お悔やみの訪問マナーは大丈夫?弔問時の挨拶や服装は?
2020年01月20日訃報の連絡を受けたとき、私たちは遺族を訪問してお悔やみの言葉を述べる「弔問」を行います。
弔問のタイミングは通夜前、通夜、葬儀、葬儀後など、故人との関係性や弔問者の都合などによって変わりますが、遺族に対して失礼になることのないように、しっかりお悔やみのマナーを押さえた上で弔問したいものです。
この記事では、弔問する際の訪問日程や挨拶、服装など、知っておきたいマナーについて詳しくお話ししていきます。
目次
お悔やみで訪問するタイミングはいつ?
遺族の悲しみの場であるお悔やみのシーンでは、特に弔問のマナーに関して神経質になる必要があります。
そもそも弔問とは、遺族を訪問してお悔やみを伝えることを指し、訃報を受けた直後やお通夜、葬儀後など、訪問するタイミングは様々です。
例えば、訃報を受けた際、通夜前に駆け付けて弔問したり、葬儀に参列する形で弔問したりすることがほとんどですが、やむを得ない事情で葬儀後に遺族を訪問するケースもあります。
そのため、弔問のマナーはそれぞれのタイミング別でよく押さえておくことが大切です。
まず、前提として覚えておきたいのは、訃報を受けた直後に弔問するケースについてです。
通夜前の弔問は、よほど親しかった人か親族でない限り、控えることが基本的マナーと言えるでしょう。
と言うのも、亡くなった直後の遺族は慌ただしく、気持ちの整理もできないまま葬儀の段取りをしています。
そのような中で、弔問客に手間を取らせるのは配慮に欠けます。
遺族から通夜前に弔問のお願いを受けたのであれば別ですが、基本的には葬儀で弔問するのが望ましいタイミングでしょう。
後日のお悔やみ訪問はいつが望ましい?遺族を想ったマナー
では、お通夜や葬儀にどうしても都合がつかない場合、後日お悔やみの訪問をするのはいつが良いのでしょうか。
結論から言うと、弔問をするのが望ましい時期は、葬儀後の数日~四十九日の間です。
ただし、葬儀直後はお葬式の後処理で忙しく、弔問客の対応が遺族の負担になってしまいます。
したがって、葬儀後は少なくとも3日は空け、お葬式の後始末が落ち着いた頃に弔問するのが望ましいマナーでしょう。
また、後日改めて弔問する上で大切なことは、事前に遺族に連絡しておくことです。
あらかじめ確認をとっておくことができれば、遺族に訪問する日程を決めやすいですし、忙しい遺族も前もって準備しておくことができます。
遺族に連絡する際は、まずは故人との関係性を伝え、弔問したいことをお話ししましょう。
お悔やみの訪問マナーを押さえよう!弔問の服装
実際に遺族にお悔やみの訪問をする際、服装や挨拶、作法などの基本的なマナーはよく押さえて臨む必要があります。
ここからは、弔問時のマナーについてそれぞれ詳しくご説明していきましょう。
まず、弔問する際の服装です。
お悔やみのシーンでは、喪に服した喪服のイメージが強いですが、通夜前や葬儀後の弔問は、地味な平服で訪問するのがマナーです。
と言うのも、取り急ぎの通夜前に喪服で駆け付けた場合、不幸を予期して準備していたように感じるからです。
また、お葬式の後日に弔問する場合も、普段の生活に戻りつつある遺族への配慮を心がけ、喪服を避けるのがマナーです。
したがって、紺やグレーなどの地味な普段着、もしくは男性ならビジネススーツ、女性ならアンサンブルスーツなどの服装で弔問するのが望ましいでしょう。
ただし、露出が多い服装や結婚指輪を除くアクセサリー類は当然避けるようにしてください。
通夜前のお悔やみ訪問マナー!挨拶や対面の作法は?
では次に、通夜前や通夜にお悔やみの訪問をした際の、弔問の挨拶や作法のマナーついて詳しく見ていきましょう。
まず、お悔やみの挨拶は基本的に玄関先で行います。
「この度はご愁傷さまでございました」「心よりお悔やみ申し上げます」など、差し障りのない一般的な挨拶を手短に済ませます。
その際、弔問客側から対面を申し出ることは失礼にあたり、遺族の断りなく故人の顔を見に行くことはできません。
基本的に遺族から勧められた場合に限り、お焼香や対面を行いますが、どうしても対面したい場合は、「お顔を拝見させていただいてもよろしいでしょうか」など、遺族にその旨を伝えると良いでしょう。
また、故人と対面する際の作法は、以下の手順に則って行います。
①故人の枕元よりもやや下がった位置で正座し、両手をついて一礼する
②遺族が故人の顔にかかった白布を外したら、故人に近づいて合掌、一礼する
③枕元から下がり、遺族に一礼する
注意したいのが、対面時も含め、遺族には故人の最期の様子や死因を細かく詮索するような言葉は控えることです。
長居することはせずに、手短に弔意を伝えるように心がけましょう。
後日のお悔やみ訪問で押さえておきたい!挨拶・持参するもの
前項に引き続き、次はお葬式の後日にお悔やみの訪問をする際の挨拶や、持参するものについて見ていきましょう。
まず、お悔やみの簡単な挨拶は、前項でお話しした要領で玄関先で行います。
このとき、自分から勝手に家に上がるようなことはせず、遺族に促された場合にのみ家に上がります。
お焼香後、改めて弔意を伝える際、葬儀に参列できなかったお詫びの言葉も添えながら、お悔やみの挨拶を述べましょう。
また、前述したように、お焼香後は長々とお話しすることはせず、遺族を労わって早々に引き上げるのがマナーです。
なお、後日に弔問をする際は、お菓子や果物、花などのお供え物を持参しますが、通夜や葬儀に参列していない場合、香典も持っていく必要があります。
白と黒の結び切りの香典袋を用意し、表書きは薄墨を使用して「御霊前」と書きます。
香典の金額は、故人との関係性や立場を考慮して決めるようにしましょう。
また、持参する際は弔辞用の袱紗(ふくさ)に包み、遺族の目の前で袱紗から香典を取り出して渡すようにしてください。
避けるべき忌み言葉とは?挨拶や会話の中で気を付けたいマナー
これまでに、お悔やみの訪問をする際の詳しいマナーについて詳しくお話ししてきました。
最後に、お悔やみの挨拶を述べる際の気を付けたい「忌(い)み言葉」についてもお話ししておきましょう。
「忌み言葉」という言葉を初めて聞く方もいるのではないでしょうか。
忌み言葉とは、不幸が繰り返されることを連想させる不吉な言葉で、特に慶弔のシーンでは使用を避けるべきと昔から捉えられてきました。
現代では、昔に比べて死に対する受け止め方も大きく変わっているため、そこまで忌み言葉を嫌うこともありませんが、マナーとして知っておいたほうが望ましいでしょう。
では、忌み言葉にはどのような言葉があるのか、以下で見てみましょう。
【重ね言葉】
重ね重ね、返す返す、くれぐれも、いよいよ、度々 など
【重ね言葉と似た性質を持つ言葉】
再び、引き続き、追って、繰り返し など
以上のような同じ言葉が連なる言葉は、できれば弔問の際には避け、適切な言葉に言い換えるのが望ましいでしょう。
また、宗教や宗派によっても使用する言葉が異なってくるので、弔問する際はあらかじめ確認しておいてくださいね。
マナーは押さえつつ心を込めた弔問を
遺族を訪問するお悔やみの弔問は、悲しみの場でもあるだけに、マナーや作法は必ず押さえておきたいところです。
また、マナーや作法はもちろん大事ですが、何よりも大切なのは遺族をいたわる気持ちです。
この記事で基本的なマナーを押さえ、心を込めた弔問を行ってください。