覚えて損はない!洋食レストランでのコース料理のマナーは?

2019年11月23日

結婚式や取引先との会食、気になる異性とのデートなど、格式高い食事に選ばれることが多いのが洋食レストランのコース料理です。

日本食とは異なる作法やテーブルマナーがあり、「正しいマナーを覚えているか不安」という方も多いのではないでしょうか。

西洋式のマナーをスマートにこなせば、一緒に食事をする方に好印象を持ってもらえること間違いなしです。

今回はそんな洋食のコース料理のマナーをご紹介します。

洋食のコース料理とはどんなもの?

コース料理とは、フランス料理やイタリア料理といった洋食で、決まった順番で出される料理のことをいいます。

レストランやコースの種類にもよりますが、7種類のコースから最高クラスのコースだと11種類もの料理が提供されます。

この一連の料理をフルコースと呼び、フルコースでは予め食器やカトラリーがテーブルに並べられています。

そして、どの料理でどのカトラリーを使うのかは、すべて決まっています。

使用するカトラリーが最初から並べられているというのは、一般的に格式の高いレストランでの食事に用いられている傾向にあります。

並べられたカトラリーを正しく使用するためにも、テーブルマナーや礼儀作法を知っておく必要があります。

その他にも「テーブルマナーを間違えていないか不安」と思う方も多いかと思いますが、せっかくの料理ですから、テーブルマナーや作法を覚えて美味しくいただきましょう。

今回は洋食のコース料理を安心して楽しむために、入店時の作法やテーブルマナーなど、コース料理の基本をお伝えします。

入店時から始まっている!洋食レストランでのマナー

コース料理が楽しめるような洋食レストランは、入店時から気を付けるべきマナーがあります。

ここでは、入店時から着席するまでのマナーをお伝えします。

●入店時

コートなどの上着は、入店前に脱いで手に持っておきます。

女性や目上の方と一緒に入店する場合、男性はエスコートするのが西洋の基本マナーです。

女性は男性にドアを開けてもらい、先に入店します。

男性は後ろをついていき、ウェイターが来たら予約した名前などを告げます。

●着席する時

席に付く際に気を付けるべきは、「上座がどこの席か?」です。

基本的には出入口から一番遠い席が上座ですが、レストランによっては分かりにくい場合もあります。

そのような場合、ウェイターや支配人などが最初にイスを引いた席が上座になります。

女性がいる場合は、上座には女性が座るのが西洋マナーですので、遠慮せずに着席しましょう。

女性より先に男性が着席するのはマナー違反なので気を付けましょう。

●着席の仕方

着席する時は席の左側から座ります。

バッグは左側の足元に置き、大きい鞄を持っている場合はクロークへ預けましょう。

バッグを右に置いてしまうと、右隣の方が席を立つ時に邪魔になります。

また、席を立つ時も左から立つようにしましょう。

洋食コース料理でのナイフ・フォークの正しい使い方

続いて洋食フルコースの基本であるカトラリーの使い方をご紹介します。

カトラリーとは、ナイフやフォーク・スプーンの総称で種類もいろいろなものがあり、それぞれ使う料理に応じて用意されています。

カトラリーの使い方は難しそうに思えますが、使い方のマナーは簡単です。

ナイフとフォークは人差し指を添えて持ちます。

肩の力を抜いて、肘をはらずにリラックスした姿勢で持つようにすると良いでしょう。

①使う順番

右手側にナイフ、左手側にフォーク、デザート用のスプーンが上側にセッティングされています。

ナイフとフォークは料理が出されるたびに外側から使っていきます。

カトラリーはその都度食器とともに下げられるので、次の料理が来るたびに次のカトラリーを使います。

もし間違えてしまっても、ウェイターに頼めば新しいものを持ってきてもらえるので、落ち着いて頼みましょう。

②置き方

食事の途中でナイフやフォークを置く場合は、ナイフは刃を内向きに、フォークは先を下向きにしてお皿の上にハの字のようになるように置きます。

料理を食べ終えたら、ナイフは刃を内向きに、フォークは先端を下向きにして、どちらもお皿の右端に置きます。

右端に置く時は、ナイフは外側に置き、フォークは手前に置きましょう。

見た目が大事!ナプキンの正しいマナー

お皿の上に綺麗に置かれているナプキンですが、正しい使い方のマナーがあるのを知っていますか?

洋食のコース料理では、カトラリーのマナーと同様に基本中の基本のマナーです。

しっかりと覚えて実践しましょう。

①膝に置くタイミング

「いつ膝に置けばいいのだろう」と迷ってしまうタイミングですが、最初の料理が運ばれてきたタイミングで膝に置きましょう。

二つ折りにして、折り目が自分の方に来るように膝の上に乗せます。

また、ナプキンが用意されているのに自分のハンカチを膝に置くのはマナー違反です。

「このナプキンは汚れていて使えない」という意味になってしまい、レストランに対して失礼になってしまいます。

②使う場所

指や口元が汚れた時にナプキンでサッと拭う場合、折り畳んだ内側の面で拭くようにしましょう。

服が汚れることもありませんし、汚れた面が人に見えないので見た目が綺麗です。

③中座する場合

食事の途中で席を外す時は、軽く折り畳んでイスの上に置くか、背もたれに掛けておきます。

これは、ウェイターに「戻ってくる」というサインにもなります。

ただし、基本的に途中で席を立つのはマナー違反なので、やむを得ない場合のマナーとして覚えておきましょう。

④食事が終わった後はテーブルの上に置く

食事が終わり、帰る時にはテーブルの左側に置きます。

綺麗に畳んでしまいたくなりますが、洋食のマナーではそのままおくのが礼儀です。

「ナプキンを畳み忘れるくらい、美味しい料理だった」という意味になり、レストランへの敬意となるためです。

洋食コース料理の正しい食べ方

続いて、コース料理の食べ方を料理が出てくる順番に説明します。

洋食コース料理の出る順番は決まっており、その流れに沿って覚えると分かりやすいです。

①アミューズ

アミューズとは、和食でいう突きだしのことで、お店からのおもてなしの意味のある料理です。

アミューズがなくいきなりオードブルの場合もあります。

一口大のものがほとんどなので、カトラリーがない場合も多く、そのまま手で食べても問題ありません。

②前菜

複数の少量の料理が美しく盛り付けられていることが多いです。

料理の大きさによっては、一口大に切ったり畳んだりして口に運びます。

できるだけ崩さずに食べると、より上品に見えます。

③パン

パンを食べるタイミングに決まりなどはありません。

食べる際は一口大に手でちぎって、一口ずつ口に運びましょう。

ナイフで切ったり、最初からすべて細かくちぎったりするのはマナー違反です。

バターを付ける際もパンを一口大にちぎってから付けましょう。

④スープ

スープは、手前から奥にスプーンですくいます。

左手をスープ皿に軽く添え、前屈みにならないよう背筋を伸ばすと綺麗な姿勢になります。

口に入れる時に音をたてるのはマナー違反です。

スープは吸うのではなく、流し込むようにすると良いでしょう。

⑤魚料理

左側からナイフで一口大に切って食べていきます。

ナイフではなく「フィッシュスプーン」と呼ばれる魚料理用のスプーンが用意されている場合もあります。

フィッシュスプーンは、魚料理とソースを一緒に楽しむためのスプーンで、右手に持ちます。

左手のフォークで魚を抑えながら、フィッシュスプーンで一口大に切り、ソースをすくって一緒に食べます。

使い方はナイフのようですが、持ち方はスプーンのように持つので注意しましょう。

⑥肉料理

ナイフを斜めに入れながら、筋に沿って一口大に切って食べます。

最初に全て切り分けるのはマナー違反です。

また、付け合わせの野菜なども、お肉と残りが同じくらいになるようバランスを見ながら食べましょう。

⑦デザート

向かって上側に用意されているスプーンやフォークを使って食べます。

見た目も華やかに盛り付けされているので、できるだけ汚くならないように食べていきます。

特に順番などはありませんが、アイスクリームなどの溶けやすいデザートは、お皿を汚さないためにも先に食べると良いでしょう。

⑤コーヒー

紅茶と選べる場合もありますが、コーヒーの場合が多いです。

ソーサーを持つのはマナー違反なので注意しましょう。

プチフールと呼ばれる小菓子が付くこともあります。

これはフォークなどを使わず手で食べても問題ありません。

意外と知らない?やりがちなマナー違反

カトラリーの使い方や洋食のコース料理の食べ方をご説明しましたが、他にも注意すべきマナーがあります。

全てを完璧に覚えるのは大変ですが、一緒に食事をするパートナーや目上の方に恥ずかしい思いをさせないよう、最低限のマナーを覚えましょう。

●落としたカトラリーは自分で拾わない

うっかりフォークやナイフを落としてしまっても、自分で拾わないようにしましょう。

ウェイターに頼んで新しいものを持ってきてもらいます。

この時、手を上げたり「すみません」と声を掛けたりするのではなく、目線のアイコンタクトで呼ぶとよりスマートです。

ウェイターは常にテーブルに気を配っているので、すぐに気付いてもらえます。

●カトラリーを持ったまま話したり飲んだりしない

基本的にカトラリーを持ったまま他の行為をするのはマナー違反なので、カトラリーを持ったままグラスを持つのはやめましょう。

また、ナプキンで口を拭う時やお話しをする時なども、カトラリーを持ったまましないよう気をつけましょう。

特に、話しながらカトラリーを持っていると、ナイフの先が相手に向いてしまうこともあるのでやめましょう。

●食器など音を立てない

カトラリーをお皿にぶつけてカチャカチャと音を立てるのも、注意したいマナーです。

食器の音に限らず、西洋では食事中に音を立てるのはマナー違反になります。

スープを啜る音や咀嚼音なども注意しましょう。

洋食コース料理のマナーを覚えてスマートに食事を楽しもう!

洋食レストランでのマナーをご紹介しました。

西洋のマナーは慣れないものもあるので、初めは戸惑うかもしれません。

しかし、レディファーストのエスコートやテーブルマナーは、覚えておけば今後必ず役に立ちます。

女性もエスコートされるのに慣れていないと遠慮してしまいがちですが、あまり遠慮しすぎると逆に男性に失礼になることを覚えておきましょう。

しっかりと正しいマナーを身に付けて、美味しいコース料理を楽しみましょう。