七五三の服装選びにお役立ち!袴を3歳で着ても大丈夫?

2019年11月22日

子どもの御祝いごとの中で、七五三は馴染みの深いものではないでしょうか。

つい最近、赤ちゃんだったような我が子が、晴れ着を身に付けてしっかりとした3歳になった姿を見ると、その成長に胸が熱くなるでしょう。

その後も5歳、7歳と続く七五三では、無事に成長してくれている幸せを感じる方も多いことでしょう。

そのような、大切な子どもの御祝いごとである七五三だからこそ、納得する服装でより良い思い出を残したいものですよね。

今回は、七五三の服装の中でも、3歳の袴の着用について詳しく掘り下げていきます。

子どもの健やかな成長を願う日本の伝統!七五三の由来や意味とは

現代では、地域によって異なる場合がありますが、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳に七五三の御祝いを行なうことが一般的です。

従来は数え年でしていましたが、現在では満年齢でする方も多くなっています。

この3歳・5歳・7歳という年齢となっている起源は、平安時代にまで遡ります。

由来となっている3つの儀式について、詳しくご説明していきます。

●3歳…「髪置きの儀」

江戸時代までは、3歳未満の子どもは髪を剃り、坊主頭にしていました。

「髪の毛から病が入る」、「髪を剃ることで健康な髪が生えてくる」という理由から行われていたようです。

3歳を境に髪を伸ばすことが許され、その儀式が「髪置きの儀」となりました。

●5歳…「袴着の儀」

平安時代は、男女ともに5歳~7歳で初めて袴を着用していました。

江戸時代になり、男の子だけの儀式となりました。

袴を着用することで、男性の仲間入りを認められる意味があるようです。

●7歳…「帯解きの儀」

紐付きの着物から、着物に帯を締めて着るようになることで「大人の女性の仲間入り」をする儀式が行われていました。

元は男女ともに行われていましたが、江戸時代頃からは女の子のみの儀式となりました。

以上のような3つの儀式が七五三の由来となっています。

また、昔は医療が発達しておらず、子どもが長く生きられない時代でした。

「7歳までは神の子」とまで言われたようです。

よって、節目の年に子どもの成長を祝ったことも七五三の原点となっています。

袴は難しい?七五三で3歳の男の子が着る服装はどれが良い?

前項でご説明した「袴着の儀」の由来からすると、袴を初めて着用する年齢は5歳です。

しかし、袴姿は度々見られるものではなく、凛々しく男らしいイメージもあるため、現代の七五三では3歳の男の子にも着せているご家庭もあります。

着せたいという気持ちはあっても、なかなかじっとしていられない3歳の男の子に着せることを躊躇している方もおられるでしょう。

3歳の男の子が七五三で着る服装は、どれが良いのでしょうか。

服装の候補として、いくつか挙げていきます。

●羽織+袴

袴には二種類あり、「行燈袴(あんどんはかま)」と「乗馬袴(じょうばはかま)」と言います。

行燈袴はスカートのようになっており、足元が動きやすく、トイレにも行きやすいです。

乗馬袴は足が二本に分かれているタイプです。

3歳で袴を着る場合は、行燈袴がおすすめです。

また、袴には正式には羽織を合わせます。

●着物+被布

被布とは、着物の上に着る、袖なしのベストのようなものです。

3歳の女の子の七五三では、着物の上に被布を着る場合が多いです。

女の子のイメージがある被布ですが、3歳であれば、男の子が着ても構いません。

最近では、男の子用の被布も多くの種類が出ています。

着物は帯ではなく紐で結ぶので、着付けも簡単で子どもも動きやすいです。

●洋服(スーツ)

着物に比べると着脱が簡単で、値段も安価であることから選ばれる方もいらっしゃいます。

3歳では固い素材では動きづらく、嫌がることもあるので、ジャージー素材やストレッチの効いた素材を選ぶと着やすいでしょう。

ご紹介したそれぞれの服装は、どれも魅力があります。

和装を検討されている方は、かっこいい袴姿は5歳まで取っておき、3歳でしか着られない可愛い被布を選択することも方法の一つでしょう。

3歳の七五三で着せる袴は購入する?それともレンタル?

袴を着ることにした場合、どのように揃えていけば良いのでしょうか。

袴やその他に必要なものを揃える方法をご紹介していきます。

●着物の専門店などでフルセットを購入する

袴・羽織・着物・雪駄などの、小物を含めたフルセットを購入する場合です。

価格は1万円台~あり、高い物では10万円以上のセットもあります。

2万円前後のセットが多く販売されているようです。

3万円台後半~は正絹や日本製という高品質である場合が多く、品質にこだわる方は、この辺りの価格帯がおすすめです。

●着物の専門店などで、袴単品を購入する

お宮参りのときの着物がある場合、袴のみを購入すれば良いという方もいらっしゃるでしょう。

価格は5千円前後~あります。

お宮参りの着物を3歳の七五三で着るための「仕立て直し」については、次項以降でご説明します。

●袴のフルセットをレンタルする

レンタルの場合も、着物の生地のランクにより、価格は変わってきます。

安い物は5千円前後~ありますが、8~9千円辺りのセットが多いようです。

高いものでは2万円以上になるセットもあります。

●写真館での撮影+衣装のレンタルをする

大手の写真館では、七五三の撮影(前撮り)の際の衣装はもちろん、七五三当日の参拝時の衣装もレンタルできる場合が多いです。

11月の七五三前後よりも少し早い時期であれば、かなりお安くレンタルできる場合もあります。

・写真館での撮影(前撮り)

撮影・衣装・ヘアセット・着付け…3~4千円程度

+写真のプリント代またはアルバム代…1~7万円程度

+当日の参拝時の衣装のレンタル代…0円(無料)~1万円程度

写真をしっかりとしたアルバムタイプにすると、かなり高額になってきます。

また、前撮りの時期や参拝の時期や曜日により、衣装のレンタル代に差が出てくる業者が多いので、チェックが必要です。

3歳でも着せてみたい!七五三の袴の着せ方と上手く着せるコツ

3歳での袴の着用は、「じっとしていない」・「嫌がって脱ぎたがる」・「おむつ交換やトイレが大変」などの事態になることも考えられます。

しかし、一生で数回しかない貴重な七五三なので、気に入った服装をさせたいというお気持ちもあるでしょう。

そこで、少しでも上手に着せるコツをご紹介します。

●サスペンダーを使う

長時間の着用で、どうしても袴がずり落ちてきてしまいます。

それを防ぐために、サスペンダーを袴に付けると良いでしょう。

羽織を着る場合は、サスペンダーは隠れるのでおすすめです。

●腰紐代わりのベルトを使用する

腰紐の代わりに、マジックベルトなどのベルトを巻きます。

着崩れしにくく、子どもも締め付けが軽減されるので、着やすいです。

インターネット等でも、様々なタイプが販売されています。

●雪駄(草履)を履くタイミングを考える

雪駄や草履は、大人でも和装に慣れていない方が多く、履くと足が痛くなり苦労するものです。

3歳の子どもであれば、尚更しんどいものでしょう。

祈祷をされている間や写真撮影のとき以外は、普段のスニーカーなどを履かせ、少しでも嫌がらないように工夫をすると良いでしょう。

思い出を大切に…お宮参りの着物を3歳の七五三で着るには?

赤ちゃんのときのお宮参りの際に着物を購入していたり、お父さんが子どものときに着た着物を受け継いでいたりしているご家庭もあると思います。

その大切な着物を、袴と合わせて3歳の七五三でも着用したいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、お宮参りの際の着物を3歳の七五三で着る方法をお伝えします。

お宮参りの際の着物「産着」を七五三で着るには、仕立て直しをする必要があります。

仕立て直しの主な内容は、「袖を縫う」・「肩上げ」・「腰上げ」が挙げられます。

例えば袖は、腕を通す箇所以外を縫って閉じ、袖の下側は丸みがつくように縫う必要があります。

こうした仕立て直しは、裁縫が得意な方は自分でされる方もいらっしゃいますが、和服の仕立て直しは高度なので、呉服店などのプロに仕立て直しを依頼する方が良いでしょう。

男の子で袴を合わせる場合は、産着には背中や袖に豪華な模様が入っているものが多いので、羽織は着用しない場合が多いです。

袴には羽織を合わせるのが基本ですが、3歳では着物+袴のスタイルでもあまり違和感はないでしょう。

また、お宮参りの産着は「一つ身」または「三つ身」であることが多く、5歳の七五三で着用するには、サイズ的に仕立て直しができない場合もあるようです。

せっかくの思い出の産着なので、よく検討し決めていきたいものですね。

これっておかしいの?七五三で3歳の女の子が袴を着ることについて

最近では、小学校の卒業式に女の子が袴を着て出席することが、賛否両論を巻き起こしています。

かるたに青春を注ぐ女の子の映画などの影響もあり、袴姿が「かわいい!」と女の子から人気を得ているようです。

それでは、3歳に限らず、七五三の際に、女の子が袴を着ることはふさわしいのでしょうか。

女性が袴を着用するようになった歴史も踏まえて考えていきます。

女性の袴の歴史は、平安時代に宮廷の身分の高い女性が着ていたことが始まりとされています。

時を経て、明治時代になると、着物に帯を巻いた服装では、学業や運動に支障が出ることから、機能性から袴が取り入れられ、広まっていったようです。

上流階級の女学校の制服として導入された袴の服装が、後に一般市民の間に広がっていき、現在も卒業式などの学校行事の際の服装として残っています。

これらのような袴の歴史から考えると、七五三での女の子の袴の着用は違和感があると言えるかもしれません。

現代では、七五三の服装は昔ほどこだわらず、好きなスタイルを重視する方もいらっしゃいます。

しかし、中には「おかしい」「伝統的ではない」と感じる方もいらっしゃるのも事実です。

よく考えて着用するかどうかを決めましょう。

3歳の袴の着用は準備を万端に!子どもの負担にならない程度に思い出作りを!

まだまだじっとしていられない、幼い3歳での袴の着用は、少々大変なものになることもあります。

しかし、3歳の七五三を数え年でするか、満年齢でするかによっても、子どもの成長はかなり違ってきます。

また、子どもの性格も大きく関係してくるでしょう。

写真館で撮影をするなら、前撮りの際に袴を着用して、子どもの様子を見てみるのも一つの方法です。

準備を万端にして、思い出に残る七五三の御祝いをしましょう。