フレンチ料理のスープにもマナーが!どんな点に注意する?
2020年01月08日フレンチのコース料理ともなれば、普段あまり食べ慣れていない方からすると格式高いものかもしれません。
1品1品食べるのにも、緊張してしまう方もいるでしょう。
フレンチ料理をいただく際は、マナーには注意しなければいけません。
今回はその中でも、スープについてお話をしていきます。
スープ1つでも注意すべきマナーはたくさん挙げられますから、マナー良く食べられるよう押さえておきましょう。
目次
フレンチではスープにもマナーが!
フレンチのコース料理では、最初にオードブル(前菜)が出てきます。
その前菜の次に運ばれてくるのが、今回の話のメインである「スープ」です。
スープの後にはポワソン(魚料理)やヴィヤンド(肉料理)といったメイン料理が待っていますから、それほどスープに意識は向けていない方が多いかもしれません。
また、魚や肉などのメイン料理では、ナイフとフォークを使って食事をするため、箸文化の日本人は普段食べ慣れていないことからどうしてもこちらに意識が向きがちです。
一方、スプーンは日頃から使い慣れしていることもあり、やはりあまり食べ方に注意する方は少ないかと思います。
とはいえ、フレンチでスープを食べる際にも注意が必要です。
どのような食べ方をするかで、「マナー違反」とされてしまうこともあります。
フレンチのコース料理を最後まで堪能できるよう、ここでスープのマナーについて確認しておきましょう。
フレンチのスープはスプーンで!持ち方などをチェック
それではここから、フレンチのスープの食べ方マナーについてお話をしていきます。
まずはスープを食べるのに欠かせない、スプーンの持ち方からです。
基本的には、スプーンは右手で持ちます。
フレンチのコース料理の場合は、中央の皿の右側にスプーンが置いてあります。
ナイフやフォーク、スプーンなどのカトラリーは、料理の順番どおりに並んでいるので、外側から2番目にスプーンも置かれていることでしょう。
スプーンの持ち方は、柄の半ばの少し上あたりを、親指、人差し指、中指の3本で支えるようにして軽く持ちましょう。
持ち方と同時に注意したいのが、姿勢です。
スープを飲むときは前かがみになりやすいですが、マナーとしては美しくない姿勢です。
自分からスープに顔を近づけることはせず、スプーンを口元に近づけるように意識して食べるようにしましょう。
食べ終わったら、スプーンはスープ皿の上に上向きで置きます。
このとき、自分に対して平行にして置くことがポイントです。
音を立てるのは絶対NG!スープはどのようにして食べるの?
スプーンの持ち方などを確認したところで、ここではフレンチのスープの食べ方についてお話をしていきましょう。
まず、必ずと言っていいほど押さえておくべきマナーが、「音を立てないこと」です。
特に、スープを吸って「ズズーッ」と音を立てて食べるのは、非常に下品な行為とされています。
食事のマナーの基本は「一緒に食事する相手に不快な思いをさせないこと」です。
食事中に食器をカチカチ鳴らしていたり、上記のような咀嚼音を鳴らしていたりする人との食事は、おそらく大半の人が不快な気持ちになるでしょう。
それがフレンチのコース料理を食べている最中ともなれば、なおさら嫌な気持ちになりますよね。
そのため、音を鳴らして食事をするのは絶対に行わないようにしましょう。
そうなると、どのようにすれば音を立てずにスープを食べられるのか、と疑問に思う方もいるでしょう。
スープの食べ方のポイントは、スープをすくったスプーンを下唇に当てることです。
そこから、スプーンを傾け、口の中に流し込むようにすればOKです。
吸わないので、「ズズーッ」と音が鳴る心配もないでしょう。
スープをすくうのは手前から?それとも奥から?
もう少し、フレンチのスープの食べ方についてお話をしていきます。
スープはスプーンですくって口に入れるわけですが、このすくい方もポイントです。
一般的なすくい方は2種類あり、フレンチの場合は「奥から手前にすくう」のが主流です。
日本では英国式といわれる「手前から奥にすくう」ほうが多いようですから、フレンチ料理の場合は注意しておくと良いかもしれません。
また、スープをすくう量もポイントといえます。
なみなみとすくってしまうと、こぼしたり汚したりする恐れがありますから、だいだい7~8分目を目安にすくうと良いでしょう。
スープの量が少なくなってきたら、左手で皿の手前を少し持ち上げます。
奥側にスープが集まるので、スプーンですくい食べましょう。
注意すべきことといえば、残り少ないスプーンをかき集めることは避けましょう。
この行為自体がマナー違反とされていますので、皿を少し持ち上げてもすくえなくなってきたら、そこでスープは終了です。
スープの皿によってはテーブルマナーが違う?
スープの皿にもいくつか種類があり、どういうものかによってはテーブルマナーも違ってきます。
【取手つきのスープ皿】
左手を取手に添えて、スプーンでスープをすくいます。
フレンチの場合はお伝えしたとおり、奥から手前にすくいましょう。
スープの量が少なくなってきたら、取手に指を添え、スープ皿を傾けてすくいます。
【取手つきのスープカップ】
コース料理ではめったに出てくることがありませんが、チェックしておきましょう。
基本的な食べ方は先ほどと同様ですが、カップタイプであれば、残り少なくなってきたら取手を持ち、直接カップに口をつけて飲んでも大丈夫です。
【パイ皮つきのポット状のスープ】
メニューによっては、ポット上のスープにパイ皮がついたものが出てくることがあります。
容器は熱いことが多いので、火傷しないように気を付けながら食べます。
持ち手を左手で持ち、スプーンを立ててコンコンとつつきます。
パイの中央をくずして穴をあけましょう。
ナイフとフォークがついている場合は、最初に切り込みを入れてから切り開くと良いでしょう。
少しずつ穴の周りをくずすようにして、パイをスープの中に落とします。
パイがスープとなじんだら食べましょう。
このとき、無理にパイ皮をすべてこそげ落とさなくてもOKです。
むしろ、可能な範囲で食べるのがマナーともいえますので、できる範囲のところで止め、丁寧に食べましょう。
日頃やっていることがフレンチではマナー違反に!
日頃から行っていることが、フレンチではマナー違反な行為とされることがあります。
例えば、料理が熱いとき「フーフー」と息を吹きかけて冷ますことがありますよね。
これもフレンチではマナー違反とされています。
スープは温かいうちに食べるのが基本ですが、息を吹きかけるのはNGですので、すくう量を調節し、一口の量を減らすと良いかもしれません。
加えて、スープ皿の場合は、持ち上げて食べてはいけません。
取手がついていても、ついていなくても、持ち上げて食べるのはマナー違反な行為ですので控えてくださいね。
また、パンをスープに浸して食べることもありますが、これも注意が必要です。
スープは1品で完成された料理です。
いくら美味しいからといって、スプーンですくいきれなかったスープをパンにつけて食べるのはNGな行為ですのでご注意ください。
スープもマナー良く食べよう!
フレンチのテーブルマナーは、ついナイフやフォークを使う魚や肉料理に目がいきがちですが、スープにも注意が必要です。
意外と注意すべきマナーはたくさん挙げられ、日頃から行う「フーフー」と息をかけて冷ます行為もNGです。
また、スプーンの使い方にも注意すべきことがたくさんあるので、この記事などを参考に、スープもマナー良くいただきましょう。