意外と知らない!うな重の食べ方にはマナーがある!

2020年01月20日

うな重は「土用の丑の日」に食べることが多いですよね。

昨今、うな重は高級なイメージが強く、頻繁に食べる料理ではなくなってきました。

うな重を提供しているお店も高級店が多く、そこでうな重を食べるとなれば、最低限のマナーを必要とするでしょう。

そこで今回は、うな重の食べ方のマナーについて詳しくお話ししていきます。

また、うな重とよく似ている「うな丼」との違いなどについても、一緒にご紹介していきます。

うな重とうな丼の違いはどんな点?

昨今、うな重は頻繁に食べる料理ではなくなり、土用の丑の日やお祝いの席など、特別な日に食べる機会が多い料理になってきました。

特別な日に食べるからこそ、マナーを守り正しい食べ方をすることが大事ですよね。

まずは、うな重とうな丼の違いについて見ていきましょう。

一見すると、うな重もうな丼も、食材がご飯とうなぎの組み合わせであることに違いありません。

その違いは、ご飯とうなぎが入っている「器」です。

元々うな丼は、江戸時代に熱いご飯が入った丼の上にうなぎを置いていたら、いつの間にか蒸されていたことが始まりだと言われています。

陶器の鉢にご飯を入れ、その上に蒸したうなぎを乗せたものをうな丼と呼ぶようになったのです。

一方うな重は、入れ物が鉢ではなく重箱になっています。

重箱はお正月のおせち料理を入れる際にも使われる、高級な器を意味します。

これにならうと、うな丼よりも高級なイメージにしたものがうな重となり、家庭で食べるような一般的なイメージのものがうな丼と言えるでしょう。

扱う食材も味も一緒なのに、器によって呼び方やイメージが変わってくるのです。

うな重の正しい食べ方!重箱の蓋を開けるときのマナー

うな重を提供しているお店に行くと、うな重にランクがあることが分かります。

「松・竹・梅」で分けたり、「上・特上」といったようにランクを分けることもあります。

ランクが良くなると入っているうなぎの質や量が変わることがあるため、味のほか値段も高くなるでしょう。

また、お店によってはうな重とうな丼でうなぎの質を分けているところもあります。

その分、うな丼の値段はうな重よりも安く設定されるのが多いことを覚えておきましょう。

そして、どのランクのうな重でも、食べ方のマナーは一緒です。

まずは、重箱の「蓋」の正しい開け方からご説明していきましょう。

うな重を注文すると、「うな重・お吸い物・漬物」の3点が出されることが一般的です。

まずは重箱の蓋を開け、次にお吸い物の蓋を開けていきますが、左に置かれたものは蓋を左に置き、右に置かれたものは蓋を右に置くのがマナーです。

もしうな重が左側にあれば、水滴をこぼさないように裏返し、そのまま左側に置きます。

お吸い物が右側にあれば、裏返した状態のまま右側に置いてください。

和食器に使う器は漆喰が多く、絵柄も1つ1つ手描きで描かれていることから、非常に剥がれやすく傷つきやすいです。

そのため、優しく丁寧に扱ってください。

うな重を食べる前に!お吸い物の食べ方にもマナーがある

うな重の食べ方のマナーでは、重箱の蓋とお吸い物の蓋をそれぞれ決められた位置へ置くことから始めます。

それでは、最初にお吸い物からいただきましょう。

お腹がすいた状態では一口目にうな重に手が伸びてしまいそうですが、お吸い物が温かいうちにいただき、口の中を潤します。

ここでお椀の正しい扱い方をご紹介していきましょう。

まず、お椀は片手ではなく両手で持ち上げます。

この時、左手でお椀の底を支え、右手はお椀の右側を支えるようなイメージです。

左手の親指は、お椀の縁を持つとさらに安定するでしょう。

次に、右手をお椀から離し、箸を正しく持ちます。

お吸い物の具は箸で持ち上げて食べ、汁を飲む時は静かに音を立てないように気をつけます。

具を口に入れた状態で同時に汁を飲むのはマナー違反となるので、注意してください。

お椀を置く時は、箸を先に置いてから両手でお椀を持ちつつ、静かに置きましょう。

うな重はどこから食べ始めるのが正しい食べ方なの?

最初にお吸い物で喉を潤わせたら、次にうな重を食べていきましょう。

食べ始める場所は、重箱の「左下」からです。

うなぎとご飯がセットになるように箸でつまみ、それぞれ同じようなペースになるよう食べ進めていきます。

もし、右下から食べ始めたとすると、食べ進めるにつれてだんだんとご飯が崩れてしまい、美しく見えません。

きれいに食べるには「左から右に向かって」食べることを意識しましょう。

なお、これは右利きの方の食べ方なので、左利きの方は逆となる「右下」から左に向かって食べ進めてくださいね。

そして、重箱の中の半分までうな重を食べたら、器を180度回転させることをおすすめします。

回転させたらまた左下から食べ進められるので、きれいに完食できるでしょう。

うな重などの和食の食べ方のマナーでは、とにかくきれいに食べることが重要です。

重箱に口をつけて、かきこむように食べるのはマナー違反となるため、絶対に止めてください。

うな重は重箱を持ち上げて食べても良いの?食べ終わったらどうする?

うな重が残り少なくなってくると、ご飯を箸で持ち上げにくく、少し食べづらく感じる人もいるでしょう。

その時は、重箱を持ち上げて少し斜めになるような食べ方でも、マナー的には問題ありません。

基本的にうな重は、置いた状態で食べても、手で持ち上げて食べてもどちらでも大丈夫なのです。

重箱を置いたまま食べる場合は、左手を少し添えながら食べると良い印象に変わります。

そして、うな重を食べ終えた場合のマナーを見ていきましょう。

食べ終わったら、重箱を元の状態に戻すことがマナーです。

裏返して置いてあった蓋を優しく手に取り、最初と同じように重箱に被せます。

よく、食べ終わりを知らせるサインとして、蓋を裏返したまま重箱の上に乗せる人がいますが、これはマナー違反です。

漆喰の蓋を傷つける原因にもなるため、絶対に止めましょう。

なお、お吸い物のお椀の蓋も、最初と同じ状態になるようお椀に被せます。

決して反対側にして乗せないように注意してください。

山椒をうな重にかける際もマナーがある?

ここまで、うな重の食べ方の流れや、マナーについてお話ししてきました。

ここでは、うな重に振りかける「山椒」について詳しく見ていきましょう。

山椒をうな重にかける理由はさまざまですが、昔は「味を引き立たせる」効果が期待できると考えられていました。

うなぎの油っぽさや臭みを消すために、ピリリと辛い香辛料の山椒をかけ出したのが始まりだと言われています。

それが今でも根づいて、山椒をうな重にかけることが一般的になったようです。

実は、山椒の振りかけ方にもマナーがあることをご存知でしょうか。

ここで、うな重をおいしくする山椒の正しいかけ方をご紹介します。

①まず、うなぎをご飯からよけてください。

②そしてご飯の上に均等になるように山椒を振りかけます。

③うなぎを元に戻し、左下から食べ始めます。

たったこれだけです。

こうすると、ご飯とうなぎを口に入れて最初に甘いたれを味わった後に、噛めば噛むほど山椒のピリリとした風味が口に広がります。

山椒にはうなぎの味を引き立たせる効果があるため、よりおいしく感じることでしょう。

たまに食べるからこそ!うな重はマナーを守って食べよう

昨今、うな重を食べるのは土用の丑の日やお祝いの席でのみなど、機会が減りつつあります。

そのような特別な時に食べるからこそ、マナーを守って正しくいただきたいものです。

うな重を食べる時は、重箱の「左下」から食べ始めましょう。

食べづらかったら重箱を持ち上げて、少し斜めにして食べ進めても構いません。

うな重の重箱は、漆喰などのデリケートな器であることが多いため、取り扱いには十分注意してくださいね。