フレンチのフルコースで戸惑わない!基本的なマナーをご紹介
2019年10月02日フレンチレストランでのフルコースの予定が入った際、楽しみな反面、マナーにおいて不安を感じますね。
「フレンチフルコースのマナーを知らない」「以前、フレンチレストランに行った際にマナーに困った」など悩みを持たれている方も多いことでしょう。
今回は、フレンチフルコースの基本的なマナーをご紹介します。
フレンチフルコースが初めての方も、マナーをおさらいしたい方も、ぜひ参考にしてください。
目次
服装は?フレンチレストランへ入店する際のマナーをご紹介
ここでは、フレンチレストランへ入店前に気をつけておきたいマナーをご紹介します。
まず服装については、男女ともにカジュアルは避け、上品なスタイルにしてください。
男性はジャケットなど襟のついたトップスにスラックスやチノパン、女性はブラウスにスカートもしくはワンピースなどです。
「お出かけ着」を意識してもらうと分かりやすいでしょう。
ホテル内などに入っているフレンチレストランや、フルコースを提供している上ランクのフレンチレストランは、ドレスコードが決められている可能性もあります。
不安であれば事前に問い合わせることをおすすめします。
入店の際、コートを着用している場合は、入り口の手前で脱いで手にかけておきましょう。
フレンチでは「レディーファースト」が基本のマナーです。
入り口のドアは男性が開け、女性に先に店内に入ってもらいますが、店員が開けてくれる場合もありますのでその際はお願いしましょう。
店内で邪魔になる可能性があることと、上品さに欠けるため、大きな荷物がある場合は入り口で預けましょう。
店員が席を案内してくれますので、一緒に向かいます。
次に、着席から注文までのマナーをご説明します。
着席にもマナーはある!食事をいただく前に気をつけたいこと
着席から注文まで、フレンチフルコースをいただく前のマナーをご説明します。
席次は部屋のレイアウトによって多少の変化はありますが、基本的に出入り口に遠いほうが上座です。
上座に座るのは目上の方や招待者、男女であれば女性です。
フレンチレストランでは、店員が最上座の椅子を引いてくれることが多いので、一緒に食事をする方の状況に応じて座りましょう。
座る際、椅子は必ず左から椅子前に入りましょう。
店員が椅子を押してくれるので、ひざ裏に当たるくらいでゆっくりと腰をかけるのが正しい椅子の座り方です。
テーブルと体の間はこぶし2つ位開け、背を伸ばします。
姿勢が美しいだけで印象がアップします。
いざフルコースが始まりますが、まずは食前酒の注文です。
食前酒は程よく胃に刺激を与え食欲を増進させる役割もありますが、酔いが回りすぎないよう、味が強すぎずアルコール度数の低めのものを選びましょう。
迷ったらシャンパンを選ぶことをおすすめします。
アルコールに弱い方は無理をしてお酒を飲むことはなく、水、もしくは炭酸水をオーダーしましょう。
食前酒の注文が終わったら、ナプキンを太ももあたりにひきます。
テーブル上のナプキンを広げ、2つに折り、輪になったほうを自分のお腹側にします。
ここまでが料理をいただく前の準備になりますが、テーブルに並んだたくさんのフォークやスプーン、またナプキンの使用法が気になるところです。
次より、フレンチフルコースの小物の使い方をご説明します。
カトラリーとは?フレンチフルコースの小物のマナー
フォークやスプーンのことをカトラリーと言います。
フレンチフルコースでは、テーブルに並んだカトラリーは外側から使用するのがマナーです。
料理が出てくる順番に、外側から並べてあるためです。
テーブルの真ん中寄りに横に並んでいるカトラリーはデザート用です。
万が一使う種類を間違えても、軽く手を挙げて店員を呼び、間違えたことを伝えれば新しいものを持ってきてくれます。
次にフォークやナイフ、スプーンの持ち方をご説明します。
フォークは左手、ナイフは右手で使用しますが、左利きの方は逆になります。
フォークやナイフの柄を人差し指で支えて持ち、肘や肩は張らずに、力を抜いて持つとエレガントに見えますし疲れません。
スプーンは人差し指と中指の第二関節上に柄がくるようして、親指を添えます。
もし、お手洗いなどで中座するときは、ナイフとフォークをお皿の上で八の字にします。
その際フォークの刃は内側(自分が座っている側)に向け、フォークの背を上側(天井の方向)に向けましょう。
飲み物を飲むときや口元をぬぐうときなども、ナイフやフォークはその都度置きましょう。
食べ終わった際は、ナイフとフォークの位置を皿の右下に斜めに並べます。
時計に例えると3時~4時20分のあたりで、その際はナイフは外側でフォークは内側に並べます。
ナイフの刃は内側に向け、フォークは背を下(お皿側)に向けます。
中座のときとは置く位置や向きが違うので注意してください。
次項では、ナプキンの使い方をご説明します。
ナプキンの使い方が重要!フレンチにおけるナプキンのマナー
太ももにひいたナプキンの用途は、食事をこぼした際に衣類を汚さないためだけではありません。
ソースなどで汚れた口元を拭くのがメインの用途です。
口元を拭く際は、折りたたんだナプキンの内側を使いましょう。
使用した部分はさらに内側に折っておくと見栄えが良いです。
「真っ白なナプキンを汚すのは行儀が悪い」と考え、自分のハンカチやティッシュなどを使用する方がいますが、フレンチフルコースのマナーとしてお店に対し失礼にあたります。
「こんなナプキンは使用したくない」というサインだとされているためです。
食事を中座する際は、太ももにひいたナプキンは汚れが見えないように畳み、椅子座面に置きましょう。
椅子の背にかけても良いとされていますが「汚れたものを椅子の背にかけるのは失礼」ととらえる方もいますので、座面に置くのがベターです。
食べ終わった後のナプキンは軽く畳み、テーブルの上に置きましょう。
ここで注意しておきたいのが、食事終わりのナプキンは綺麗に畳まないということです。
フレンチフルコースのマナーでは、きれいにナプキンを畳むことを「食事が美味しくなかった」というサインだとされています。
「ナプキンを畳むのを忘れるほど、食事が美味しかった」というお礼を意味するために、ナプキンをわざと少し崩して畳み、テーブルに置きましょう。
フレンチフルコースの流れと食べ方のマナーをご紹介
フレンチフルコースの流れとともに、食べ方のマナーをご説明します。
① オードブル(前菜)
最初の料理として、食欲をそそる華やかな盛りつけがされています。
ナイフやフォークを使い食べましょう。
カナッペなど手で食べるものもあります。
② スープ
手前から奥にスプーンを運びます。
こぼさないように、スプーンの2/3程度の量をすくいましょう。
飲む際は自分がかがむのではなく、スプーンを口元に持っていくようにします。
なお、お皿ごと持ち上げることはタブーとされています。
残り少なくなったら、手前の皿の淵を少し傾け、スープを向こう側に集めてからすくうのがマナーです。
③ パン
店員が持ってきたパンの中から好きなものを選びます。
自分で取るのではなく店員にトングで取ってもらい、1度にお皿に乗せるのは2個までにします。
食べる際はかじりつくのではなく、一口の大きさにちぎって食べましょう。
バターなどをつける際も、ちぎってからつけます。
④ ポワソン(魚料理)
身がなるべく崩れないように、魚の筋に沿って切り、左側から食べ進めましょう。
ソースを適度にナイフで絡めながら食べるのがおすすめです。
骨つきの魚の場合は、上身を左から食べた後、フォークで身の左を押さえてナイフで骨を取り、下身を左から食べるのがマナーです。
⑤ ソルベ(氷菓)
メインディッシュの肉料理の前に、口の中をさっぱりさせる役割があります。
シャーベットが主流です。
⑥ アントレ(肉料理)
魚料理と同じく、肉の筋に沿って切り、左から食べ進めます。
一度に切り分けてから食べるのはマナー違反な上、せっかくの肉汁が流れてしまいます。
⑦ デセール(デザート)
薄味のものから食べ進めますが、アイスなど溶けるものは先に食べましょう。
フレンチフルコースをスマートに楽しむために覚えておきたいマナー
ここでは、さらにフレンチフルコースをスマートに楽しむためのマナーをご紹介します。
まず、食事中に物を落とした際は、自分で拾わず店員に拾ってもらいます。
「店員の手をわずらわせたくない」と思うこともあるでしょうが、フレンチのマナーなので遠慮はいりません。
また、魚料理や肉料理でご紹介しましたが、フレンチフルコースの料理は、基本的に左から食べ進めます。
これは、サラダなども同様です。
その際、ソースやつけ合わせもバランスよく食べていき、最後に偏って残ることのないようにします。
なお、肉料理に関して、肉の焼き加減を聞かれることが多いので覚えておくと便利です。
・レア(表面を焼いたのみ、内側は生の状態)
・ミディアム(中が少し赤い状態)
・ウエルダン(しっかり火を通した状態)
他にも、ミディアムレアやミディアムウエルダンがあるので、自分の好みを伝えましょう。
そして、食事と一緒にお酒など飲み物を楽しむのがフレンチフルコースの醍醐味ですが、グラスやカップの持ち方にもマナーがあります。
ワイングラスなどは、ワイングラスの支えの部分であるステムの下部を持ちます。
これは、ワインが手の体温でぬるくならないようにするためです。
コーヒーや紅茶を飲むときはカップの下のソーサーは持ち上げないようにします。
食事が終わり、会計の際は、レジなどまで行く必要はありません。
すべて席で会計が行われますので、店員に対し軽く手をあげたり、目配せをしたりして呼び「お会計をお願いします」と伝えましょう。
フレンチフルコースのマナーをマスターして料理を楽しもう
今回は「フレンチフルコースの基本的なマナー」をご紹介しました。
カトラリーやナプキンの使い方をマスターして、上品に料理をいただきましょう。
ただ、マナーを守ることに気が行き過ぎて、肝心の料理を楽しめないのは本末転倒です。
マナーを心に留めながら、同席した方とフレンチフルコースを楽しんでくださいね。