串から外す?外さない?焼き鳥の食べ方にマナーはあるのか?

2020年01月29日

「焼き鳥はそのままかぶりつくのがマナーとして正解だ」という意見や「串のまま最後まで食べるのは難しい」という意見、「いつも最初から外して食べている」という意見など、食べ方にはそれぞれのスタイルが見られます。

ここでは、焼き鳥の食べ方にマナーはあるのかを検証し、マナーに沿った食べ方についてもご紹介していきます。

「焼き鳥くらい好きに食べたい」という方も、マナーとして適した食べ方を確認してみましょう。

食べ方のマナーを考えるなら?焼き鳥の歴史を知ろう

焼き鳥といえば高架下や大きな赤ちょうちんを思い浮かべる方が多いと思いますが、焼き鳥は日本食のひとつで、誰もが気軽に食べられる料理です。

その大衆性から、食べ方のマナーなどはあまり考えたことがない方が多いかもしれません。

店主の威勢の良い掛け声と活気ある店内、炭火から香るニオイがたまらないと感じる方も多いでしょう。

焼き鳥は、基本的に串に小さく切った鶏肉などを刺し、炭火で焼くスタイルで、味付けはタレか塩です。

甘辛い味が魅力のタレ、素材の味をそのまま感じられる塩、どちらも鳥の旨味を十分味わうことのできる味付けです。

そんな焼き鳥ですが、焼き鳥が日本食として定着したのは、鳥のブロイラーが登場してからと言われています。

短期間で安価に沢山の鶏肉が生産できるため、鳥が主な料理である焼き鳥にマッチしたのでしょう。

鳥のブロイラーが定着してきた昭和30年代くらいから、焼き鳥の大衆化が始まりました。

焼き鳥と言えば、昔なら会社帰りのサラリーマンのイメージがありました。

近年では、価格よりも味を求める客の志向も手伝って、地鶏で勝負する焼き鳥屋など、色々なタイプの焼き鳥屋を選べるようになっています。

焼き鳥の食べ方にマナーってあるの?

古くから伝統ある料理には、食べ方のマナーがあります。

フランス料理や和食を思い浮かべても、食べ方にマナーがあることはよくご存知かと思います。

それでは焼き鳥の場合はどうでしょう?

冒頭にお話ししたように、焼き鳥にはさまざまな食べ方があり、特に決まったマナーはないと言っても良いかもしれません。

店主だけでなく、お客同士でも食べ方に異論があることが多いため、今では皆が好きなように食べるということが慣例化しているのでしょう。

ただ、料理で出されたものはその状態のままいただく、というのがマナーとして正しいとも考えられます。

そのため、基本的には串にささったまま食べる、というのがマナーとして適していると言えるでしょう。

串を刺す作業は、店の方がひとつひとつ丁寧に行ったものです。

味付けにしても焼き加減にしても、串に通すことによって焼き鳥が完成しています。

店主の気持ちを考えれば、串にささった焼き鳥はそのまま食べることがマナーだと言えそうです。

次項では、マナーを考えた焼き鳥の食べ方をご紹介します。

マナーを考えた焼き鳥の食べ方!まずは串のまま食べる

焼き鳥の食べ方に特に決まったマナーはないようですが、店主の気持ちを考えればどのように食べるのがマナーとして適しているのか分かるかもしれません。

こちらでは、マナーを考えた焼き鳥の食べ方をご紹介します。

◯基本的には、串のまま食べる

焼き鳥は、串のまま食べるのが一番美味しいとも言われています。

また、店主が心を込めて刺した串を最初から外して食べるのは、マナーとして反しているとも言えるでしょう。

そのため、焼き鳥で1口か2口くらいまでは串のまま食べることをおすすめします。

◯串が刺さりそうな場合は、横から食べる

串に刺したままの焼き鳥は、真ん中くらいまでは何とか食べられるかもしれませんが、その後は串が喉に刺さりそうで怖いですよね。

そういう状態になったら、今度は横から食べるようにしてみましょう。

そうすれば、串が喉に刺さるような危険はなくなり、最後まで串で食べることができます。

串を最後まで活用しており、見た目にも問題ない食べ方なのではないでしょうか。

串のまま最後まで食べるのは難しい!?マナーとしてどう食べる?

焼き鳥は最初の2口くらいまではそのまま食べられても、最後まで同じスタイルで食べ続けることは難しいですよね。

このとき串のまま横にして食べる方法をご紹介しましたが、串から外して食べたい方がいるかもしれません。

横から食べる場合は、注意しないと途中でポロッと焼き鳥の欠片が落ちる心配もあり、その場合マナーとしても美しくない食べ方となるでしょう。

また、一緒に行く相手によって食べ方を変えたい場合もありますよね。

そのような方は、次のような食べ方がおすすめです。

◯焼き鳥を箸で押さえ、串を回して外す

焼き鳥を箸で押さえ、串をくるくる回すことによって外します。

このとき、串はお皿に固定しておくと、安定して外しやすくなるでしょう。

串を回さずに箸だけで焼き鳥を外そうとする方がいますが、変に力が入り、どこかに焼き鳥が飛んでいってしまう可能性があります。

焼き鳥を串から外す際は、十分に注意してください。

焼き鳥を食べる順番!マナーに沿った食べ方とは?

焼き鳥を食べるのに細かいマナーは必要ありませんが、食べ進めるうえでおすすめの食べ方があります。

◯薄い味から濃い味にシフトする

薄い味から食べ始めて、だんだん濃い味にシフトしていく食べ方です。

最初に濃い味の焼き鳥を食べると、薄い味の焼き鳥の良さを打ち消してしまう場合があります。

薄い味つけの繊細さを、濃い味で感じられなくなってしまうのはもったいないですよね。

◯追加の調味料は後でする

焼き上がった焼き鳥は、店主がちょうど良い味加減にしたこだわりのものです。

それを一口も食べずにいきなり調味料をかけるのはマナーとしては適していないでしょう。

もしかすると味覚が少し鈍感になっているとも言えるかもしれません。

まずは一口食べてみて、それから調味料を足すことがマナーに沿った態度と言えるでしょう。

◯串は串入れに入れる

食べ終わったあとの串は、串入れの中に入れましょう。

串入れに入れずに、お皿に乗せたままなのはマナーに反しますので気をつけてください。

焼き鳥の代表的なメニューをご紹介

焼き鳥の食べ方のマナーはご紹介してきましたので、こちらでは焼き鳥の代表的なメニューをお伝えします。

名前は知っていても部位を知らない場合もありますので、確認してみましょう。

◯ハツ

ハツは、鳥の心臓の部分です。

強い歯ごたえが特徴です。

◯せせり

せせりは、鳥の首の部分です。

歩くたびによく動く部分なため、歯ごたえがあり、噛むほどに旨味が感じられます。

◯砂肝

砂肝は、鳥の胃の一部分です。

こちらも歯ごたえがあり、砂肝独特のシャリシャリ感があります。

塩で食べると良いでしょう。

◯皮

皮は、鳥の皮の部分です。

皮の脂ともちもちした食感が特徴です。

◯軟骨

軟骨は、鳥の胸骨の部分です。

軟骨のコリコリとした食感が良く、付随した肉も楽しめます。

◯レバー

レバーは、鳥の肝臓の部分です。

ねっとりとした独特の食感が特徴で、濃厚な味わいを楽しめます。

甘辛いタレで食べることがおすすめです。

◯ふりそで

ふりそでは、鳥の肩の部分です。

手羽元と胸肉の中間部分にあり、希少部位として知られています。

肉汁があり旨味を味わえます。

◯ぼんじり

ぼんじりとは、鳥のお尻の部分です。

たっぷりとのった脂が特徴で、プリプリとした食感を楽しめます。

焼き鳥の食べ方のマナー!食べ始めは串のまま食べよう

焼き鳥の食べ方は人それぞれですが、店主の思いや焼き鳥としての完成度を考えた場合、食べ始めは串のまま食べるのがマナーとして適しているでしょう。

串で食べ切るのならば途中から串を横にして食べ、外すのであれば焼き鳥を箸で固定し、串を回して食べるようにしてください。

調味料を使いたい場合は一口食べてからにし、薄い味つけから濃い味つけに食べ進めるのがおすすめです。

また、食べ終わった串は、串入れに入れるようにしましょう。