ブライダルで欠かせない引き出物・縁起物・引き菓子の基本!
2020年08月26日結婚式に参列してくれたゲストに贈られる引き出物。
なんとなく引き出物という一括りのギフトとして漠然とイメージしがちですが、実は引き出物は「メインの引き出物」に加えて、「縁起物」「引き菓子」の3点セットが基本です。
普段なかなか知る機会がありませんが、これから結婚式を挙げる方はぜひ押さえておきたいブライダル知識です。
この記事では、ブライダルギフトには欠かせない引き出物・縁起物・引き菓子の基本を詳しくお話ししていきます。
目次
引き出物・縁起物・引き菓子の3点セットで贈られる意味は?
結婚式に参列するゲストにとって楽しみのひとつでもある引き出物は、新郎新婦からご祝儀のお礼やおもてなしの気持ちを込めて贈られる手土産です。
あまり気に留めることはありませんが、実は冒頭で述べたように、引き出物の内訳は「メインの引き出物」+「縁起物」+「引き菓子」の3点セットで構成されています。
近年では、より内容の質を上げるために、「メインの引き出物」と「引き菓子」という2点セットで贈られることも増え、時代と共に引き出物のあり方も変化しています。
そんな簡素化される引き出物ですが、本来の3点セットという形には、結婚式の縁起に関わる数字的な意味合いが関係しています。
というのは、割り切れる偶数は「割れる」「分かれる」といった縁起の悪い言葉を連想させるため、元来結婚式というお祝い事では避けられてきました。
例えば、ご祝儀でも2万円、6万円といった偶数が避けられるように、引き出物においても割り切れない3品が好まれてきたというわけです。
ただし、縁起物が2点の計5点セットで贈られるなど、地域によっては引き出物の品数が変わってくる場合もありますので、必ずしもこの限りではありません。
引き出物に添えられる縁起物とは?その意味と由来
では次に、メインの引き出物に添えられる、縁起物と引き菓子についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
まず、縁起物とは、その名の通りお祝い事に「縁起が良い」とされるもののことで、一般的に鰹節や昆布、梅干しなどが贈られます。
これには、引き出物に縁起物を添えることで、ゲストに対し幸せをお裾分けするおもてなしの意味が込められています。
また、前述したように、縁起物には、2品という偶数を避けるための「3品目」としての役割も果たしています。
ただ、その内容や品数は地域ごと異なり、その土地の特産品を「しきたり品」として贈るなど、その土地の風習によって縁起物が変わってくる場合もあります。
そのため、新郎新婦の出身地が違う場合、縁起物の選び方が根本的に異なるケースもあることから、プランナーとよく相談して贈る縁起物を選ぶことが望まれるでしょう。
引き出物に添えられる定番の縁起物は?
では、縁起物として選ばれるのはどのようなものなのでしょうか。
続いて、引き出物に添えられる定番の縁起物や、その縁起物が持つ意味合いについてご紹介していきましょう。
●鰹節
引き出物の縁起物といって、まずイメージされるのが鰹節です。
縁起物には、「夫婦円満」を象徴する2種類のセット、鰹の背側の「雄節(おぶし)」と腹側の「雌節(めぶし)」が贈られることが一般的です。
また、鰹節の切り口が松の年輪を思わせること、そして「鰹夫婦節(かつおぶし)」という語呂合わせもあることから、古くから婚礼のお祝い事に好まれて用いられています。
●昆布
「喜ぶ」に掛けた「よろこんぶ」というユニークな語呂合わせでご存知の方も多いでしょう。
元来、昆布は「広布(ひろめ)」とも呼ばれていたことから、「お披露目」する結婚式では縁起物として選ばれています。
●梅干し
梅の花は喜ばしい初春を告げることから、梅干しは春到来の縁起物として選ばれます。
また、シワのある見た目から、「シワができるまで元気に過ごせるように」という夫婦円満の意味合いが込められています。
このように、それぞれに喜ばしい意味合いを持つ品々は、まさに縁起物としてぴったりです。
引き出物の1品として、ぜひ添えておきたいところですね。
では次に、引き菓子について見ていきましょう。
引き出物で贈られる引き菓子とは?どういう意味合いがあるの?
メインの引き出物に添えられる縁起物について分かったところで、次は「引き菓子」についてお話ししていきましょう。
引き菓子といえば、バウムクーヘンやクッキー、焼き菓子、和菓子など、メインの引き出物を引き立てる華やかなお菓子がイメージされますよね。
近年では、味だけでなくパッケージのデザイン性にも注目したいところで、可愛らしいおしゃれな見映えはSNS映えにも嬉しいポイントです。
では、引き菓子にはどのような意味合いがあるのでしょうか。
まず、もともと引き出物は、披露宴で振る舞われた料理の一部をお土産として持ち帰っていたことが由来します。
それが時代が移り変わるにつれ、当時貴重だったお菓子も併せて贈られるようになり、おもてなしや感謝の気持ちが込められるようになったのです。
諸説ありますが、つまりそれが現代の「引き菓子」という形につながっているとされています。
さらに、引き菓子の「引き」には、「長引く」という意味があることから、ゲストに対して末永い付き合いをお願いする挨拶としての気持ちも込められています。
現代でも、引き菓子は引き出物に欠かせない存在ですから、結婚式でいかに感謝やおもてなしの心が大切にされているのかが分かりますね。
どんな引き菓子がゲストに贈られる?基本の選び方
では、メインの引き出物と縁起物に添えられる引き菓子には、どのようなお菓子が選ばれるのでしょうか。
まず、贈られる引き菓子には、お菓子としての縁起の良い意味合いに加え、持ち帰りに適した「賞味期限が長いもの」を選ぶことが基本です。
というのは、結婚式に参列するゲストの中には、飛行機や新幹線を使って遠方から足を運ぶ方も多いからで、自宅で落ち着いて食べ切るにはある程度の日数が必要になります。
そのため、引き菓子は日持ちの良いお菓子を選ぶことが望ましく、できれば10日以上の賞味期限があるものがおすすめでしょう。
特に、宿泊をするゲストがいる場合は、余裕を持った日持ちの引き菓子を選ぶと心配がありません。
また、暑い夏場に結婚式をする場合、移動中に溶けやすいチョコレート系は避けるなど、選び方の配慮が必要です。
定番の引き菓子をご紹介!人気の理由とお菓子の意味
引き菓子の選び方が分かったところで、縁起物と同様に定番の引き菓子をご紹介していきましょう。
●バウムクーヘン
引き出物の引菓子といえば、ドイツの伝統的な焼き菓子であるバウムクーヘンでしょう。
円筒の形状に何層もの重なった年輪が特徴的で、そこから「繁栄」や「長寿」、「幸せを重ねる」という縁起の良い意味合いが込められるようになりました。
そんな縁起の良さから、結婚式をはじめ、出産祝いや長寿祝いなどの贈り物としても選ばれています。
日持ちも良いため、結婚式の引き菓子としてぴったりでしょう。
●紅白饅頭
日本における伝統的な引き菓子といえば、紅白饅頭です。
紅白の縁起の良い色合わせは、喜ばしいお祝いのカラーとして定着していますが、実は赤色は新たな「人生のスタート地点」、そして白色は「人生の終着点」を意味しています。
つまり、紅白饅頭は人の一生を意味しており、一生添い遂げる新郎新婦の願いが込められています。
引き菓子に選ばれる和菓子の定番でしょう。
●金平糖
伝統的な引き菓子のひとつには、色鮮やかな金平糖も挙げられます。
もともとポルトガル人の宣教師によって伝わった金平糖は、当時は高級品だったことから、婚礼の引き菓子として贈られていたとされています。
また、製造期間が長く、何日もかけて作られるため、これから家庭を築いていく新郎新婦に重ねられて贈られていたとも言われています。
皇室の婚礼の際にも贈られたこともあり、大変縁起の良い引き菓子と言えるでしょう。
引き出物はゲストへの感謝とおもてなし
今回は、引き出物・縁起物・引き菓子の知っておきたい基礎知識についてお話ししてきました。
引き出物には伝統的な意味合いが深く関わっているため、マナーとしてもしっかり押さえておきたいところです。
最低限の基礎知識を押さえ、ゲストに心からの感謝とおもてなしの気持ちを込めて引き出物選びをしていきましょう。