葬儀の参列者のマナー!男女それぞれのふさわしい服装は?

2019年12月28日

生前、お世話になった人の葬儀があるなら、故人にも遺族にも失礼のないように、マナーを守って参列したいものです。

しかし、葬儀に参列する際の服装について、どのようなものなら失礼にあたらないのか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。

この記事では、葬儀の参列者の服装マナーについてご説明します。

葬儀での服装マナー!喪服には3種類ある

葬儀で着用する服装を「喪服」と言いますが、喪服には3つの種類があることをご存知でしょうか。

喪服は、その格式によって「正喪服」「準喪服」「略喪服」に分けられます。

それぞれの使い分けについて、ご説明しましょう。

●正喪服

この3種類の中で最も格式の高い喪服であり、遺族側の人が着用します。

男性は洋装ならモーニングコート、和装なら黒紋付羽織り袴です。

女性は洋装であれば黒のワンピースやアンサンブル、和装なら黒無地の着物を選びます。

●準喪服

一般的な喪服で、お通夜や葬儀の参列者が着用します。

男性はブラックスーツ、女性は黒のワンピースやスーツ、アンサンブルです。

最近では、遺族側の人でも正喪服でなく準喪服を着用するケースが増えています。

●略喪服

暗いグレーや紺など、黒ではないダークスーツやワンピースのことです。

三回忌以降の法事やお通夜への参列時には、このような略喪服を着用してもマナー違反ではありません。

お通夜と葬儀・告別式で服装のマナーは違う?

訃報を受けた際に参列する弔事には、主にお通夜と葬儀・告別式があります。

お通夜には家族や親族の他、親しい友人などが弔問に訪れ、その翌日の葬儀・告別式で一般の弔問客が訪れるものとされています。

お通夜と葬儀・告別式では、参列者の服装のマナーは異なるのでしょうか。

もともと、お通夜は略喪服で参列するのがマナーと言われていました。

お通夜は訃報を受けた当日や翌日に行われるものです。

そのため、急いで駆け付けなければならないお通夜に正式な喪服で行くと、その人が亡くなることを予見して準備していたかのように思われて失礼なので、マナー違反とされていたのです。

しかし、最近では通信技術の発達により、昔よりも訃報の知らせを出すのに時間がかからなくなりました。

また、日中に行う葬儀・告別式に参列できない人がお通夜のみに参列することも増えているため、お通夜にも葬儀と同じように準喪服で参列するのが通例となっています。

なお、葬儀と告別式は一緒に行われることが多いため、服装のマナーに違いはありません。

男性が葬儀に参列する際の服装マナー

それでは、ここからは男性が葬儀に参列する際の服装のマナーを具体的に見ていきましょう。

先ほどご説明したように、参列者は準喪服を着用するのがマナーです。

男性は、光沢感のない素材のブラックスーツを着用しましょう。

礼服のブラックスーツは、黒いビジネススーツとは別物です。

葬儀にビジネススーツを着ていくのはマナー違反なので注意してください。

似ているように思うかもしれませんが、生地の色や質感、スーツのシルエットなどで、礼服かビジネススーツかは分かってしまいます。

スーツの下に着るワイシャツは、白で柄のない無地のものを選びます。

ネクタイと靴下、靴、ベルトはすべて黒で統一しましょう。

柄物のネクタイや白の靴下、ネクタイピンの着用は避けてください。

また、ネクタイを締めたときにできる「えくぼ」と言われる「ディンプル」を作るのは、葬儀ではNGです。

靴は革靴で、目立つ金具などが付いていないものを選びましょう。

女性の喪服は派手にならないように

続いて、女性が葬儀に参列する際の服装のマナーをご説明しましょう。

女性の喪服は、派手にならないようにすることが重要です。

黒のワンピースやスーツ、アンサンブルといった地味な色合いの服を選ぶのはもちろんのこと、胸元が開いているような露出が高い服は避けてください。

スカート丈は膝下まであるものを選び、ミニスカートはやめましょう。

また、足元は靴下ではなく、黒のストッキングを着用します。

タイツは望ましくないとされていますが、寒い時期には着用することもあります。

その場合、カジュアルに見えてしまうような柄入りのタイツや、デニール数が高めの厚いタイツは避けるのが良いでしょう。

なお、お通夜のときは肌色のストッキングでもOKとされています。

靴は、布製か革製のパンプスで、3~5cm前後の低めのヒールにしましょう。

男性と同様、目立つ金具などは付いていないものを選んでください。

肌が見えてしまうサンダルやミュールはマナー違反です。

もし派手なネイルをしている場合は、落としてから行くか、隠せるように手袋を用意すると良いでしょう。

子どもはどんな服装で葬儀に参列すれば良い?

ここまで、男性と女性の葬儀での服装マナーをご説明してきました。

葬儀には、子どもも一緒に参列することがあると思います。

子どもはどのような服装で葬儀に参列すれば良いのでしょうか。

●幼稚園・学校の制服がある場合

幼稚園や学校などに通っていて制服がある場合は、それを着用させればOKです。

制服が黒でなかったり、ボトムスがチェック柄であったりすることもありますが、制服自体がフォーマルな服装として認められているため、葬儀で着用してもマナー違反とはなりません。

●制服がない場合

制服がない場合は、できるだけフォーマルに見える服装にしましょう。

黒や紺、グレーのジャケットやカーディガンなどがあると良いです。

靴は黒の革靴がベストですが、なくても購入しなければいけないわけではなく、普段履いている靴でも問題ありません。

肌の露出を控えるため、サンダルなどはやめておきましょう。

●赤ちゃんの場合

小さな赤ちゃんを連れて行く場合も、黒や白、グレーなどの目立たない色味の服を着せてあげましょう。

キャラクターの柄が入った服などはNGです。

服装以外にも!注意すべきマナー

最後に、服装以外にも葬儀に参列する際に注意すべきマナーをご紹介しましょう。

●バッグ

男性はフォーマルな場ではバッグを持たないのが一般的ですが、女性は服にポケットが付いていないことが多く、バッグが必要になると思います。

葬儀では、布製の黒いバッグを持つのが基本です。

革製品は避けたほうが良いとされていますが、最近では光沢のない革のバッグならマナー違反にならないとも言われています。

ただし、蛇革やワニ革など、爬虫類系のものは避けましょう。

●アクセサリー

女性・男性とも、基本的にアクセサリーは結婚指輪のみとします。

それに加えて、女性の場合は、涙を連想させるパールのネックレスを付けるのもよしとされています。

ネックレスは一連のものを選びましょう。

二連のものは不幸が重なることをイメージさせるためマナー違反です。

●ハンカチ

ハンカチは、白の無地のものを持つのが基本ですが、派手なデザインや色合いのものでなければ問題ありません。

黒やグレー、淡いピンクや紫などのハンカチでも大丈夫です。

デザインも、控えめな刺繍やレースが付いている程度であればマナー違反にはなりません。

●袱紗

香典を包んで持参するために使う袱紗。

葬儀では、黒や寒色系のものを使用しましょう。

ピンクやオレンジなど、明るい暖色系の色の袱紗はお祝い事用なので注意してください。

紫色の袱紗は慶弔どちらにも使用できるため、1つ持っておくと便利です。

急な訃報にも慌てないようにマナーを知っておこう

今回は、葬儀の参列者の服装マナーについてご説明しました。

お通夜、葬儀、告別式のいずれも、準喪服で参列すればマナー違反とはなりません。

また、葬儀での子どもの服装や、バッグ、アクセサリーなどのマナーについてもご紹介しました。

急に訃報を受けたときにも慌てないよう、これらのマナーを知っておくようにしましょう。