【葬式のマナー】知っておきたい挨拶の仕方や言葉遣い
2020年01月02日葬式や通夜に参列するとき、挨拶の仕方や言葉遣いで困ったことはありませんか?
気落ちしている遺族に対して、どのような言葉をかけたらよいか悩むことも多いでしょう。
できれば、社会人としてマナーがある振る舞いで、遺族の方々に気持ちを伝えたいものですね。
こちらでは、葬式や通夜での挨拶の仕方や気をつけたい言葉遣いを中心に、知っておくべきマナーについてお話ししていきます。
目次
参列者として覚えておきたい葬式や通夜での基本的なマナー
葬式や通夜の場では、宗教や宗派によっていろいろなしきたりやマナーがあります。
そのため、社会人としてまずは基本的なマナーを覚えておくことが大事です。
突然の訃報にも落ち着いて対応できるように、日ごろから葬儀でのマナーや知識を備えておきましょう。
また慌てることのないように、普段から喪服や黒靴などの葬式にふさわしい服装のほか、数珠・香典袋なども用意しておく必要があります。
男性と女性では服装や持ち物に違いがあり、光物は避けるなど、それぞれで気をつけるべき装いがあるので、葬儀にふさわしい装いについて最低限のマナーは調べておきましょう。
通夜では喪服(フォーマルウェア)で参列するのが一般的ですが、とても親しかった方や親戚などの訃報では、できるだけ早く駆けつけることが大切なため、平服でもかまわないとされています。
このような場合はお手伝いをしたり、寄り添ってあげたりすることに重点をおくとよいでしょう。
葬式や通夜で故人の遺族に対面した際には、挨拶をしてお悔やみの言葉を述べます。
このときの挨拶は、遺族に負担をかけないよう手短に行うのがマナーです。
では、実際にどのタイミングで、どのような挨拶をするとよいのでしょうか。
葬式や通夜での遺族への挨拶の仕方とマナー
葬式や通夜では、遺族に挨拶する機会が2回ほどあります。
それは、葬式や通夜の開式前と焼香後です。
中でも焼香後は、出口で遺族の方々が参列者を見送ることが多いため、挨拶がしやすいでしょう。
お悔やみの言葉は、前項でもお話ししたように手短に行います。
遺族を想い、いろいろと言葉をかけてあげたいと思うかもしれませんが、遺族にとって心身ともに辛く大変なときでもあるので、葬式などの場では短めに心を込めて述べましょう。
挨拶の際には、このほかにもマナーとして気をつけたい点がいくつかあります。
明るい声や華やいだ声、大声などは葬式や通夜の場にふさわしくないだけでなく、遺族に対して失礼にあたります。
お悔やみを述べるときは、声のトーンを控えて、静かな落ち着いた口調で丁寧に話しましょう。
このとき、笑顔を見せることもよくないため、表情にも気をつけてください。
また、故人が亡くなった理由などについて聞くことも失礼にあたります。
子どもを亡くされた遺族には、子どもに関する話題は慎む配慮も必要です。
では、お悔やみの言葉として実際にどのような言葉を使うとよいのでしょうか。
マナーある葬式でのお悔やみの言葉
前項では、葬式や通夜での挨拶時のマナーについてお話ししましたが、実際にどのような言葉でお悔やみを述べるとよいのでしょうか。
いざというときに困らないよう、例をいくつかご紹介しましょう。
・「この度はご愁傷様(しゅうしょうさま)です」
・「心よりお悔やみ申しあげます」
・「大変お気の毒でございました」
・「お寂しゅうございますね」
以上のような言葉がよいとされています。
これに対して、葬式や通夜で避けるべき言葉に「忌み言葉」があります。
不幸が重なることを連想させるような「重ね重ね」・「ますます」・「再三」・「くれぐれも」や、不幸が再び来ることを連想させるような「また」・「たびたび」などの重ね言葉は、使わないように注意しましょう。
また、「ご冥福をお祈りいたします」という言葉は聞くことが多いように思いますが、仏式(浄土真宗以外)のみで使われる言葉です。
ほかの宗教では使えない言葉なので注意してください。
また、神式やキリスト教式葬儀では、「供養」や「往生」などの言葉のほかに「成仏してください」などの言葉も忌み言葉とされています。
葬式に参列する際、どのような宗教・宗派か分かるようであれば、事前に調べておくとよいでしょう。
様々な場面での「挨拶のタイミング」と「お悔やみの言葉の伝え方」
訃報を受けた後、葬式までの間に、お悔やみの挨拶を行う場は数回あります。
葬式や通夜などの場は、不慣れなことがあります。
そのため、ぎこちない振る舞いになることも多いでしょう。
慌てることなくマナーある振る舞いができるよう、式典での流れや挨拶のタイミングを前もって知っておけば、気持ち的にも安心です。
お悔やみの言葉を述べる挨拶はどのような場面とタイミングで訪れるのか、順を追って見てみましょう。
●訃報の知らせを受けたとき
訃報は、新聞や知り合いからの連絡など間接的に知ることもありますが、故人の遺族が電話などで連絡をしてくることも多いでしょう。
直接、遺族の方から訃報の連絡を受けたときは、突然のことで言葉に詰まってしまうことも多いかと思います。
そのような場合には、言葉に詰まってしまったり、なんともいえない複雑な心情をぎこちない言葉で伝えてしまったりしても、決してマナー違反にはなりません。
相手の心中を考慮した言葉で、心からお悔やみの気持ちを伝えましょう。
葬儀場での挨拶のタイミングとお悔やみの言葉の伝え方
次に挨拶のタイミングが訪れるのは、葬式や通夜での「受付時」です。
●葬儀場で受付するとき
葬式や通夜では、受付するときに挨拶する機会があります。
受付は、故人に近しい方が行うことが多いでしょう。
ただ、受付には故人と関係のあった方をおかなくてはならないなどの決まりは特にないので、場合によっては葬儀場のスタッフなどが行うこともあります。
しかし一般的には、故人の遺族の親戚や、友人、知人などが引き受けることが多いため、受付人は故人の関係者であると考え、お悔やみの言葉を述べるのがマナーです。
受付の流れは、
・一礼してお悔やみの言葉を述べる
・芳名帳や芳名カードに必要事項を記入する
・香典を渡す
の順で基本的に行われます。
お悔やみの言葉を述べる際は、受付では特に手短に行うよう心掛けましょう。
受付は参列者が必ず通る場所なので、列を作ることも多いです。
スムーズに葬式や通夜が進むよう、ほかの参列者に迷惑にならないように配慮しましょう。
遺族に直接お悔やみの言葉を伝える
「葬式や通夜での遺族への挨拶の仕方とマナー」の項でもお話ししましたが、遺族やその親戚の方々に挨拶をするタイミングは、通夜や葬式の開式前や焼香後に訪れることが多いでしょう。
通夜や葬式では遺族は何かと忙しいものですので、その場の状況や様子をうかがい、負担や迷惑をかけないようタイミングを見計らって話しかけるようにします。
言葉は短めに、心をこめてお悔やみを伝えてください。
遺族へのお悔やみの挨拶は、「手紙」や「お悔やみ状」の形で伝えることもあるでしょう。
どうしても葬式や通夜に参列できないときや、後から訃報を知ったときなどに遺族を想って送るものです。
基本的には、手書きです。
お悔やみの手紙は、便箋のほか、はがきを送ってもマナー上問題はありません。
また、手紙に香典を同封することもよいとされています。
ここで、手紙での文章のポイントをご紹介しますので、弔問や参列できない際の参考にして下さい。
まず、手紙の冒頭にはお悔やみの言葉を綴ります。
拝啓・謹啓などの頭語や、時候の挨拶は書きません。
次に、「やむを得ない事情により・・・」など、弔問に伺えないことへのお詫びを述べます。
最後に、遺族を気遣う言葉や励ましの言葉を書きます。
手紙やお悔やみ状は、訃報の知らせを受けたらすぐに、できるだけ早く送るようにしましょう。
遺族への気遣いを最優先に行動することが大切です。
葬式や通夜では遺族へ配慮したマナーある挨拶を心掛けて
葬式や通夜などの場では、不慣れなため挨拶の仕方や言葉遣いに戸惑うことも多いものです。
故人を偲び遺族を気遣う、マナーある振る舞いをするためには、日ごろから知識を備えて準備しておくことが大事です。
突然の訃報にも慌てることがないよう、社会人として基本的なマナーを身につけておきましょう。