披露宴はどんな装いがふさわしい?父親の気になる服装マナー

2022年09月04日

披露宴において、新郎新婦の父親は大切な役割を担うことが多く、注目を浴びる機会も多いですよね。

主役である子どもの親としても、当日はゲストをお迎えする披露宴にふさわしい装いで臨みたいものです。

とはいえ、親として参列する初めての披露宴は、どんな服装を着用すれば良いのか分からない方も多いことでしょう。

そこでこの記事では、披露宴に臨む父親の服装マナーについて詳しくお話ししていきましょう。

披露宴に参列する父親の服装は?

披露宴というフォーマルなシーンに、父親として参列することは人生でそう何度もないことで、だからこそ子どもの晴れ舞台では格好良く衣裳をきめたいものです。

まず、披露宴を含めた冠婚葬祭の儀式において、参列者は敬意を表する服装として「礼服(フォーマルウェア)」を着用することが一般的です。

ひとくちに礼服といってもどれも同じなわけではなく、最も格式高い「正礼装」をはじめ、それに準ずる「準礼装」、そして「略礼装」の3つの種類に分けられます。

これらの礼服は会場の格式に合わせて選ばれますが、父親が披露宴に参列する場合、一般的には最も格の高い「正礼装」を着用します。

この理由としては、父親は新郎新婦の近しい存在であること、また主催者側として、親族代表としてゲストをお迎えする立場であることが挙げられるでしょう。

近年では自由でカジュアルな披露宴も増えており、会場の雰囲気に合わせて準礼装を選ぶケースも見られますが、基本的には第一に正礼装を考えるのがマナーでしょう。

披露宴の格式に合わせた父親の服装!正礼装の種類

披露宴で父親が着用する服装では、会場に合わせた格式に加えて、さらに披露宴が開催される「時間帯」によってもスタイルが変わってきます。

では、どのような礼服があるのか、まずは一般的な正礼装から見ていきましょう。

●モーニングコート

「モーニング(morning)」とあるように、昼間の披露宴に着用されるベーシックな正礼装です。

上着は前裾が大きく斜めにカットされ、ウエストラインから曲線的に流れるスマートなシルエットが特徴的です。

また、パンツはグレーと黒などのストライプ柄に、シャツはウィングカラーやレギュラーカラーの白無地を着用します。

実際には時間帯関係なくモーニングコートが選ばれることが多いので、服装選びに悩まれている方にはおすすめです。

●燕尾服(テールコート)

夜の披露宴に着用される正礼装です。

あまり馴染みのない礼服ですが、オーケストラの指揮者や演奏者が着用する服装といえばイメージも難しくないでしょう。

裾がツバメの尾のように見えることから、燕尾服(Tailcoat)と呼ばれています。

高級感あふれる格式高い装いなので、近年ではあまり見かけることはありません。

●紋付羽織袴

神前式などの和婚スタイルに着用される、和装の最高礼装です。

和装での披露宴では、新郎新婦や会場に合わせてこちらを選ぶと良いでしょう。

カジュアルな披露宴の服装は?父親が着用する準礼装

披露宴に父親が着用する服装について、次に見ていくのは準礼装です。

準礼装を着用するシーンには、ガーデンウェディングなどのカジュアルなスタイルや、家族のみの家族婚といったアットホームな披露宴が挙げられます。

●ディレクターズスーツ

カジュアルな昼間の披露宴に着用される父親の準礼装です。

見た目はモーニングコートを一般的なジャケット丈に置き換えたスタイルで、イギリスでは「ショートモーニング」とも呼ばれています。

披露宴では、上質でデザイン性の高いディレクターズスーツが着用されます。

父親が正礼装の場合は、親族や主賓といった立場のゲストが着用することが一般的です。

●タキシード

カジュアルな夜の披露宴に着用される準礼装です。

蝶ネクタイにカマーバンド、もしくはベストを合わせたスタイルが特徴的で、ベルトはサスペンダーを着用します。

小物次第でファッショナブルなコーディネートを楽しむことができます。

披露宴の服装に華やかさを!父親の胸元を彩る「ポケットチーフ」

披露宴に父親が着用する正礼装・準礼装について見てきたところで、さらに華やかさをプラスする小物アイテムをご紹介していきましょう。

披露宴の服装に合わせる小物アイテムには、より紳士的なフォーマル感を演出したり、おしゃれなワンポイントとして身に付けたり、使い方次第で見せ方も大きく変わってきます。

まずご紹介するのは、「ポケットチーフ」です。

ポケットチーフとは、胸元のポケットに装飾として挿すもので、ハンカチとして使うというよりもフォーマルなコーディネートにワンポイントとしてプラスするものです。

イギリスやアメリカでは、「ポケットハンカチーフ」や「ポケットスクエア」とも呼ばれています。

胸元に彩を添えることで格式高い雰囲気を演出し、より華やかでフォーマルな印象に魅せてくれます。

たたみ方にはいくつか種類がありますが、父親にふさわしいのは三つ角が特徴的なスリーピークスでしょう。

フォーマル度がぐっと上がり、パーティー感も演出できるのでおすすめです。

チラリと見える袖口をおしゃれに!華やかなカフスリンクス

披露宴で父親が着用する服装の小物コーディネートでは、「カフリンクス(カフスボタン)」も欠かせません。

カフスリンクスとは、シャツの袖口を飾るアクセサリーで、披露宴などのフォーマルなシーンで使用されることが一般的です。

カフスの種類には、結婚式用からパーティ用、そしてビジネス用まで様々なデザインが充実しているので、披露宴のスタイルに合わせて選ぶと良いですね。

特に新郎新婦の父親は、ゲストの前でマイクやグラスを持つ出番が多いので、チラリと見える袖口の華やかさは求められるところです。

正礼装のモーニングを着用するのであれば、ゴールドかシルバーの土台に白蝶貝や真珠を使用した輝きのあるデザインを選ぶことがおすすめでしょう。

また、カフスには、留め具の形状として定番のスウィヴル式(レバーを捻って固定)をはじめ、スナップ式、固定式、チェーン式などの種類があります。

ご自身のワイシャツに合ったタイプを選ぶようにしてください。

服装を選ぶうえで押さえたい!両家の格式を揃える意識を

これまでに、披露宴で父親が着用する服装やコーディネートについて詳しくご紹介してきましたが、どんな服装を選ぶにしても、必ず押さえておきたいマナーがあります。

それは、両家の服装の「格式」を揃えるということです。

例えば、どちらかが正礼装のモーニングコートで、もう一方が準礼装のディレクターズスーツとなれば、両家の両親が並んだ際にバランスが悪くちぐはぐになってしまいます。

両家が同格の服装を揃えてこそ、披露宴にも統一感が生まれ、記念撮影でもよりバランス良く見せることができるでしょう。

披露宴のスタイルや会場の格式に合わせることはもちろん大切ですが、まずは両家の服装の格式を揃えるということを念頭に置いておいてください。

事前に両家でしっかり話し合い、披露宴の服装を決めていきましょう。

父親としてふさわしい服装を

披露宴当日は、バージンロードで新婦をエスコートしたり、謝辞をしたりなど、父親の出番はたくさんあります。

そんな注目を浴びる披露宴では、父親としての服装をビシッときめて臨みたいものですね。

今回の記事を参考に、まずは両家の付き合いを第一に、そしてTPOを踏まえた服装選びをしてくださいね。