引き出物で贈られるバームクーヘンの意味や由来とは?

2020年10月25日

結婚式に参列してくれたゲストには、メインの引き出物とともに「引き菓子」が併せて贈られます。

引き菓子と聞いてまずイメージするのが、バームクーヘンではないでしょうか。

そんな引き出物の定番のバームクーヘンですが、どんな意味があるのかをご存知でしょうか。

そこでこの記事では、バームクーヘンを贈ることの意味やおすすめのバームクーヘンに加え、その他に贈られる引き菓子を詳しくご紹介していきます。

披露宴でゲストに贈られる引き出物とは

結婚式に参列したゲストに贈られる引き出物は、ご祝儀のお礼やおもてなしの気持ちを伝えるための手土産で、披露宴の中でも楽しみのひとつですよね。

引き出物といえば、おしゃれな食器やキッチン用品、そしてバームクーヘンなどの引き菓子をイメージすることが多いでしょう。

ゲスト側からはそんな漠然としたイメージがある引き出物ですが、実は引き出物は、メインの引き出物に加え、引き菓子、縁起物といった3品セットで贈られることが一般的です。

このことは、実際に自分たちが披露宴を催すことで初めて知る方も多く、なかなか普段から内訳の意味を気にすることは少ないでしょう。

ただ、近年では、鰹節や地域特有のしきたり品である縁起物が省かれる場合もあり、メインの引き出物と引き菓子の2品を引き出物として贈られることが増えています。

引き出物のひとつ「引き菓子」の由来と意味は?

では、メインの引き出物とセットで贈られる「引き菓子」には、どういった意味や由来があるのしょうか。

引き菓子は、今でこそ披露宴の引き出物として欠かせない当たり前の存在になっていますが、まず引き菓子という言葉のルーツは平安時代に遡ります。

宴の招待客を歓迎しもてなす贈答文化が生まれた平安時代では、おもてなしとして贈る手土産を総称して「引き出物」と呼んでいました。

これは、馬を引き出して手土産を持ち帰ったことが由来しています。

その後、時代と共に引き出物のあり方は変化していき、披露宴で振る舞われた赤飯、鯛などを引き出物に、当時は貴重品だったお菓子や果物が添えて贈られるようになっていきます。

つまり、この引き出物に添えられたお菓子や果物が「引き菓子」としての始まりであり、これが現代にまで引き継がれているわけです。

また、引き菓子の「引く」には、本来「配る」という意味がありますが、それに加えて結婚式には縁起の良い「長引く」という意味も込められています。

このことから、引き出物に添えられる引き菓子は、ゲストへのおもてなしや気遣い、そして末永い幸せやご縁を願う意味を込めて、現代には欠かせない贈り物となっていたのですね。

引き菓子といえば、バームクーヘンなどのお菓子が印象強いですが、地域によっては果物や赤飯を添えるところもあるようです。

引き出物として贈られるバームクーヘンの意味とは?

では、そんな引き出物の定番として位置づくバームクーヘンには、どのような意味があるのでしょうか。

まず、バームクーヘンとはドイツの伝統的なお菓子で、バーム(バウム)は日本語で「木・樹木」、クーヘンは「焼き菓子・ケーキ」、つまり「木のケーキ、お菓子」と訳すことができます。

その名の通り、バームクーヘンは円筒形で木の年輪を思わせる見た目が特徴的で、店頭には一般的に切り分けたかたちで並んでいることが多いでしょう。

また、バームクーヘンと呼ばれる所以には、もともと白樺やブナの木などを焚いて焼き固める製造工程も関わっているとされています。

日本においては、数層も重なる年輪が「末永い繁栄」や「長寿」など、幸せを重ねるイメージをさせることから、結婚式や出産のお祝い事では縁起の良い贈り物として定着するようになりました。

つまり、引き菓子として贈られるバームクーヘンは、そんな縁起の良い願いをゲストにお裾分けする意味が込められているわけです。

引き菓子の意味を考えると、バームクーヘンは引き出物に添える贈り物としてぴったりの縁起物といえますね。

縁起の良い意味を持つバームクーヘン!引き出物に人気の理由はいっぱい

引き出物としてゲストに贈られるバームクーヘンには、引き菓子にふさわしい縁起の良い意味合いが込められていることが分かりましたね。

また、ゲストへの贈り物として人気の理由には、そういった縁起の良さ以外にもたくさんの魅力があるからです。

まず一つ目の魅力は、見た目がシンプルでありながらおしゃれであるという点です。

木の年輪を連想される縁起の良い見た目ももちろんですが、可愛らしいパッケージに洗練されたバームクーヘンは、お祝い事のお土産として華やかな見映えがあります。

このようなフォーマルな場にふさわしい楚々としたおしゃれさは、手土産として喜ばれる要素でしょう。

また、二つ目の魅力は、常温保存で日持ちがするという点です。

賞味期限を気にせず日持ちが望めるという点は、贈り物として基本的な要素でしょう。

商品によっては異なるものの、焼き菓子であるバームクーヘンのほとんどは賞味期限が長いため、特に遠方から足を運ぶゲストには有難い贈り物といえますね。

さらに、バームクーヘンの良さには、持ち運んでも形が崩れにくいという点も挙げられます。

特に暑い夏場は、チョコレート系のお菓子は溶けやすいので、その点、バームクーヘンは季節を選ばず引き菓子として贈ることができます。

以上のように、バームクーヘンには引き菓子としてぴったりの要素がたくさん詰まっているのです。

引き出物におすすめの人気バームクーヘン!美味しい味わいに感謝を添えて

これまでに、引き出物として選ばれるバームクーヘンの意味や魅力を詳しくお話ししてきました。

ここからは、引き菓子に喜ばれる人気のバームクーヘンをご紹介していきましょう。

●クラブハリエ(CLUB HARIE)

バームクーヘンといえば、滋賀県を代表とするクラブハリエをイメージする方も多いでしょう。

バームクーヘンはパサパサとした焼き菓子の印象が強いですが、クラブハリエでは飲み物がなくてもしっとり食べられるバームクーヘンとして根強い人気があります。

ふんわりしっとりとした深い味わいは、職人の手によって丹念に焼き上げられた高い技術が分かります。

上品なパッケージも贈り物としての格式高さを演出し、引き出物にぴったりでしょう。

●ユーハイム(Juchheim)

創業1909年の日本で初めてバームクーヘンを焼いた老舗で、バームクーヘンの代名詞といえます。

贈答用のバームクーヘンは円筒状の長い形状が特徴的で、ブライダルギフトのほとんどで扱われる定番ブランドです。

中でも、ウェディングらしい白と青を基調としたパッケージデザインは人気です。

バームクーヘン以外にも!引き出物に選ばれるさまざまな引き菓子

前項では、引き出物に喜ばれる人気のバームクーヘンをご紹介してきましたが、最後にバームクーヘン以外の引き菓子もご紹介しましょう。

まず、古くから伝統的な引き菓子として挙げられるのは、「紅白饅頭」です。

紅白饅頭はお祝いの席に縁起が良い紅白色の饅頭で、引き菓子に選ばれる和菓子の定番といえます。

赤色は生命力の象徴で、人生の新たな門出や出会いを意味し、白色は人生の終着点を表しています。

これは、人の一生を意味することから、新たな人生が始まり末永く続いていく結婚式にぴったりな意味合いでしょう。

洋風な結婚式よりも、和の結婚式に選ばれやすい引き菓子です。

また、見映えの良いおしゃれなクッキー、マカロンなども可愛らしく人気ですが、近年では自分たちの出身地に因んだ郷土菓子を選ぶ新郎新婦も増えてきています。

例えば、他県に嫁いだ新婦が出身地の郷土菓子をゲストに贈るなど、より楽しみのある選び方をすることもおすすめです。

引き出物といえばバームクーヘンですが、他にもさまざまなお菓子があるので、ぜひチェックしてみると良いですね。

ゲストに感謝とたくさんの幸せを

引き出物として定着するバームクーヘンには、年輪を思わせる見た目から、繁栄や長寿、幸せを重ねるといった意味合いがあることが分かりましたね。

さらに、縁起の良い意味合いに加え、引き出物として嬉しい要素がたくさん詰まっていることも人気の理由です。

引き出物はゲストにとっても楽しみのひとつなので、感謝と幸せのお裾分けの気持ちを込めてとっておきの引き菓子を選んでくださいね。