七五三の意味は?三歳と七歳の女の子の着物の着付け方
2019年12月09日七五三は子供が成長したことに感謝し、今後の成長を祈るために行う神事です。
多くの子供が着物を着ますが、その着付けは親御さんでも行うことができます。
今回は、三歳・七歳の子供の着物についてや七五三の意味と、着付け方もお伝えします。
親御さんが着付けることで、さらに素敵な思い出になるでしょう。
目次
三歳の七五三は何のためにするの?着物の上から被布を着る
最初に、三歳の子供の七五三についてお話ししましょう。
昔は、男の子・女の子に限らず、三歳になるまでは丸坊主でいることが普通であり、生まれてから七日目には頭の産毛を剃っていたといいます。
その理由は、赤ちゃんのころに産毛を剃っておけば、後から強い立派な髪が生えてくると信じられていたからです。
三歳までの間は丸坊主で過ごしますが、三歳の春からようやく髪を伸ばすことができるようになります。
この風習のことを「髪置の義」といい、強い髪が育つようにだけでなく、長生きするようにと願いが込められていました。
髪置の義が終わってからは、最初の段階は「おかっぱ」という切りっぱなしのスタイルになりますが、前髪が伸びてきたころからは「すべらかし」という髪型にします。
すべらかしの髪型をするようになってからは、例外を除き、生涯髪を切ることはありません。
現代の三歳の七五三は、昔の「髪置の義」に相当するものです。
儀式の形は変わっても、子供の今後の健康を祈るという目的は変わりませんね。
三歳の七五三では、帯の代わりに「被布」というものを着物の上から着るのが一般的です。
続いて、三歳の着物の着付け方を見ていきましょう。
三歳の着物の着付け方の前に!準備をしよう!
三歳の七五三についてある程度分かったところで、着物の着付け方をご説明しますが、「被布セット」を使う方が多いので、そちらを使用した例でお伝えします。
「被布セット」は、三歳の七五三に必要なものがほとんど揃っていますが、「用意しなければならないものがある」という場合もあるのでセットを購入した後は中身を確認しておきましょう。
入っていることが多いのは次のものです。
・伊達衿付きの着物
・半衿付きの長襦袢(肩あげ・腰あげがされているもの)
・被布(被布用の飾りを付けておく)
・草履
・足袋
・巾着袋
・肌着
・腰紐
・兵治帯や伊達締め
・髪飾り
このくらい揃っていると、ご自身で用意するものは補正用のタオルくらいで済みます。
なお、子供の身体に合わせて腰あげや肩あげがされていたり、伊達衿や紐などが付いてたりするものが多いですが、子供の成長は早いため、着付けをする数日前にサイズを合わせておきましょう。
選ぶ着物の色などについてのマナーは特にありませんが、子供に似合う色のものを選んであげてくださいね。
三歳の七五三!着物の着付け方
それではさっそく、被布セットの着付け方をお伝えしましょう。
①肌着を着て、腰からウエストにかけてタオルを巻き、腰紐で固定します。
②長襦袢を羽織りますが、このときに右側が下に、左側が上になるように重ねて腰紐で結んでください。
このときに、長襦袢に付いている両方の腰紐を袖の付け根にある「みやつくち」という穴に通してください。
左紐であれば右の穴に、右紐であれば左の穴に通し、両方の腰紐を背中でクロスさせたら前に持ってきて蝶々結びをします。
③着物を長襦袢の上から羽織りますが、長襦袢の袖を着物の袖の中に入れ、衿は「②」と同じく右側が下になるようにして腰紐で結びます。
結ぶ際は「②」と同様に、みやつくちの穴に通します。
④結び終わったら衿を整え、帯は締めずに被布を羽織ります。
被布の袖口から着物を引き出して、被布の前にあるホックを留めましょう。
⑤全体のバランスを整えて完成です。
子供の身体の大きさに腰あげがされていたり、紐が縫い付けてあったりすると着せるのはそれほど難しくはないので、三歳の七五三の際は着付けにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
七歳の七五三は「帯解の義」としてお祝いをする
女の子は三歳の七五三を終え成長すると、七歳の七五三をお祝いします。
昔は七歳になるまでは帯をせずに、兵治帯や伊達締めなどをして着物を着ますが、七歳を迎えると帯をするようになるのです。
帯をするようになることを「帯解の義」といいますが、それを迎えた子供は一人で帯を締めるようになりますし、大人の女性の第一歩として社会で認められるようになります。
家庭によっては三歳の七五三で帯をするケースもありますが、七歳の七五三では被布を着ません。
しかし「可愛らしい被布を七歳の七五三でも着せたい」と思うこともあるかもしれませんが、マナーとしてはふさわしくないので控えてください。
正式な装いは、肩あげやおはしょり、腰あげがしてある友禅模様の絵羽付けに丸帯を締めますが、総柄の友禅模様の着物を選ぶこともあります。
それでは、着付けに必要なものや、着付け方を見ていきましょう。
七歳の七五三で着物を着付ける!用意するものは?
三歳の頃に着てた着物は「三つ身」というものであり、お腹のまわりが締め付けられないように、ゆったりとしたつくりになっているのが特徴です。
一方、七歳の七五三では、大人と同じような帯を締める上に「四つ身」の着物を着ることが多いです。
「三歳も七歳も着物は一着で済ませたい」という方は大きめの着物を最初に準備することもありますが、その場合でも、それぞれの七五三で準備するものは変わるので気を付けてください。
・肌着
・半衿を付けた長襦袢(肩あげ・腰あげがされているもの)
・着物
・作り帯
・しごき
・帯あげ
・帯板
・腰紐
・伊達締め
・足袋
・はこせこセット
・タオル
草履・バッグ・帯締め・扇子・はこせこなどが必要ですが、それらが一式揃った「はこせこセット」というものが売られているので、それを用意するのもおすすめです。
また、七五三の際は化粧もしますが、親御さんが施す場合は化粧品の用意も必要です。
その際は、オーガニックやせっけんで落とせるものを準備するとよいでしょう。
続いて、着付け方を見ていきます。
着付け方はどうやるの?七歳の着物
それでは、着付け方をご説明しますが、長襦袢の着せ方までは三歳の着付け方と同じです。
①長襦袢の上に着物を着せたら、長襦袢の袖を着物の袖に入れます。
②着物の裾をくるぶしが隠れるくらいの長さになるようにたくし上げ、下がってこないようにウエストの位置で腰紐を結びます。
たくし上げた際に余った着物の生地が、ウエストで結んだ腰紐の上にきていればOKです。
③「②」の腰紐よりも上にある余った生地を、腰紐の上に被さるように整えます。
このときに、長襦袢に付いている半衿が1.5cm程度見えるようにし、ずれないように別の腰紐で結び固定します。
④伊達締めを「③」の上で結びます。
⑤帯の裏側に帯板を付けて、帯板の部分をウエストに当てます。
帯に付いている紐を後ろでクロスし、前に持ってきて結び、結んだ紐を帯の中に隠してください。
⑥作り帯を背中側の帯の内側に差し込み、それに付いている紐を前に持ってきて結んだら、余った紐を帯の中に隠します。
⑦帯あげを作り帯の下に当てて前に持ってきたら、胸の上の位置で固定します。
固定する際は、わきの下付近の帯の中に帯あげの両端を入れましょう。
⑧帯締めを背中側の帯の中心に当てたら、前に持ってきて結びます。
⑨しごきを三分の一に折って細長い状態にしたら、帯締めの下付近に結び、形を整えます。
このとき、お腹側から背中に向かってしごきを持ってきて、作り帯の左側で蝶々結びをして、形を整えましょう。
七歳の七五三では、三歳のときに比べると化粧もしっかりと行います。
しかし、化粧をあまり濃くしてしまうと派手になりすぎてしまいますし、マナーとしてもよいとはいえないので、程よく施しましょう。
三歳と七歳の七五三!着付けに挑戦しよう
今回は、三歳と七歳の七五三の意味を細かくお話しました。
また、それぞれの七五三の着付けに必要なものと着付け方もお話ししたので、是非挑戦してみてください。
それから、七歳の七五三では被布を着るのはふさわしくないことも覚えておきましょう。
着物を着付けたら化粧もするかと思いますが、その際はあまり濃くしすぎずナチュラルに仕上げてください。