っていて、お祝い事の贈り物にぴったりです。

●ルピシア

ルピシアというと紅茶のイメージが強いかもしれませんが、日本茶も多数取り扱っています。

緑茶をベースに、イチゴやグレープフルーツなどフルーツのフレーバーを合わせた商品などもあり、一風変わったお茶も楽しめます。

●カネ十農園

カネ十農園は静岡県牧之原市の茶農園で、収穫後の茶葉を自社の製茶場で加工し、風味豊かなお茶を作り上げています。

モダンなパッケージも特徴的で、おしゃれなお茶ギフトを贈りたい方へ特におすすめです。

お茶を贈り物にするのはNGではない!

お茶は香典返しに用いられることが多く、弔事のイメージがあることから、お祝い事の贈り物としてはマナー違反という意見もあります。

しかし、実際には古くから慶事の贈り物として選ばれてきた事実もあるため、一概に贈り物としてはいけないとも言い切れないでしょう。

消えもので、世代を問わず贈りやすい点でも、お茶はギフトとして優れています。

弔事をイメージしにくいような、華やかでおしゃれなパッケージのお茶ギフトもたくさんあるので、ぜひそのようなお茶をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。