お通夜の時間に関するマナーとは?弔問に遅れそうな場合は?

2020年01月22日

社会人になるとお世話になった大切な方の突然の訃報を知り、忙しいなかでもお通夜に駆けつけたいという場面に出くわすこともあるでしょう。

とはいえ、仕事の都合上、お通夜の時間内の弔問に間に合いそうもないという事態になってしまったら困りますね。

では、お通夜に遅れそうなときの対応はどうしたらいいのでしょうか。

またお通夜の時間や服装に関するマナーについても簡単にご紹介します。

お通夜の開始時間や終了時間は?流れを知っておこう

お通夜に参列し弔問をする場合、どこへ何時に行けばいいのでしょうか。

近年では、自宅ではなくセレモニーホールなどで、お通夜をすることが多くなりました。

もちろん、訃報を受けたときにお通夜の場所と開始時間を確認するのが確実でしょう。

しかし、突然のことで動転してしまい、お通夜の開始時間など聞き逃してしまう場合も考えられますね。

そのため、一般的なお通夜の開始時間や流れを知っておくことは大人のマナーとして役立ちます。

では、一般的なお通夜の流れを見ていきましょう。

ほとんどの場合、お通夜の開始時間は、18時もしくは19時でしょう。

【通夜式開始前】

①遺族・親族集合・・・1時間前

②受付開始・・・30分前

③遺族・親族着席・・・15分前

④弔問客着席(席に余裕がある場合)・・・10分前

【通夜式】

⑤通夜式開始・・・18時もしくは19時

⑥読経開始・・・30~40分

⑦焼香開始・・・読経開始の15分後

⑧読経終了・・・開始から40分後

⑨僧侶法話・・・10分

⑩喪主挨拶・・・10分

⑪通夜式終了・・・1時間後

【通夜ぶるまい】

⑫通夜式終了後、1時間程、通夜ぶるまいをします。

以上、お通夜の開始前から終了後の流れをご紹介しました。

弔問客としてお通夜に行く場合、通夜式開始15分前くらいには到着するのがマナーです。

ほとんど場合、開始時間は18時もしくは19時なのでその時間に都合をつけて弔問しましょう。

18時なのか19時なのか確認する際は、セレモニーホールなどに電話をしてスタッフに聞くという手もあります。

お通夜の開始時間に遅れてもマナー違反ではない?

弔問客としてお通夜に参列する場合、平日であれば多くの方は仕事の後に行くことになるでしょう。

しかし、仕事の都合上、残業になったり通勤トラブルに見舞われたりと、予定通りに進まない場合もあるかもしれません。

お通夜に参列したいけれど、開始時刻にはどうしても間に合わなそう、という事態に出くわしてしまったらどうしたらいいのでしょうか。

お通夜では、開始時刻に遅刻してもマナー違反ではありません。

そのため、お焼香が終わるくらいまでに間に合うのであれば問題ありません。

気をつけなければならないのが、通夜式の最中に遺族や親族に遅れるという連絡を入れてしまうことです。

大切な通夜式を、邪魔してしまうことになりかねませんから、どうしても遅れる連絡をするのであれば、セレモニーホールなどの会場に電話し、スタッフにお伝えするようにしましょう。

また、20時くらいまでであれば、通夜ぶるまいをしている場合が多く、弔問を受け付けていますので、時間の目安にしてください。

お通夜の受付に間に合わず香典が渡せなかったら?

やむを得ない事情で、お通夜の開始時間までに到着できなかった場合、香典を渡せないこともあります。

それは、通夜式の開始時間前の受付が終了している場合があるからです。

受付が終わっていたら、香典はお渡しできません。

なお、セレモニーホールなどのスタッフや関係者に香典を預けるといった行為は、トラブルにつながる可能性がありますから避けるのがマナーです。

お通夜に駆けつけたものの、香典をお渡しできないとなると、告別式でお渡しすることになります。

しかし、告別式に参列できないため、お通夜に参列するという方が多いでしょう。

告別式にどうしても都合がつかないのであれば、後日喪主のご自宅にお伺いします。

また、郵送でもかまいませんので、その際は不祝儀袋に香典を入れて、現金書留で送ります。

その際、お悔みの気持ちをつづった手紙を同封しましょう。

案内された通夜ぶるまいは短時間でも同席を

お通夜開始時間には遅れたものの、その後、お焼香を済ませたあと遺族や親族から、通夜ぶるまいに案内されることがあります。

通夜ぶるまいとは、お通夜のあとに弔問客を別室に案内して、故人との最後の食事を共にすることです。

その通夜ぶるまいに案内されたら、時間が許すのであれば短時間でも座って箸をつけるようにしましょう。

通夜ぶるまいでの食事は「お斎(おとき)」と呼びます。

お斎は、仏事でとる食事のことです。

宴会ではなく、故人を偲び感謝を語り合う場ですから、節度を持ち、しめやかに過ごしましょう。

なお、通夜ぶるまいでは注意しなければならないことがあります。

●故人の死因

故人の死因については、遺族が語りたくない場合もあります。

そのため、死因については触れないようにしましょう。

●騒ぐ

大きな声で騒いだり、笑ったり、はしゃいだりするのはマナー違反です。

●仕事関係

仕事の話をしたり、仕事の関係者と名刺交換したりするのは、場にふさわしい行動ではありません。

●長居

いくら時間があるからと長居をするのはマナー違反です。

以上の点に気をつけて通夜ぶるまいで故人を偲びましょう。

なお、地域によっては通夜ぶるまいが無い地域もあります。

喪服じゃないとダメ?お通夜の服装マナーが知りたい!

突然の訃報でお通夜に駆けつけるとなった場合、すぐに喪服を出せるのであれば問題ありませんが、時間的に喪服を用意するのが難しい場合もあるでしょう。

お通夜の場合は喪服で参列しなくてもマナー違反ではありません。

つまり、お通夜では、地味な平服であれば問題ないでしょう。

しかし、地味な平服といわれてもなかなかピンとこない方もいらっしゃるでしょう。

平服とは、堅苦しくなく、かしこまった場で着用できる服装のことです。

【男性】

・黒、濃紺などのダークスーツ(ビジネススーツでも可)
・白のワイシャツ
・地味なネクタイ
・黒の靴下
・黒革の紐靴

【女性】

・黒や濃紺、グレーなど、暗めで無地のワンピースかセットアップスーツ
・スーツから見えるインナーも黒
・黒のストッキング
・アクセサリーは真珠
・黒の布製のバッグ
・黒のパンプス

以上が平服の目安ですが、喪服よりは堅苦しくないものの、カジュアルな印象はありません。

すぐ駆けつけたいと着の身着のまま、ジーンズなどで弔問するのはマナー違反です。

喪服が用意できない場合は「地味な平服」でお通夜に参列しましょう。

香典の目安を知っておくのは大人のマナー?

最後に、香典の金額についてお話しします。

突然の訃報でお通夜に行く寸前に、あわてて香典を用意することになる場合がほとんどでしょう。

しかし、突然のことですから、香典の相場がいくらなのかと調べる時間もありません。

そのため、香典金額の目安をある程度知っておくのは大人のマナーでしょう。

●親(配偶者の親)

50,000~100,000円

●祖父母(配偶者の祖父母)

10,000~30,000円

●兄弟(配偶者の兄弟)

30,000~50,000円

●近い親戚

10,000~30,000円

●遠い親戚

5,000~10,000円

●上司

5,000~10,000円

●上司の家族

5,000円

●同僚・部下

5,000円

●同僚・部下の家族

3,000~5,000円

●元上司

5,000円

●知人・友人

3,000~10,000円

●知人・友人の親

3,000~5,000円

●近所

3,000~5,000円

なお、香典は偶数の数字を避ける、新札を使わないといったことにも注意します。

また、不祝儀袋に入れる際、お札の向きをそろえ、肖像画が下かつ裏面にすることがマナーです。

知っておくといざというときに役立ちますよ。

お通夜で遅刻してもマナー違反ではない

社会人になると突然の訃報でお通夜に駆けつける機会が出てくるでしょう。

お通夜は、通夜式の開始時間に遅れたとしてもマナー違反ではありません。

遺族や親族は、忙しいのに駆けつけてくれたと感謝してくれるでしょう。

そして、故人を偲ぶ、お通夜や通夜ぶるまいでの服装や態度は、大人のマナーとして意識することが大切です。