参列者にお渡しする引き出物選び!法事マナーと人気の品物

2022年05月15日

故人の冥福を祈って供養を行う法事では、参列された方に対してお礼の気持ちを伝える「引き出物」が贈られます。

引き出物といえば、慶事での華やかな贈り物がイメージされますが、法事では一体どのような品物が選ばれているのでしょうか。

そこで今回は、法事のマナーに関わる引き出物の選び方や相場、そして人気の引き出物について詳しくご紹介していきましょう。

そもそも法事の引き出物とは?

そもそも法事の「引き出物」とはどのようなものかご存知でしょうか。

まず、故人を偲び冥福を祈るための法事(法要)には、亡くなった日から七日ごとに四十九日まで行う忌日法要(きにちほうよう)に加え、一周忌、三回忌、七回忌などの年忌法要(ねんきほうよう)があります。

これらの法要は、一般的に「追善供養」とも呼ばれ、遺族をはじめ、親戚や故人と関係の深い人を招いて法事が行われます。

通常、参列された方は御霊前・御仏前やお供え物、供花(きょうか)などを持参するため、そのお礼も含めて参列者には返礼品となる「引き出物」が贈られるわけです。

地域によっては、「粗供養(そくよう)」や「茶の子」と呼ばれており、故人の法事に足を運んでくれた参列者に感謝の気持ちを込めて贈られています。

せっかくならご足労いただいた参列者には喜ばれる人気の引き出物を贈りたいところですが、まずは選び方のポイントを押さえておきたいところです。

では、次項からそれについて詳しく見ていきましょう。

法事ではしっかりマナーを押さえたい!引き出物選びのポイントと注意点

法事における引き出物の位置づけが分かったところで、次に考えていくのは肝心の品物です。

ただでさえ法事は厳粛なお悔やみのセレモニーですから、引き出物はマナーを押さえた選び方を心がけたいものです。

では、法事で贈る引き出物の選び方や注意点をポイントに分けて確認していきましょう。

●消えものを選ぶ

法事では「不祝儀を残さない」ことから、引き出物には消耗品となる消えものが望ましいとされています。

消えものといえばお菓子などの食品、もしくは使えばなくなる日用品が挙げられます。

モノとなって残らないので、相手の負担にならない引き出物と言えるでしょう。

●四つ足立つ生臭ものは避ける

「四つ足」を指す四本足で歩く牛や豚などの動物、そして「生臭」を指す魚の生臭さは、殺生を連想させます。
そのようなものは昔から法事での返礼品にはタブーとされているため、避けるようにしましょう。

●持ち帰りやすいものを選ぶ

参列者の持ち帰りやすさを考えて、重い物やかさばる物は避けたほうが良いでしょう。

法事の引き出物に選ばれる人気の品物は、上記の3つのポイントをクリアしていると考えて良いでしょう。

法事で人気の引き出物は?定番は「お菓子」

ではここからは、法事の引き出物に人気の品物を一挙ご紹介してきましょう。

まず、法事の引き出物として定番人気なのは「お菓子」です。

お菓子の詰め合わせが人気の理由には、食べてなくなる消えものである点に加え、日持ちすることも喜ばれるポイントとして挙げられます。

日持ちがすれば慌てて食べる必要もありませんし、特に遠方から足を運ぶ参列者にとっては有難い配慮でしょう。

また、日持ちをするお菓子は和洋問わず、例えば和菓子であれば羊羹やカステラ、おかき、また洋菓子であれば焼き菓子やクッキーなどが人気です。

年配の方でも食べやすく、引き出物に迷っている方にはおすすめです。

ただし、一度に食べ切る必要があるものや、切り分けが必要なお菓子はできるだけ避け、手軽に食べられる小分けの個包装になっている詰め合わせを選ぶと良いでしょう。

誰もが喜ぶ人気の引き出物!実用的な「タオル」

法事の引き出物に人気の品物には、「タオル」も挙げられます。

タオルは消えものの消耗品として、法事に限らずどんな贈答シーンにも喜ばれる定番のアイテムです。

まずタオルは、毎日の日常生活で必ず使う日用品であることから、いくつ持っていても困ることはありません。

特に、人数の多い家族であればなおさら喜ばれる引き出物で、生活の中で何かと重宝される品物でしょう。

また、お菓子などの食べ物には好みやアレルギーで食べられないという方も出てきますが、タオルであれば年齢問わず万人に喜ばれる実用的な点も人気の理由ですね。

さらに、タオルはさまざまな価格帯で販売されていることから、予算に合わせた引き出物を選びやすいメリットもあります。

法事の引き出物に悩んでいる方は、贈る相手を選ばないタオルをぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

近年人気上昇中!法事の引き出物にはカタログギフトも

法事で人気の引き出物として、最後にご紹介するのが「カタログギフト」です。

カタログギフトといえば、結婚式の引き出物に贈られるイメージが強いですが、実は近年、法事の引き出物としても人気を集めています。

カタログギフトが人気を集める何よりの理由には、「好きなものが自由に選べる」という点が挙げられます。

好きなものが選べるということは、つまりは「本当に必要な物が選べる」わけで、これは相手にとっても贈る側にとっても嬉しいメリットになります。

また、持ち帰りの荷物としてかさばることはありませんし、日持ちのしない食べ物も自由に選ぶことができます。

さらに、法事の引き出物として避けられる「四つ足立つ生臭もの」も、カタログギフトから選ぶのであれば問題もありません。

その他にも、引き出物の予算に合わせてカタログを選べるなど、カタログギフトにはたくさんの魅力がありますから、気になる方はぜひチェックしてみると良いでしょう。

品物選びで満足しないで!相場とのしのマナーも押さえよう

これまでに、法事の引き出物に選ばれる人気の品物をご紹介してきましたが、最後に押さえておきたいのが法事の引き出物マナーに関わる「相場」と「のしの書き方・選び方」です。

というのは、いくら人気の引き出物を選んだところで、肝心な相場やのしのマナーがなっていなければ意味がないからです。

人気の品物を選んで満足しないように、しっかり相場とのしのマナーも押さえておきましょう。

●相場

法事の規模によっても変わりますが、いただいた金額の3分の1から半返し程度を目安とするのがマナーとされ、一般的には2,000~5,000円程度が相場となっています。

また、法要後に食事をふるまう場合は、その食事代も考慮したうえで決めると良いでしょう。

●のし

法事の引き出物には、水引が印刷されたのし紙をかけます。

水引は「結び切り」に一周忌までは黒白か双銀、三回忌以降には黄白か青白のものを選びます。

水引の色は地域によっても変わる場合があるので、確認しておくと良いでしょう。

表書きには「志」、地域によっては「粗供養」や「茶の子」と記載し、下部分には施主の苗字を書いてください。

また、包装の方法は一般的には「内のし」、直接会って渡す際は見て分かるように「外のし」と使い分けると良いでしょう。

参列者に配慮した選び方を

これまでに、法事の引き出物マナーから喜ばれる人気の品物をご紹介してきました。

引き出物選びでは、まず後に残らない「消えもの」であることをはじめ、荷物の負担にならないもの、そしてタブーとされる食品は避けるということを押さえておきましょう。

また、品物選びだけで満足しないように、相場やのしのマナーも身につけておいてくださいね。